Via Vino
No. 96 "World Sparkling Wine "
<世界のスパークリングワイン>
<日時・場所>
2024年7月20日(土)18:00〜21:00 銀座「Furutoshi」
参加者:22名
<今日のワイン>
辛口・白・発「バラトンボグラー・ワイナリー・チャペル・ヒル・スパークリング・シャルドネ・ブリュット」
辛口・白・発「セッラ&モスカ・トルバート・スプマンテ・ブリュット」
辛口・白・発「ティボー・アンリオン・クレマン・ド・ロワール」
辛口・赤・発「ガヴィオリ・ランブルスコ・ディ・モデナ・アンチェストラーレ」
辛口・赤・発「フォックス・クリーク・ヴィクセン・スパークリング・シラーズ」
辛口・白・発「トーレス・ヴィーニャ・エスメラルダ スパークリング・ブリュット」
<今日のディナー>
【Inizio(イニッツィオ:始まり)】
トウモロコシの冷たいクレーマ・リコッタチーズのムース・サマートリュフ
【Antipasto(アンティパスト/前菜)】
コチのカルパッチョ・ナスのローストとドライトマトのソース 西洋わさび
【Antipasto Caldo(アンティパスト・カルド/温かい前菜)】
アユのコンフィ 大麦ときゅうりのサラダ
【Primopiatto(プリモ・ピアット/第一の皿)】
カジキマグロと万願寺唐辛子・ペスト・トラパネーゼ
【Secondopiatto(セコンド・ピアット/メイン・ディッシュ)】
カモのロースト・サルサ・ペヴェラーダ
【Dolce(デザート)】
ルビールバーブのスープ・マンゴーのソルベ
1.スパークリングワインについて
スパークリング・ワインはどうやって造るの?
普通のワインにガスを吹き込んだものなの?
意外に知られているようで知られていない、
スパークリングワインについて 様々なスタイルのものを紹介していきたいと思います!
【スパークリングワインの各国での名称】
「バラトンボグラー・ワイナリー・チャペル・ヒル・スパークリング・シャルドネ・ブリュット」 (タイプ:発泡性・辛口、品種:シャルドネ、産地:ハンガリー、製法:シャルマ法)
産地であるバルトンボグラーは、ブルゴーニュとほぼ同じ緯度に位置していて、また湖の近くということもあり、地中海性気候に近く、春が早く、夏が長く、霜害がほとんどない理想的な土地です。そんな理想的かつ、コストパフォーマンスのいい地域で丁寧に収穫されたシャルドネ100%のブドウを使って造られています。色は綺麗な麦わら色、シトラスやライム、白い花の蜜を感じさせるシャルドネ100%らしい華やかな香り。キレのよいさっぱりとした口あたりに続いて、コクのある果実の甘みが泡とともに広がる、爽やかさで華のあるスパークリングワインです。トウモロコシの冷たいスープと合わせました!
「セッラ&モスカ・トルバート・スプマンテ・ブリュット」 (タイプ:発泡性・白・辛口 品種:トルバート、産地:イタリア/サルデーニャ、製法:シャルマ法)
1899年、当時の有名な政治家クィンティーノ氏の甥エルミニオ・セッラ氏とエドガルド・モスカ氏がサルデーニャ・アルゲーロの自然と大地に魅せられて、領主のヴィッラマリーナ家から土地を購入したのがセッラ&モスカ社の始まりです。所有総面積は650haで、そのうちブドウ畑は500haにも及びます。スペインに起源をもつトルバートは、セッラ&モスカ社が大切に守り、栽培してきた地ブドウです。レモン色を帯びた淡い麦わら色、ブドウの特徴がよく表現された軽く、エレガントさもあるフルーティな香り。生き生きとしてフレッシュな味わいながら、トルバート種独特の繊細なアロマを感じるスプマンテです。コチのカルパッチョと抜群の相性でした!
「ティボー・アンリオン・クレマン・ド・ロワール」 (タイプ:発泡性・白・辛口 品種:シュナン・ブラン50%+カベルネ・フラン30%+シャルドネ20%、産地:フランス/ロワール、製法:シャンパーニュ法)
代々葡萄を栽培していたジャン・タイエ氏が1970年からワイン造りを開始、ジャン氏の息子ガブリエル氏が2013年まで父親と共にワイン造りを続け、2014年からは現当主のティボー・アンオン氏が引き継ぎ現在に至ります。サスティナブル農法を取り入れており、化学肥料や農薬は使用していません。収穫は手摘みで、最低12か月の瓶内熟成。 白い花、洋ナシ、ドライフルーツを思わせる果実に、微かにヘーゼルナッツの香りを感じられます。 きめ細かく繊細な泡が、豊かな果実と綺麗な酸を包み込んだ、エレガントな飲み口のクレマンドロワールです。ロワールの白には川魚が合うとされていますが、今回のアユのコンフィとの組み合わせは一番人気の結果となりました!
「ガヴィオリ・ランブルスコ・ディ・モデナ・アンチェストラーレ」 (タイプ:発泡性・白・辛口、品種:ランブルスコ、産地:イタリア/エミリア・ロマーニャ、製法:リュラル方式)
1974年にエミリア ロマーニャ州のモデナでピエトロ・ガヴィオリ氏により創設された歴史あるワイナリー。モデナ地方はエンツォ・ フェラーリ氏やルチアーノ・パヴァロッティ氏など創造力豊かな人材を輩出した地として、また高品質なランブルスコの産地としても知られています。「アンチェストラーレ」はイタリア語で「先祖代々の」という意味。圧力タンクが発明され、タンク内二次発酵が可能になる以前にランブルスコ造りに用いられていた伝統的な手法です。アンチェストラーレ製法で造られたこのランブルスコは、ブドウが本来持つ糖分のみを生かし、瓶内で再発酵させて造られています。赤いベリーや花、ブリオッシュの香り。きりりと辛口で繊細な味わいは、食事と合わせやすいのも魅力ですが、今回のカジキマグロのパスタともしっかり合っていました!
「フォックス・クリーク・ヴィクセン・スパークリング・シラーズ」 (タイプ:発泡性・赤・辛口、品種:シラーズ他、産地:オーストラリア/マクラーレン・ヴェール)
1984年にオーナーのワッツ夫妻が32haの土地をマクラーレン・ヴェールに購入。当時マクラーレン・ヴェールは「この土地ほどシラーズやその他の赤ワイン用品種の栽培に適さない土地はない」という考えがあったとか。しかし夫妻は、質の良い接木を選んで若い樹を育て、畑に出来るだけ日が当たる様に設計、今やオーストラリア・シラーズを代表する生産者となりました。シラーズを主体に、20ヶ月樽熟成で造られるアルコール度数14度の究極辛口スパークリングは、深いルビーの色調ときめの細かい泡、そしてブラックチェリーやダークチョコレート、モカコーヒーやスミレのアロマも感じられる、赤ワイン愛好家にも泡愛好家にもおすすめの希少な赤ワインです。鴨のローストは赤ワインと合わせるのが普通ですが、今回の赤のスパークリングも非常に楽しめる組み合わせとなりました!
「トーレス・ヴィーニャ・エスメラルダ スパークリング・ブリュット」 (タイプ:発泡性・白・辛口、品種:モスカテル、産地:スペイン/カタルーニャ)
「世界で最も称賛されるワインブランド」にも選ばれた名門トーレスが展開する、地中海産のモスカテルを使用した、フレッシュなスパークリングワインです。モスカテル特有のフルーティーな果実味に、フローラルなニュアンスがアクセントを加えた、エレガントなスタイルです。ヴィーニャ・エスメラルダは、「エメラルドのワイン」を意味し、地中海のエメラルドグリーンをイメージして名づけられています。ブドウを収穫後、16℃に温度管理されたステンレスタンクで一次発酵を2週間、さらに二次発酵を10日間行います。きめ細やかな泡立ちに、モスカテル特有のマスカットや白い花の風味が魅力的な、爽やかでエレガントなワインです。今回はデザートのマンゴーのソルベに直接注いで楽しむパターンとなりました。フルーツの味わいが炭酸で引き立ち、1ランク上のデザートが楽しめました!
<今回の1冊>
【柳忠之「WineStyle」(日本経済新聞出版社 )】(2018年刊行)
「知って楽しむシャンパーニュ・スパークリングワインのすべて」といううたい文句で刊行された、雑誌「WineStyle」のスパークリングワイン特集号です。なぜか世の中には、「シャンパーニュ」を題材とした書籍は沢山あるのですが、普通に「スパークリングワイン」で総括しているものがほとんどありません。スパークリングワインは何もシャンパーニュだけではないので、ここまで偏らなくても、と思うのですが……。この雑誌は2019年くらいまで刊行されていたと思うのですが、冒頭は例によってシャンパーニュの生産者紹介ですが、後半はそれ以外のスパークリングワイン、カバやプロセッコなどを解説しています。