一連のスト−リ−として論理構造図を描ける人
───────────────────────────────────────
 エグゼクティブのためのプレゼンテ−ションについて雑誌記事を読んだことがありま
す。きっと、組織のTOPとして、これから向かっていくべき方向を探り、確信する方
向をこれからいっしょに歩む人々へいかにわかってもらうかについて、いつも気に掛け
ている人のための心得について触れているのだなあと、この記事を読んで気づいたので
す。

ふと、自分自身が向かっていくべき方向を探り、その方向に自分の心が確信するため
に、また自分をとりまく家族といった、共に歩んでいく者にわかってもらうためにも、
つまり、人として生きていくために大切にしなくてはならない能力なのかもしれないと
思うようになったのです。

 この中で、述べてあることで「なるほど」とうなづけるものに出会ったのです。それ
は、言いたいことを一枚の絵として描く練習に、ほとんどの時間を当てるということだ
ったのです。固い言葉で言うと「論理構造図」、話の流れを図に表したものと言えるも
のです。どこかで出会ったことありませんか。

たとえば、話の流れの通りに描いてみましょう。大きな樹のようにして描くとよく分
かってもらえる内容があるかもしれません。樹の幹になるような中心的な考えを真ん中
に置いて、それを支え、養分を補給するようなことを広く張り巡らされた根っこのよう
に見立て、その養分を広がった根と太い幹によって十分に吸い上げられ、各分野を表し
た枝にみごとに成果を付けるといったような表現です。
 
 このことは、講演や授業のメモをとるときに、自然に自分でもやっていたことでした
し、その効果が分かっていましたので大いに共感して受け止めたのです。面白がって、
いろいろ描いてみました。用紙のど真ん中に出発点となる考え方を配置します。たとえ
ば、私なら「自然と積極的に関わる人生を歩む」と書きました。次に、そこから生まれ
てくる事柄を、区分毎に分けて同心円上に描いていきます。たとえば「いつでも自然の
中に身を置きたい時に、すっとそれを実現するしかけ」と書きました。あるいは「自然
のことを語れる仲間づくり」とか、「自然に接して、大切と思ったことの情報発信」と
いう具合です。さらにそのまた同心円上に、それらを具体化するアイデアを書くといっ
た具合です。

どうですか、ぜひ試しに描いてみてください。きっと、話だけの場合よりも、描いて
みている過程で、思っていたことが整理され、単なる場当たり的なアイデアだったこと
でも、意味を持ったものとして改めてその意味に自分で気づくことも出てくるかもしれ
ませんから。

 こうして、出来上がったものは、自分の考えを結晶化したものといえます。一見ばら
ばらに見えていたものに、意味付けをしたものとなったわけです。ぜひ、この絵をいつ
も見えるところに置いておき、そのことに着実に限られた人生の時間や、有限なお金の
使い道、そして情報集めをしていくことです。人生の成功の秘訣がここにあると、何人
かの成功哲学を持った方々が、同じ考えに行き着いているようです。私も、実行してみ
てそう実感するのです。