限られた資源を、自分の意志で配分できる人(人・物・金・時間)
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 人生の“限られた時間”に気づいたのは、いつだったのかハッキリ覚えています。高
校のある日でした。
 多感な時期がそうさせたのでしょうか、何か無性に夜に涙が出ててこまったことがあ
ったのです。桜の花を見て、その夜にこんなことを考えていたのです。「この桜の花に
あと何回出合えるのだろう。もう18回過ぎたのだから、80歳まで生きたとして残り
62回しかないのか。」こんなことをとりとめもなく考え、なんと人生とは有限なこと
かとしみじみ思ってのことだったのです。「早く夜が明けて、学校の友人に逢いたい」
と思った夜でした。

 こんなことをきっかけに、「自分の人生は限りがある。だからこそ、この貴重な人生
の時間を、どこに投入したら、自分にとって悔いのない人生と言えるのだろうか」と自
問自答してきました。

 このころから、自分にとっての特徴を意識して動き回ってきたように思っています。
と同時に、苦手なことが人並みにやれることがとても嬉しいことも体験を通して実感し
たのです。このことから、自分にとって一生を通して取り込むテ−マは、生涯の各年代
を通して、たいていの人が嬉しそうに参加できるようなものがいいなと思ったのです。
同じ時をいっしょに生きていく仲間と共に“思いを共有できる嬉しさ”を、無意識のう
ちに求めていたのかもしれません。

 こんな中、「“自然”に積極的に親しむ人生を歩む」といった自分なりのテ−マが、
思い浮かんできたのです。このときすでに、大学卒業間近の下宿生活の中で確信したの
です。

 これからというもの、限られた人生の「時間」を、このテ−マにつぎ込む覚悟が出来
たことで、思い切って日ごろから時間があれば積極的に自然の中に身を置くようになっ
ていましたし、自然との生き方について扱っている雑誌を定期的に購読するようになり
、友人との話も自然との出会いの話題が多くなったようです。

 出合う人も情報も、毎日が“自然”を気にすることになり、大学ノ−トを利用して書
き留めた“1日1行の日記”も、自然との出会いが中心となり、人生のインデックスと
いえるものを何年にも渡って書きつづけたのです。その日に出合った自然との接点、た
とえば季節の花、出かけたハイキングの様子などを短く記し、すぐわかるように緑のマ
−カ−で塗ってみました。そうすることで、一目で自然と積極的に接触した様子が自分
で確かめられるのです。

 「自然に積極的に親しむ人生」のテ−マに沿って、社会人になってからも、温泉、無
線、そしてオ−トキャンプといったアウトドアライフに関わったことに人生の時間と資
金を投入しつつ、自分らしい生活スタイル作り上げ楽しんできたと言えるのかもしれま
せん。
 そして今では、自然を自然(じねん)ととらえるような見方、そして、自然のなかで
生かされているいきものに目を向けていこうとしている自分がいます。


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