自分の強みをハッキリ掴んでいる人(人から感心された事・自分の夢からの仮説造り)
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 “本来備わっているその人の自分らしさは、きっとある”と思えてなりません。他人
のように成りたいといって、その人の物真似はかえって魅力をなくしてしまうことでし
ょう。
 でも、自分らしさを自分自身で発見するのは、なかなかむずかしいものです。特に、
自分の強みといっても、何をとっかかりに自分でつかんだらいいのか分からないもので
すね。

 私は、童話作家のかこさとしさんがやったという、自分の夢をカードに書き綴るとい
う方法が大いに役に立ちましたので、ここにご紹介しましょう。

 “一つの夢を一つのカ−ドに”描いていきました。

 小さいころからこれまでの間に出合った出来事を思い出しながら、人から感心された
こと、喜んでもらったこと、自分の小さいころの夢、出合ったひとから頂いた大切と思
った事柄などを思いつくたびに、カ−ドに描いていったのです。私は、名刺サイズのカ
−ドを使いました。いつでも胸ポケットに忍ばせておけるので、どこでも“ハッ”と思
ったときにすぐにその場で、イメ−ジがありありと浮かんでくるような表現で書き記し
ていこうとしたのです。

 こうして書き溜めたカ−ドは、自分が思ったことなのですから、たしかに自分の宝物
なのだと気づき、嬉しくなってきました。正真正銘自分の思っている夢なのですから。

 今度は、集まったカードを一つ一つ見ていくのではなく、カードが訴えかけているこ
とが同じように思えるものを一つに集めたり、互いのカ−ドやカードの集まりの関連を
じっと眺めてみるのです。自分の心を、自分で眺めるということができたのです。

 そうしているうちに、パ−ッと心が開けて「なあんだ、これが自分の大切と思ってい
ることなのか」といったひらめきに出合うことでしょう。一つ一つのカ−ドからでは見
えなかった、心の風景の全体が見えてくるのです。それも、他人から言われて見つかる
のではなく、自分で自分を見つけることができる方法なのです。ともかく、やってみて
下さい。以外とたやすく自分を知るきっかけになると思います。センスの良いあなたな
らきっとうまくいきますから。


 いつも行っている本屋の本棚を見ていて、ある時ふと気づいたことがありました。

 本を手にとってみると、書いた人が神様に思えていた時がありました。なかなか一般
には本を出版するのはよほどの力とチャンスがいるのだろうと思います。でも、ふと、
ここに並んでいる本はすべて、その人自身の自分の表現にすぎないのだと。
そうなのです、自らが体験し感じた、いわば自分の宝物を、表現していく必要がある
のは、まさに自分自身であるということなのだと。

 自分しかない自分の宝物探し。こうすることが、とても充実した時間になってきたこ
とを感じています。ものまねでない自分の宝物に気づくことなのですから。