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Gダラ考証 98年の5月頃にどっかで書いたモノです。

最近プレステでGダラを一通りプレイしました。 そこでこのゲームに対して、(発売当時から感じていた事を含めて) 多少思う所がありますので、以下。

尚、参考までに、私はプレステ版発売前にアーケード版を タツノオトシゴを1コインクリア、天使ラスボスとその下のコースの ラスボスにノーミスで会う(けどそこで攻略を投げる^^;)位やっています。 逆に言えばその程度の思い入れだけ、という訳です。また稼ぎ興味なしの クリア優先プレイです。そういう視点での考察だと言う事をご了承下さい。

○キャプチャーについて

このゲームでのキャプチャーシステムとは、果たしてどの位 それを導入した効果があったでしょうか? 恐らく史上最多数の部類であろうそのパワーアップ種別。それは 各場面でのプレイヤーの使い分けにより、非常に趣向的で独創的な 攻略が期待出来たのかもしれません。ですが結果的に、それはあまり 実現出来ていないように感じます。

プレイヤーはキャプチャーする敵を選ぶのに何を基準に選んで いるのでしょうか? それは「場面に最適なもの」という判断ではなく、 「使えるか?orハズレか?」という判断に終始してしまっているようです。 使えるものは常にそうでないものを凌駕し、個性的なものほどハズレで あるという実状、またもともとこのシリーズは3大横シューの 他グラディウス・R−TYPE等と比べてもさほど地形が重要でない事 (正確には、回を追うごとに比重が軽くなってしまっている事) 等により、攻撃の指向性よりも純粋な「強さ」が常に役に立ってしまう、 のが原因かと思われます。また防御としての能力の差が (実際にはあるのにも関わらず)イマイチプレイヤーに伝わってこない (いつ壊れるか分からない=どれもすぐに壊れそうに思える) というのも残念な部分です。

結果「ハズレでないものを付けていればそれでOK」というスタイルが 確立します。それなら「使える」もの同士の中でも微妙な違いや、 ある種の「好み」を推して多彩なパワーアップを楽しむ、という プレイスタイルもあったかも知れません。が、現実にはプレイヤーは 慣れる程に毎回同じものをキャプチャーする、という傾向になって しまっています。それは、このゲームは全般的な攻略が 「危険を乗り越える」というよりも「危険な目に合わないようにする」 のが主である事(即ち、冒険しずらいという事)、後述の アルファビームの重要性により、何もキャプチャーしていないという 状態は極力避けたいという事、そしてどうせアルファ等でなくなって しまうパワーアップな為、無理をして好みのものを選ぶメリットに 薄い、等の理由かと思われます。

このゲームで私が使う雑魚のキャプチャーは大別して、
・序盤に多い自機の上下につくもの(自機攻撃サポート系)
・中盤以降の折れ曲がりレーザー君(誘導系)
・ボス戦に多い攻撃力なしの固いやつ(防御系)
の3つになります。つまる所、実はこの3種類だけが存在したら、 全編それでまかなえてしまうのでは? という解釈も発生してしまいます。 即ち折角あれ程多くの種類を用意したにもかかわらず、それらはさして 生かされていないように感じます。付け加えるのなら、数種のサブ兵器を アイテムにより使い分ける従来型STGとの「差別化」は、 果たしてどれほど達成出来たのか? という疑問が残ります。

例えばカプコンのロックマンよろしく、このキャプチャーはある特定の 敵に効く、等の個性付けがあってもよかったような気がします。他にも 光学兵器無効化とか誘導兵器撹乱とか隠しアイテムサーチとか、等々... どうせパズルゲーとか言われる位なら、もっと徹底して 凝ってくれた方が楽しかったかも。

中ボスに関しては、やはり「強いor弱い」というベクトルの範疇での 個性付けの為、結果どれもが「とても強い」という位置づけに成されており、 その間のゲームバランスに支障をきたしているように思えます (ウェイト発生機も兼ねてしまっているのが更に輪をかけてますね)。 まぁこれは従来型ゲームの「無敵アイテム」的なコンセプトがあったの かもしれませんし、それならそれでイケイケ感を楽しめて良いと思います。 ですが、そうするとVer.2のそれには疑問が残ってしまいますね。

などなど、どうもこの開発チーム、趣向系STGに憧れている割にはそれに 成りきっていないというか... 斬新なシステムというのは、それを考える だけなく、使いこなすようなゲーム作りをしてこそなんぼ、だと思います。

ただ文句ばかりのようですが、別に従来型STG的なプレイがつまらないと 言っている訳ではありませんし、決してキャプチャーシステムを 入れるべきではなかったと言っている訳ではありません。また、狙った 敵に対して的を絞って狙い撃ち、見事刈取るその瞬間はさながらハンター の如き充実感がありますし、他との連携でキャプチャーが消滅し定期的に 何度もそれを行うような仕組になっているのも、評価に値します。 (テレネットやビデオシステムもなかなかやるなって所でしょうか)

○アルファビーム

このゲームはアルファビームを撃つ事を奨励しています。理由は
・得点が高く設定されている
・キャプチャーボール所有数に上限があり意外を溢れやすい程に補給される
・キャプチャー雑魚を体力死にさせるよりもアルファを撃った方が御得
・使わない(ケチる)事へのリターンがさほどない
・そしてなによりも、難所をアルファで切り抜けるような攻略が非常に有効である
等によります。

で、この随所に「回数制限付き強力弾消し兵器を使用」していく、という ゲームスタイルは、世間では「ボンバーシュー」と呼ばれるモノだったりします。 実際、撃つ為に仕込みが必要とはいえ、もともと可能な限り常にキャプチャーを 装備するプレイスタイルである本ゲームにとって、アルファビームはボンバーと 呼んでしまっても差し支えないと思われます。

さてこのアルファビーム、数あるボンバーシューの中でも際立って強いです。 5秒ないし連射で7秒、という継続時間、火種の仕込みの手間に対する リターンの意味もあるのでしょうが、この手のゲームとしては非常に 長いですね(怒首領蜂なら3発は必要?)。そしてその間はほぼ無敵。 後方や地形、金パーツ等の要素もありますが、よっぽど気を抜かない 限りまず死ぬ事はありません。当然その間は生き死にの攻防に乏しく、 その間の敵配置や微妙なバランス設定なんて関係なし、即ちゲーム として「大味」になりがちです。ボンバーシューでしばしば問題視 されるその特徴を見事に引き継いでしまっています。

また攻略としての利用度が非常に高い。最近のボンバーシューは、 プレイヤーが上達すればする程にボンバーを使わない、もしくは 弾消し以外の部分で使わせてしまう、等、危険回避としてのボンバー 使用は減少方向にあります(そういう意味では、それらのゲームは ボンバーシューである事へのウェイトが軽くなりつつあります)。 ですがこのゲームの場合は一貫してボンバーは「使う」方向性で 姿勢付けられています。即ち歴代ボンバーシューの中でも ボンバー必須度合いが非常に強い部類に属している、と言えます。 これは前作外伝が緊急回避を主にしていたのに比べ、むしろより一層 ボンバーシューの度合いが色濃くなっているように見受けられます。

ただ、一般的にボンバーシューは「自由で開放的」な方向性なのに 比べ、どうにもこのゲームは「窮屈」な印象を受けます。火種の 仕込みが必要な事、かつその火種がままならず撃ちたいときに 封印状態に陥るケースのある事、等が原因でしょうか。このGダラ特有の 個性はもちろん攻略の奥行きを深める効果もあったのでしょうが、 それ事体が逆に足枷になってしまっているかのような危惧も感じます。

しかし、むしろ撃つ事を前提にしたこのボンバーは、それが功を成して いる部分も十分あります。即ち撃つ事の楽しさ。怒首領蜂は上級者 に対してボンバーを撃たない事を徹底的に奨励するあまり、プレイヤー からボンバーを放つ楽しさを奪い去ってしまった感があります。 実際あのゲームにおいてボンバー発射は、爽快感よりもむしろ 後悔無念感が伴うものになりがちです(その反省かESPでは ノーボンバーへの報酬を弱めたっぽいですね)。それに対し、 このゲームでのアルファビームが絡んだ部分のプレイ感は非常に 面白い、と感じます。道中で効果的に使ったときのそれも さるものながら、やはり対ボス戦でアルファが決まったときの爽快感、 充実感は非凡なものがあります。特には、かのエネルギー干渉、 これはボンバーを撃つ事にこだわった、他のメーカーにはなかなか 真似出来ないであろうタイトーならではの成果でしょう。

などなど、どうもこの開発チーム、ボンバーシューを嫌っている っぽい割には、根っこの部分で東亜の魔力に頼っているかのような 実態が見え隠れするというか... 半分余談じみた話ですが、 タイトーって結構ボンバーシューに寄ったメーカーではないで しょうか? 趣向派を代表するアイレム、コナミとかでは ボンバーシュータイトルを探してみると、サンダーブラスターに ファイヤーバレル、そしてトライゴンという所でしょうか。 が、タイトーに目を向けてみますと、実は非ボンバーシューを 探した方が早いのではないかと。レイシリーズに初期のダライアス シリーズ、後は? 案外、他多くのタイトルが、補給方法やMAX 所有数、ノーマル武器との連携に趣向を凝らしているとはいえ、 「回数制限付き弾消し強力兵器」を主軸に組み立てられていたりします。

まぁそれが悪いと言う気は毛頭ないのですが... ただ、もしも仮に 個性を売りしたいとするのでしたら、多少パワー不足のように感じます (ちなみレイストームやコナミのA・JAXをボンバーシューと 言うつもりはありませんヨ)。 今後「既存の延長でない」ものを作っていきたいと言うからには、 ナムコの高低撃ち分けや東亜の回数制限兵器、とは異なる流れの タイトー独自のものを仕上げて行って欲しいものです。

○その他

アウトランから始まったコース選択、その膨大なステージ数は それだけで評価に値するものですが、それもこうシリーズを 重ねて来ますと問題点も見つめない訳にはいかないと思います。 即ち、果たして本当にそれだけのステージが必要でしょうか? 27ないし15*2のステージですが、背景とボスの違いを 差し引いて考えますと、もっとテーマ別に絞り込めばその半分 以下にまとめる事が出来るのではないでしょうか? 多少下世話な 表現になってしまいますが、現状どうも「大して違いない面を やらされている」かのような思いにかられる事があります。

それは恐らく、以下の様な攻略スタイルによるものだと思います。 このゲームの攻略で押さえるべき事を考えますと、
・まずはキャプチャー
・辛い所でアルファ
・切れ際に再キャプチャー
・中ボスはキャプチャーボム利用で金パーツを剥がしキャプチャー
・ボス戦ではアルファ
という流れである事を押さえます。そして その一連の流れに必要な操作・テクを練習し習得します。 かつハズレでない敵をある程度押さえます。 ここまでで、このゲームをクリアするのに必要な攻略は 50%は修得したも同然、と私は考えます (残り25%が個別場面の記憶で、最後25%が避けやパターン 実行の腕、だと考えます。あくまでスコアを意識しない話です)。

で、この50%をもって道中戦にあたると、どうにも冗長な イメージがついてまわります。もちろん5面関係や一部の4面は さすがに一筋縄でいかず緊張感のある攻防が繰り広げられますが、 先に述べたアルファの強力さやウェイト、そしてそれ以外はシールドに 護られつつそれなりの装備をもって出てくる敵を撃っていれば なんとかなる、等により、自分のやっている事に自発性を 見出し難く感じてしまいます。このゲーム、全般的に生き死にの攻防と いう点において、歴代メジャーSTGの平均レベルには達していない ように私には見受けられますが、どうでしょうか?

これはなにも簡単だと言っているのではありません。むしろ逆でして、 この王道の攻略からちょっと脇道にそれますと、とたんに事態は豹変 します。このゲームはシールドアイテムの入手が簡単過ぎて、 それを前提としたかのようなバランス付けをされているのが一つの 特徴だと思いますが、それがシチュエーションによっては劇的に プレイヤーに牙を向きます。シールド+キャプチャー状態と まる裸状態との圧倒的な格差は復活を極めて困難にし、キャプチャーして アルファを放つという動作に不慣れでそれが適わないプレイヤーに対しては、 どうにもならずなし崩し的に葬り去られる場面も少なくありません。 そもそもミスる場面というのはそうした難しい場面だからこそでして、 そういう場面できっちり復活出来る腕前というのは、恐らくは ノーミスでクリアするより難しいであろうという矛盾が生じています。 そういう場面に対してシールドが数画面先まで出る予定なし、 というケースが多々発生する事に、私は疑問を感じます。

話を戻しますが、もともとこのゲームはボス戦主体であり、だから面は その分必要だし道中はあんな感じで良い、という意見もあると思います。 全く同感です。そして、それなら道中はもっと短くて良かったのでは? と思います。そもそもこのゲームは上級プレイヤーの1コイン辺りの 台占有率が高く、それがインカムを抑えてしまった経緯もありますし、 例えば3面は今の半分もあれば十分ですし、1〜4面も今の3分の2程度 が適当かと思われます。その分の密度を提供出来れば、決して物足りなさ が挙がる事もないはずです。

で、ボス戦ですが非常にレベルが高いと思われます。そのセンスや 表現力は間違いなく業界随一ですし、実際見事なものだと思います。 今まで散々書いて来た事と矛盾するかの様ですが、このボス戦だけで このゲームは是非ともやって欲しいゲームだと思いますし、プレステ版 購入に対し定価分以上の価値を感じます。多少、全攻撃の4分の1程度、 稚拙な攻撃手段が用いられているのが苦笑ものですが、それ位は 大目に見るべきでしょうか? この件に関しましては過去に(中略)ので、 「成長して下さいね」の一言で済まさせて頂きます。

しかしウェイトはどうにかならなかったのでしょうか? 格闘界が バーチャの1・2・3という進化で60フレームノンウェイト標準 と化しているなか、どうにも見劣りする、というかだらしなく 感じます。ハード性能もあるのでしょうが、レイストームが 結構見事だったのに比べるとやはり気になります。 それと一部のバカ攻撃(失礼)がなければ、私も発売 当初から夢中でやり込んだかもしれませんが・・・

その他もろもろ含めて「挑戦を買う」とは割とこのゲームの 評価で良く聞く意見です。私も心から同意します。ただ、この表現の 裏に含む意味を、メーカーの方には感じ取ってもらいたいものです。


久々に長くなってしまいました。こりゃ皆さん退いてくれる事 間違いなしですね(^^;)。まぁ読んで下さればそれでいいです。 これは決してGダラがつまらない、と言っているのでは なく、Gダラファンの方に向かって再考を投げかけている ものではありません(恐らくは皆、ここに書いた事程度は 深層で認識していると思います)。良い遊び方をもってすれば Gダラは面白かった!というのをこの考察の結論とさせて下さい。 そういう意味で、むしろ当時Gダラを投げてしまっていた方々に 対して、その接し方を切り替える後押しにでもなれば良いですね。


※以下例によって、2001年10月現在の蛇足加筆文・・・

うわ長ぇ・・・ よくこんなバイタリティあったな、当時の自分。

最後は小綺麗歯浮きにまとめてますが、結局何が言いたい かってったら、要は
・キャプチャーシステム、これで活用出来たって言えるの?
・差別化が売りって割には、これ、亜流ボムシューじゃん?
・冗長その他、悪しき伝統を何も考えず引きずり続けるの、いい加減にしない?
てな所でしょか。(って文句たらたらですね・・・)

意外と当時、こういう指摘する人ってあまり見かけなかったんです。 好きな人は持ち上げるばかり、嫌いな人はハナっからバッサリ、て感じ。 元々が、評価される点(=人が惹かれる点)が別方向タイプの作品 でしたし、こういうツッコミは無粋なのかなぁ?と、私も暫くは静観 (むしろGダラの話題は避けてた位なのよ)。でもプレステ版で 触れ直して、やっぱ言おうぜ?言うべきだろ?コレ、と。
まぁ充分時期も経って、ほとぼり過ぎた頃でしたし。

一応、建設的な問題提起のスタンスを取らせて頂きましたが、果たして? いえまぁ、ナニがど〜なる、て訳はなかったんですけどね。元々が 今更がんじがらめ、もしくは開発陣のキャパも一杯イッパイ、そして そのキャパの配分所(=価値観)が違う、て訳ですし。そもそもが Ver.2関連のゴタゴタ振りからしても、事態は明確だった訳でして。

まっ、コレはたかがシガナイ1個人の性分の産物、て事で。 価値観が違うモノにまともに取り合わない風潮は嫌いだヨ、向き合う以上は 真剣にネ、そして急所も曖昧にしないヨ、言われて嫌であろう事もハッキリ 言うヨ、でも客観性とか得手評とかは役違いなんで他人に任せるヨ、 なんてのは昔からの私の性分。 それがただの嫌がらせにしか見えなかったとしても、 別にそれはそれでど〜でもよいし。最初から、覚悟もあったし。
※つ〜か、嫌われるよな、こんなんだから・・・


ちなみに、「挑戦を買う」の裏の意味ってのは、総合評価がマルな 作品にそんな形容充てる人は居ないよ、て事デス、念の為。例え言った 側にそういう含み意図はなかったとしても、製作者はそう評されて、 「恥」と感じて然るべきなのでは? つ〜か、そ〜いうプロ意識が あって欲しいよな〜、てのが当時のこれに込めていた、私の本音。