●ここが凄いぞ!雷電  - リアリティー -

 まぁ、破片だとかまた分かり切った事なんですが...でもこれは触れない訳にはいかないでしょう。
 案外気付かない事ですか、あの破片って相当広く広がってます。アイテムキャリアの破片なんか、画面4分の3ほどまで飛び散る程です。また、その破片のスローモーな所がまたいい味だしてますね。例えば雷電2、DXの2ボスの破壊シーンは、空中でとどめを刺したときの破片と、ボスが地面に衝突したときの破片が立体交差して、実に壮絶です。
 また、通常の破片に比べ目立たないのですが、ダメージ時の1ドット破片(正確には数ドットありますが...)の量は特筆に値します。その2ボスにワイドフルパワーで近づいたときの、その1ドット破片の量ったら、圧巻ですよぉ。
 またその飛び散る方向も、作用反作用を意識してて気持ちいいっすねぇ。

 個人的に雷電2,DXって、2Dゲームとしては最もオブジェクト量の多いゲームだと思うですが、どうでしょう?(反論求む※1
 また破片パターンも実に多く用意されています。皆さん是非一度、よく観察してやって下さいね。

※1 これまたガレッガ&怒蜂の両者に抜かれてしまったっぽいですね(笑)。ただ、ドット破片を考慮すればまだまだトップレベルには違いない、と思います。ちなみに、この当時、欲しかった反論としては「海底大戦争」とかを考えてました。

 さて私が言いたい事ってのは、実は破片の事じゃありません。私が思う雷電のリアリティーってのは、敵の見た目とその能力の一致、文字通り、現実的な部分の事です。

 現実の常識で考えれば、速く移動するなら機体は小さく、軽くなければなりません。そうするとやわらかくなるし、弾数積載能力も乏しいはずです。
 逆に大きいキャラは堅く、弾も多く搭載出来ますし、その代わり移動速度は遅くなります。当然地上型の方が空中型より堅くする事ができますね。
 また、弾発射能力もキャラによって違います。速い弾を撃ったり、連射したり、多方向に撃つには、それなりの装置、動作が必要です。多くの弾を撃つにはそれを装入する時間が必要だし、じゃなければ連射する分の砲台が用意されているでしょう。小型砲台より大型の方が、それらの能力が優れているのも当然です。しかし現実のコストとして、小型の砲台&敵の方が数多く存在するはずです。

 こういう視点で雷電をみると、このゲームって実に緻密な作りをしてあるんです。本当にとんでもない位、全てのキャラに理由付け、思い入れが込められています。これは凄い事ですよぉ。皆さんも一度、こういった視点で、雷電シリーズ、及び他のゲームを観察してやって下さいな。(※2)

※2 その後の作品として、個人的に「バトルガレッガ」がこのレベルのそれを実現している、と思います。素晴らしい!

 これって割とゲーマー程、あまり意識しない事なんです。ゲーマーってのは避けて倒す事しか考えてないから(笑)。
 しかし一般人にとって、こういった事が出来てるかどうかってのは重要なんです。直感的に見た目で判断した敵の能力が、そのままその敵の能力と一致するからこそ、プレイヤーはとても自然にそのゲームに接する事が出来る。
 要するに、強そうなやつは強いし、たいした事なさそうな奴は、実際たいした事ない(笑)から、よけいな事を考えなくて良いのですね。

 さてリアリティーと言えばまだまだあります。

 例えば、空を飛ぶキャラの理由付け。自機がボス戦で下向き噴射に変形したり、2ボス5ボスが常に移動方向及び下方向に噴射しているのは割と有名ですが、雑魚ヘリもスピードが遅くなると、下向き噴射に変形してるの知ってました?その他アイテムキャリア等、そこら辺全く妥協なく作られてます。
 まぁあれで本当に飛べるのか?は別にして(笑)、その努力は評価されるべきですね。

 そして、次は影です。今回雷電2では半透明処理を目立たなく(笑)使い、立体建造物の影の投影は、もう完璧です。その他、破片で目立たないのですが、敵の地上物の爆発の影も、2つの時間差であらわれる煙の上昇を見事に表しています。他、1ボスの足の影なんか滅茶苦茶凄いぞ!
 1ボスといえば、その足の地上と沼地の足跡の違いや水しぶき、踏み潰される建物、それらからにじみ出るボスの質量感...足音といい、とどめを刺してから爆発するまでの絶妙な「間」といい、この気合いと演出力は半端じゃないです。

 水の表現も、雷電2になって大幅に進化しました。半透明を巧みに使い、2面中ボスや3ボスの水面下の処理(水面がうっすら写ってる!)や水しぶき、水面により表された立体感など、素晴らしい、のひとことです。海底の描き込みも繊細ですし、4面の雲の写りこみもいいですねぇ。個人的にはもし次があるなら、今度は敵が水に落ちたときの水面の波で雲をゆらして欲しいです。(って無茶な注文を(笑))(※3)
 また、この時代に2重スクロールが全体を通してここだけ、てのもなんかセイブ開発らしくて、私、好きです。(※4)

※3 最新作「RaidenFighters2」の湿地帯面ボスで、ちょろっと実現してくれました。Good! もうちょっと激しくゆれて欲しかったような気もしますが...
※4 5ボス戦も2重スクロールだよ、と自己突っ込み(笑)

 更に森や建造物の破壊処理が、またそれを実現するには気が遠くなっちゃうような事をやってます。表現するなら、実に手の込んだ2重スクロール、てなところですが...皆さん考えてやって下さいね。
 炎が燃えるべきところはちゃんと燃えてますし、これらの点においても、雷電2は、かのガンフロンティアを越える唯一のゲームでしょう。

 最後、雷電の現実感の最たる特徴として、雷電シリーズの演出って全て現実の範疇に納まっているんです。これは、同時期にでたタイトーのレイフォースと比べると、実に対照的です。なら、雷電2の演出はレイに劣っているかというと、絶対そんな事はありません!一応レイを2コインクリア(1コインじゃなくてすいません...)(※5)までやった私が保証します。
 演出を前面に押し出すタイトーに比べ、何故かわざわざ気付かれないように気合いを入れるセイブとの質の違いがまた面白いところ(笑)ですが、雷電2の演出は地味だけど凄いし、かつうまいです。現実だからこそ丁寧に効果的に表現出来ているのです。特に各ボスの登場シーンはプレイヤーを心の底から身震いさせてくれます。
 まぁ、こんな言葉よりプレイあるのみ。みなさん楽しんでやって下さいね。(レイファンの為に断っておくけど、私レイフォース好きですよ。ありゃいいゲームや(笑))

※5 この後、1コインクリア達成してます。もっとも、サターン版で練習しまくりましたが...



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