○雷電DX練習ステージを語りましょう

 初心者から上級者まで全ての人が楽しめるゲーム、これはゲームの永遠のテーマでしょう。そして、初級者でも楽しめるゲームってのは当然の事ながら、それでいて更に、上級者をいかに退屈させないか、て事も重要な問題なのです。
 この事は、家庭用のセーブの出来るRPG等とは違い、必ず1面から始めなくてはならないアーケードシューティング等では特に重要です。つまり、上手くなったプレイヤーが序盤を退屈と思うか、それとも上手いなりの楽しみが用意されているかで、そのゲームの深み、てのに差が出てくるんです。

 上手いなりに退屈させない方法ってのはどんなのがあるでしょうか?それはだいだい、スコアとランクに分けられます。
 スコアってのは、つまり上手い人が上手いプレイをすれば高得点になる、て風につくられてるって事。レイフォースの同時ロックオンとかは有名ですね。
 その他東亜プランの勲章アイテムとかは、明らかにプレイに余裕が出てきた人の為に用意された楽しみの一つです。雷電DXでは更にその余裕量を生かせるように工夫されてますね(もっとも、あの10点勲章は不評だったみたいだけど(笑))。
 それ以外にも、昔のゲームでよくあった編隊全滅ボーナス等、同じノーミスでクリアしてる場面にしても、上級者とそれ以外の人でプレイに差が出るように作られているかってのが、結構制作者達の思い入れの要素である訳なんですね。

 ちょっと話が違うけど、初代R−TYPEの最初の雑魚、あれって単にミスらないだけなら全然問題ない敵なんですが、それを全滅させようとすると実は結構難しい。それは間違いなく制作者が意図的に組んだ、上級プレイヤーへの挑戦だと私は思います。
 こういった部分、プレイヤーももっと製作者の意図を受け取ってやって下さいね。
(ちなみに、R−TYPEの家庭用続編達は、そういった深みは受け継いでなかった(涙))

さて、そのスコア系ですが、実は世の中にはスコアってのを全然意識しない人もいます。実は私がそうです(実際、私はメストやベーマガのハイスコアページを読み飛ばしちゃうような人間です。スマン...)。でも割と一般のゲーマーってスコアラーでなく、用意された面をクリアする(っていうか味わう)のを目的としてる人が多いと思うのですが、どうでしょうか?

 で、次はランク系です。つまる所上級者を退屈させないってんなら、その分ランクをあげるってのがてっとりばやい方法なのです。しかし、これはよっぽど巧みにやらない限り、むしろ不満のもとにしかなりません。
 つまり、パワーアップ抑制論ってやつが発生してしまう訳ですね。結局ほとんどの人は、好き好んでランクなんか上げたくない、望まぬランク上昇なんて迷惑なだけ、私もその一人です。アレンジゼビウスではわざと地上物をのがしてランクを抑えたり(悪名高き、ゲーミストパターン(笑))、パロでも、スピード1とかミサイルなしとかやって、必死にランク落としに励んでたりします。(でもこんな自分が、私は嫌いです。マジで

 ちょっと話がそれるけど、私はプレイヤーってのは自分がクリアする為の手段として全ての事が許される、と思ってます。ランク落としにしても、安地にしても、重なり弾封じにしても、格闘のハメにしても... それらは全てプレイヤーが選択可能な自由なんですから。
 でも、メーカーってのは絶対、プレイヤーがそれを使う事を許すようなゲーム作りってのはやっちゃいけない、と思うのです。更に、メーカーがランク下げも攻略のうち、とか思ってるようじゃ、もう言語道断(!)です。
 取ったら不利になるパワーアップにより作られた難易度なんて、卑怯というか、くだらないというか...
 もちろん、重装備により死にようのないプレイヤーを殺す手段として、ランク上げってのは必要不可欠とは思いますが、それはやっぱり無意識では気が付かない範囲に納めるべきでしょう。少なくとも、パワーアップする事をプレイヤーにためらわせるパワーアップなんて、ない方が良いのでは?

※余談、この後私はバトルガレッガを、結局は「そういうプレイ」をしてクリアしています。あのゲームの場合は、魅力が不満を打ち消すほどだったから... 結局やってる以上説得力はないかもしれません。ですが、今も先の考えは変わっていません。

 話を戻しますが、それら全てに対する解答が、雷電DXの練習ステージに存在します。簡単な面なんて退屈だ、望まないランク上げなんて嫌だ、それならプレイヤーにランクを上げる事を望めさせれば良い。更にそれは直接高難易度を求めさせるのではなく(好き好んでハードでやりたがる人はあまりいない...)何か別の、そして強烈な目的に付随させるのが良い。
 それがあの雷電DXのレーダー破壊率システムなのです。

 だから、このDXではわざわざクリア後に破壊率やら、100点満点の評価とかを表示し、更にシューターにとって最高のクリアご褒美である、新しいプレイ世界、を用意しているんですね、セイブは。
(DX練習ステージでは、ノーミス・ノーボンバー・レーダー100%・敵破壊率99%以上でクリアすると、初級に繋がります。しかも超ハイ難度バーション初級! 更に同様な条件で初級から上級にも繋がります)

 その新しい世界の為だったら、プレイヤーはレーダーを破壊する事に全力を尽くします。その際にランクが上がったとしても、その目的の為なら決して、心の障害にはなりません。何故なら、プレイヤーはその事に「覚悟」が出来ているからです。
 更にそのDXでは、ランク上げに伴ってなんと新しい敵が出てきます。もちろんキャラ的には他のコースや雷電2にいたやつらなんですが、取りあえずゴールドレーダー破壊数0個のときでは絶対出現しない敵が、どんどん登場してきます。
 スコアに興味ない私も、メモリに存在する全てを味わう、て事に関しちゃその意欲も桁違い。ランク上げなんてやだけど、新しい世界ってやつは、やりたくてしょうがない。こうなったら全ての敵出現パターンを見るしか!

 そのゴールドレーダーってやつは、それを出現、破壊する事自体が難しい。つまり、初心者プレイヤーはそれを破壊する事は出来ないし、だからこそ腕非相応のランクにさらされる事もない(←重要)。
 逆に1つのゴールドレーダーを破壊出来たって事は、それを破壊するだけの腕を手に入れたって事。つまりプレイヤーのレベルアップにより、その後の1ランク上がった世界をプレイするだけの資格、を手に入れたって事なんです。
 だから、あのDX練習ってステージは、何度やっても、今の自分に適したレベルの難易度が襲ってくる。ここに一つのゲームの理想、てのが存在しているのでは?

 それを実現する為の苦労ってのも、もっとみなさんには分かって欲しいです。あの練習ステージの敵出現パターンは、なんとゴールドレーダーの破壊数の違い分の、全てのパターンが用意されてます(ランダム含む)。こういった目に見えない部分においても、セイブは絶対手を抜きません(もっとも他全て、セイブが手を抜いた所なんて見た事ないけど)。

ここまで見えて来たのは、実は雷電DXプレイし続けて1年経ってようやく、という所。そこまでやってこそ見えてくる、セイブのその「深さ」には、本当に身震いするばかりです。

さて、良い機会ですので、次章にてゴールドレーダーの解説をしてみます。



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