○覚え必須と卑怯ゲー

覚えゲーは覚えてしまえば良い、というのも一つの解釈でしょう。覚えた後、面白くなるのは分かっています。しかし私は果たして「次」はあるのか、という点が疑問です。

ファンなら吸引力・リピート性を備えています。慣れたゲーマーなら、そのストレス部分を手早く通り抜け、さほど精神ダメージを受けずに済むかもしれません。

じゃぁそのどちらでもない人は?

覚えちまえば問題ない、多くプレイして上手くなってしまえば関係ない、そういった手法により、上記「確実に存在したストレス」をあやふやにする、そういった事に危険に感じ、かつそれが嫌だったからこそ、私はその区別を明確にすべく今まで論じてきました。

何の戦いにせよ、不意打ち、裏かき、てのは「卑怯」です。

ですが、必勝の策でもあります。何故なら相手を「戦わせず」に終わらせる、つまり相手の力を「発揮させず」に闘うのですから。

けれど、くらった方は辛いですよね、自分の「意志」が何も発揮できずに終わるなんて。一体、プレイヤーは何の為にコインを入れるのでしょうか?こんなの、楽しくも面白くもなんともない。

プレイヤーを殺せないゲームなんて、それはそれで失敗作です。可能なら、全ての場面でミスを経験してもらう作品こそが理想です。問題なのは「殺し方」。

何故そんな殺し方をするの?インカムの為? 格闘系は、いかに少ない時間に「面白さ」を「凝縮」するか、に目標を置き、実際それに秀でています。当然インカムは高いですね。

じゃぁそれに対抗する為に、こちらもプレイ時間を減らしましょうか。そしてその為には、プレイヤーに確実に死んでもらいましょう。みんな平等に死んでもらうには、不意打ち裏かき攻撃が確実です。よし、死んだ!これで回転率アップ、インカム増大、全て予定通り!!

プレイヤーを楽しませずに終わらして、いったいど〜すんの?

凝縮どころか、スカスカっすよん、こんなんじゃ。 本末転倒です。これでリピード性が保てるなら、ホント苦労はいりません。

他ジャンルとの兼ね合い上、もしもこのシューティングというジャンルが「卑怯」攻撃を「必須」とするジャンルになってしまうというのなら...寿命は近いね。い〜よ滅んで、興味なし。
※脅し的「釘打ち」表現だったのですが... やはりこういう表現は控えるべきだったかな?

断っておきますが、私が惚れたシューティングというジャンルの持つポテンシャルは、こんな「下らない」ものじゃありません。面白さの「凝縮率」も「総量」も、そして「コイン投入のリピート性」も、他に劣っているとは全く思っていません。

ストレスを溜めさせて、それを解消させて... というゲーム作りは「御褒美ゲー」の常套手段です。もちろん、どんなジャンルにせよ、この御褒美要素というのは備えています。苦労と報酬、この要素を上手く使いこなせなくて、ヒットゲームなんて作れる訳がありません。

しかしまぁ、この「苦労」を、最初から最後までプレイヤーに苦労と感じさせない(=面白くってしゃ〜ない)ゲームもあれば、苦労が「苦痛」にしか思えないゲームもある訳でして...

苦痛ってのは嫌ですよね。疲れるし。い〜かげん、苦痛を与えてそれを発散させて、というようなゲーム作りは、遠慮してもらいたいものだ、と思う今日この頃。

それを得意とする分野は、シューティングではないでしょ?

と、まぁここまでが、私の覚えゲーに対する意見です。殆ど批判的内容でしたが...

さて、何故「卑怯攻撃」を入れるのか?について後日考える機会がありましたので、次章はそれの話であります。

それでは!

※この当時、メールを含めて結構反響ありました。当然、対抗的なのも含めて。 まぁ色々あったのも今となっては良い思い出ですが、そんな経験があるのでこの文をインタに公開するのはちょっと恐い、気もします... でも、考えに考えた上で、かつ長い年月の経った今でも、ここに書いている想いは変わっていません。

覚悟はあるのでよろしく。



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