その2.現世に蘇えりし取りシュー、アイテム回収を極めてこそ雷電

STG 3つの根元要素その1&2

STGの根源要素は大別して3つ。その内2つは
  • 撃つ
  • 避ける
  • ここまでは誰しも疑いなく自明なハナシ、じゃー最後は?スコア? 趣向? いやいやそれらも重要ではありますが、もう一つ最近あまり重視されなくなってきたものが。

    達成感の公式

    と言いつつちょっとハナシ逸らし。「達成感」とはなんぞや?この抽象的なモノを敢えて定義してみますと、それは
  • 投入量 x 変化量
  • この2つの積と考えます、ワタシは。これを達成感の公式としてハナシ続行。

    投入とは、知恵であり修練であり、労力であり時間であり、ある意味お金でも。総じるなら「意思」。ボクらはそれを投じる訳でございます。

    変化とは、腕前であり進行具合である訳ですが、もっと具体的には以前の自分(=意思を投入する前の自分)との差分、あるいはある時横並びであった他の人々との差分。広義には、例えばRPGでSAVEDATAに収められたパラメータであっても良いのですが、折角ボク達はシューターなんだし、ここはやはり自分自身に蓄積されたStatusなぞ。

    積と言うのもポイントでありまして、同じ変化量であれば投入量が多い程に達成感も増します。例えば言われた通りにやったら出来た、より散々試行錯誤&修練の果てに出来るようになった、の方が達成感段違い、とゆー訳で。

    STGの根元要素その3

    さてハナシ戻してSTG根源要素。まー題名からして自明な訳ですが、3つ目とは
  • 取る
  • これに他なりませぬ。撃って避けて取る、これぞSTGの基礎。そして全ての作品はこの3要素の配分具合でおおよそ系統分け出来ます。

    例えば怒首領蜂は当然避け重視ですが、COMBOシステムによるSHOTタイミング調整なる撃ち要素追求も押さえてます。でも取り要素はあまり重視せず。シルバーガンや斑鳩は典型的な撃ちシュー。その分、他要素は控え目。古くはゼビウスの地上攻撃なども要求精度の高い撃ちシューでしたね。

    取りを重視してると言うと、筆頭はバトルガレッガ辺り? 徹底的な分別取り&勲章全回収ゲー、ライデンファイターズもこの流れですね。落とさないが為に出し方まで気を遣う必要もあり、その攻略比重はかなりのモノ。後はグラディウスのカプセルパワーアップも代表的取り要素でしょう。特にグラIVの復活戦における取り注力っぷりは群を抜いてますね。

    が、それにしても考えてみると、特に近年、この取り重視系という流れは減少方向にあります。実際、あまり見かけませんよね?

    取りの親切化

    特にCAVEシューが顕著でありますが、得点アイテムなんて殆ど吸い寄せがデフォ。モノに拠っては近付く必要すらなかったり。某東方なども以前は割と忙しい取りシューだったものが、段々と自動回収条件が甘くなって来て比重は軽くなる傾向。取りにはあまり労力割かせず避け&撃ちに集中、これが近年のトレンド?

    ここで先程の達成感の公式なぞ。親切化と言うのは即ち意思投入余地の払拭。楽して取れる=万人の横並びの非差別化。そこに上手い下手の差は生じず、手軽に便利になる程に、ボク達は脳みそ使う必要がなくなります。これって、達成感的には、どうでしょ?

    親切化の流れって結構どれもこーゆー危険はらんでいたり。例えば、死んでもあまりパワー落とさない、とか、ボンバーが無敵で全画面、とかパっと見は親切で便利な訳なんですが、実は同じく意思投入余地が削られている訳でもありまして。

    苦労はさせず、皆平等に。実はこーゆー流れによって、ボク達の達成感は奪われている…!?

    そこで雷電ですよ


    とゆー訳で2005年4月に久しく登場した雷電III。武器アイテムの色を確実に狙い取りする必要が有り、更にその周期と浮遊ラインが混戦の中で合わせ難く、近年稀に見るアイテム取得難易度を誇る本作品。更に自機も遅いしw。耐性なくお手軽回収に慣れた方々は、かなり面を食らった様相かと。

    しかししかーし、絶滅化の危機もあった「取りの面白さ」の追求、これを味わう事の出来る貴重なSTGの降臨、なんでございますよ本作品。考えなしに回収しまくると変な武器になってシオシオ… でもだからこそ、ばっちり狙い取り出来た時の喜びたるや☆

    武器アイテム一つ取れただけでよっしゃーっ!と(脳内)ガッツポーツ決めれるSTGなんて、他にあります?

    修練修練!

    避けシューにおいて避けの修練が一朝一夕でいかない様に、同じく取りだってそれ相応の修練が必要なんです。
    「取れねーっ!やってらんねー」なんてセリフは、避けシューに於ける「避けらんねーっ!やってらんねー」と同義。裏を返せば、避けがその修練によって段々と向上していくのと同様に、取りだって上手くなれます、頑張れば。

    それは高々数コインや十数コインで身に付くモノではなく、数ヶ月とか半年とかのスパンによって培われる程のモノで。巷で華麗にアイテム取得してる方々だって、従来作等でそれ相応の修練を積んだ賜物、な訳なんですよ。
    つーか本作初体験で1〜2ヶ月で自在取り出来たら、相当素質ありますそのヒトw。

    考え方を変えると

    雷電は攻略の中でアイテム狙い取りの要求比率が高い分、頑張ってアイテム狙い取りに慣れて行けばそれだけで攻略数歩先取り出来ます。
    まさしく横並びだった過去の自分との差別化。
    取りが難しいからこそ、取れる様になって見えてくる世界がある。だからこの点で投げないで欲しい、どうか是非。

    追伸

    慣れたヒトにとっても、それでも雷電のアイテム回収は難しいです。この私ですら未だに、無理に回収しに行って被弾したり、折角ノーミスで最終面突入してノリノリの最中に道中で青取らされて「うそーっ!?」とリアル絶叫(笑)してたりしてます。完璧にこなすには相当なレベルを要し、まだまだボクだってそんな自信ありません。

    でもイイじゃない多少はそんな不確定要素あっても。それがゲームってもんだ。

    戻る