西岡恭蔵 Live Report
西岡恭蔵 Live Report
西岡恭蔵 Live Report

 


96年10月26日
「串焼倶楽部 伊十」

    KOSS さん が、ニフティ・サーブ FBEAT7番会議室にアップされたものを転載させていただきました。ありがとうございます。

 

 

「HEART TO HEART」−西岡恭蔵 in 半田市

 

 

 この部屋でも多加志さんやごっちゃんが定期的にライブスケジュールをアップしてくれてる西岡恭蔵のコンサートへ行ってきました。
実は一週間前にソウルフラワーのライブに行ったばかりの僕は、自分のノリを「ちんどんグルーブ」から「純フォーク」に切り替えるのに大変だったんだけど(笑)。

半田市っていうのはさ、愛知県は知多半島の付け根にある町で、定期的にライブが行われるようなお店があるわけじゃなく、そんなところになぜ恭蔵さんがって話なんだけど、知多半島にお店を持つマスターの有志が集まって、知多半島の音楽シーンを盛り上げようってことで企画運営されてるんだ。

 だから、当然、恭蔵さんも身一つ、ギター一つでやってきて、会場もお店の一角をステージにしたてての即席ライブさ。
半田市での会場は「串焼倶楽部伊十」っていうお店、ってくれば当然、串焼食べながらライブが見れる!!と早合点した僕は名古屋に住んでいるんだけど、半田に住む古い友人を誘い、二人で出かけた日曜日の夕暮れ。

開場の6時少し前に着いた僕らは、お店を覗き込むと、まだ準備中ってことで、もしかしたら、あがったさん達の時のように、音合わせしてる恭蔵さんに会えるんかなぁ〜と思ったんだけど、残念ながら会えずで、で、お店の人に聞いたら
今日は食事はできません!!
だって、お〜何てこったい、串焼き食べながらライブの夢(笑)ははかなくも崩れさり、空腹を抑えてのライブじゃ集中できんやろってことで、急いで近くの吉野屋に飛び込み牛丼はパクついたのさ(笑)。

で、腹も一杯になった僕らは、再びお店に戻り、ビール飲みながら開演を待つんだ、
お客は30人くらいかな、お店が用意した椅子は満席になり、程なくして恭蔵さんが登場。
顔見知りのお客が多くいるらしく、簡単な挨拶をしながら、ギターのセットアップ。
ギブソンの年代もんのアコースティックギター(G-50)のチューニングも終わり、簡単なスポットライトがあたってるだけのお店の一角に立ち、ライブははじまったんだ。

1曲目は、「コンケーンのおじいさん」、タイのコンケーンってところに住むおじいさんの一生を歌ったものさ。恭蔵さんが実際にタイに行ってできた曲なんだろうけど、詳しい曲説明はなかったんで背景は不明さ。
アコースティックギター1本なんだけど、フラットピッキングの妙で長いこの曲をドラマティックに歌い上げる。
アコースティック1本って書いたけど、実はそうじゃないんだ。
観客にさ、ピアニカを持った青年がいて、彼は、昨年、恭蔵さんが知多半島の美浜ってとこでライブをやった時に知り合いになった人で、1曲目からピアニカで参加さ。
んでも事前に音合わせしてたわけじゃないんだよ。
全くの飛び入りで、で、恭蔵さんが曲が始める前に、曲のキーを教えて、ほぼ即興で、恭蔵のギターと合わせるんだ、凄いだろ、ピアニカなんてさ、おもちゃにしか思ってなかったんだけど、立派にギターと渡り合えるんだ。

で、曲は「グローリィハレルヤ」、「I wish」、「さらばジャマイカ」、「街角のアコーディオン」って続くのさ。
特に「街角のアコーディオン」なんて、ピアニカでソロ弾くんだ
けど、アコーディオン の感じがうまく出ててさ、即興で、そこまでできるの?って感じさ。

曲によってはさ、観客がコーラスを付けるし、一部の曲では観客がハモったりで、観客が一体となったコンサートってのは、こういうコンサートをいうんだよね。暖かいコンサートだよ。
「月の祭り」、「恋が生まれる日」、「聞こえるかい?」、「WHAT'S A WONDERFUL WORLD」と続いて1部終了だ。
この「恋が生まれる日」っていうのは、今度のCDのタイトルソングになるって言ってたよ。
来年からレコーディングに入るんだってさ。
恭蔵さん自らメッセージソングって言ってた「聞こえるかい?」は僕のこの日のピークだったね。

15分くらいの休憩を挟んで、2部がはじまる。もうこの頃には、ビールの酔いが回ってきて。
曲順もあやふやなんだ、でも一曲目は覚えてる、そうおまちかね「ろっか・まい・べいびぃ」だ。
お店の壁にさ、この曲が入ってるLPが飾ってあったのを見逃さないさ。
やはりね、観客の年齢層が高いから昔からのファンが多いんだよ。
だから、この曲や「プカプカ」演奏した時には、ほんとうにうれしそうなんだよみんな。

他に2部での曲を列挙すると、「グッド・ナイト」、「思い出のサンフランシスコ」、「自転車に乗って」で、最後はやはり「Heart To Heart」さ。
まだ何曲かあったけど、酔いが回った頭じゃ覚えきれてないんだ。
2部では「自転車に乗って」が秀逸だったよ。
僕は高田渡のカヴァーかな、なんて思ったんだけど、違う違う、全くのオリジナル、これがいいんだ、ほんと。

アンコールは、リクエストで2曲やったんだけど、曲名は失念、アフリカがタイトルの一部になってる曲と、春一番の風太さんに捧げた曲(この曲は次のアルバムで入れるっていってました)。
で、アンコールのラストは「サーカスではピエロが」さ。
いいコンサートだったよ、演奏者の息が感じられる距離でのライブ、演奏者と観客が作り上げるライブ、こんなにアーティストが身近に感じられたライブははじめてさ。

で、僕はときたら、さっそく帰り際に、このコンサートで僕のハイライトだった「聞こえるかい?」と「自転車に乗って」が入ってるCDを買って、おまけにサインしてもらったさ。
ミーハーな奴と笑うことなかれ。
ほんとに気に入って買ったんだからさ。
帰り際にパソ通でライブのことを知ったことなど少しお話をして、最後に恭蔵さんの大きな手で握手してもらって、店を出たんだ。

恭蔵さんのことを全く知らなかった僕の友人も、大満足だったよ。
だから、みなさんの町に恭蔵さんが来ることがあったら是非、行ってみて下さいよ。
恭蔵さんの人柄が反映されたアコースティックな暖かいライブ、きっと疲れたあなたの心を癒してくれると思います。

  


 


Thanks to KYOZO NISHIOKA.
1998(C) MAKOTO GOTOU
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