Via Vino
No. 49 "Rose Wine"<ロゼワイン>
<日時・場所>
2013年4月20日(土)12:00〜15:00 神谷町「Torattoria "T"」
参加者:16名
<今日のワイン>
ロゼ・辛口・発泡性「フェッラーリ・マキシマム・ロゼ」
ロゼ・辛口「ラ・クロッタ・ディ・ヴィニュロン・ピノ・ノワール・ヴィニフィカート・イン・ビアンコ 2011年」
ロゼ・辛口「スーラ・ヴィンヤーズ・ブラッシュ・ジンファンデル 2012年」
ロゼ・辛口「リステル・ピンク・フラミンゴ・グリ・ド・グリ 2010年」
ロゼ・辛口「アタ・ランギ・サマー・ロゼ 2010年」
ロゼ・辛口「ギガル タヴェル・ロゼ 2008年」
ロゼ・VDL・甘口「ドラピエ・ラタフィア・ドゥ・シャンパーニュ・ヴァン・ド・リキュール」
<今日のランチ>
グリーン・オリーブのマリネと八丈島産ムロアジのくさや入りチーズ・ブルスケッタ
父島産天然ホウボウのカルパッチョ、ハーブ入りインサラータ・キャロットラペ、タルタルソースと青ヶ島島だれ添え
菜の花と季節野菜のハーブ入りサルサ・ポモドーロ・スパゲッティーニ
八丈島産天然真鯛のポワレ・八王子澤井農場産合鴨米サフラン風味のリゾット、柚八味の香りを添えて
あきる野産東京しゃも、胸肉・モモ肉のロースト、キャトルエピスと赤ワインソース
さくらんぼのリキュール入りパンナコッタ
1.ロゼワインについて
● 世界的な盛り上がりを見せているロゼワイン。
● 本家フランスでは既に白ワインの消費量を上回る。
● 白ワインの飲みやすさと赤ワインの飲みごたえをあわせもつ。
日本ではなぜかあまり人気があるとはいえないロゼワインですが、実は世界各国でブームとなっています。ワインの本家フランスで、すでに白ワインの消費量を超えていることが、まさにその人気の高まりを物語っています。白ワインの飲みやすさと、赤ワインの飲みごたえをあわせ持ち、肉とも魚とも相性が良く、カジュアルな食事やエキゾチックな料理にも合わせやすいところが、多くの人々に支持されている理由かもしれません。
今でこそ濃厚な色合いが特徴のボルドーワインですが、昔はクラレットと呼ばれ、むしろ透明感のある明るい色合いが好まれていたと言われています。多くの赤ワインは、もともと濃厚さよりも透明感と飲みやすさが求められていたため、黒葡萄に白葡萄を混ぜてロゼ色のワインを作ることは昔から行われていたようです。
実際のところ、現在のロゼのムーブメントの背景にあるのは技術の進歩と流通の発達です。微妙なピンク色の色調は痛みやすく、以前であれば美しい色合いを維持することは至難の業でしたが、製造・貯蔵・充填の技術の発達によって、また流通網の発達によって、私達は中世の人々が夢見た非常に鮮やかな色合いのロゼワインをいつでも楽しむことができるようになったのです。
【ロゼワインとは】
ロゼは赤ワインと白ワインの中間の色調を持つ、淡いピンク色をしたワインです。どちらかというとカジュアルなイメージがあり、シャンパーニュを除くと、これまであまり上級なワインとして扱われることはありませんでしたが、近年では実は世界的なブームとなっています。特に顕著なのがフランスで、赤と白の消費量が減少する中、ロゼワインのみが増え続け、既に白ワインの消費量を超えているのです。健康志向や食の多様化が進み、飲みやすく食に合わせやすいロゼが見直されていると言えます。
意外に伸び悩んでいるのが日本で、「お花見向け」「初心者向け」といったイメージから今ひとつ抜け切れていない印象がありますが、それでもロゼワインの占める比率は少しずつ増えつつあります。和食にも合わせやすく、辛口から甘口まで様々なバリエーションを持つロゼワインは、日本でももっと受け入れられて良いのではと思います。
【ロゼワインの製法】
@ セニエ法
黒葡萄を用いて赤ワイン同様に醸造を開始し、程よくロゼ色になったところで液体を抜き取り、白ワイン同様に低温発酵させる方法です。セニエSaignéeとは「血抜き」を意味し、赤ワインでの風味濃縮でも使用される手法です。
A 直接圧搾法
黒葡萄を用いて、白ワインと全く同様の醸造を行うものです。色が淡いのが特徴です。
B 混醸法
黒葡萄と白葡萄を混ぜて発酵されるものです。醸造フローはセニエ法と同じです。
C ブレンド法
白ワインに赤ワインを混ぜる方法で、シャンパーニュなどでは瓶内2次発酵前に少量の赤ワインを添加することでロゼを造っています。ヨーロッパではスパークリングワインを除き禁止されています。
2.ロゼと食事のマリアージュ
「フェッラーリ・マキシマム・ロゼ」(タイプ:辛口のロゼ・スパークリング 品種:ピノ・ネロ70%+シャルドネ30% 産地:イタリア/トレント)
フェッラーリ社は、ジュリオ・フェッラーリ氏によって1902年にイタリアのトレントに設立されました。ぶどう栽培に最適なトレント地区のぶどう畑から収穫される葡萄を厳選し、高品質で上品なスプマンテワインを造り続けています。ジュリオ氏は、ドイツのガイゼンハイム、そして、フランスで醸造を学んだ後、シャンパーニュ地方の生産者の元で研修を積み帰国し、フランスから持ち込んだシャルドネ品種、同じ瓶内二次発酵製法でスプマンテを造りはじめたのです。9月中旬に手摘みにて収穫し、発酵はステンレスタンクを使用し、その後春までタンクで保存。その後瓶詰し瓶内二次発酵後熟成(最低36ヶ月間)。赤すぐりや野いちごなどの果物や、フローラルな印象のあるエレガントで洗練されたブーケ、アーモンドを思わせる香ばしい後味がある、アロマティックで滑らかな口当たりのエレガントでドライな味わいのロゼ・スパークリングに仕上がっていました。
こちらに合わせたのは、グリーンオリーブのマリネと、八丈島産ムロアジのくさや入りチーズ・ブルスケッタです。くさや入りと言っても風味はそれなりに抑えてあって、うまみのあるクリーミーなチーズだったので、辛口のロゼ・スパークリングにとても馴染んでいました。
「ラ・クロッタ・ディ・ヴィニュロン・ピノ・ノワール・ヴィニフィカート・イン・ビアンコ 2011年」(タイプ:辛口のロゼ 品種:ピノ・ノワール100% 産地:イタリア/ヴァレ・ダオスタ)
ラ・クロッタ・ディ・ヴィニュロンは、北イタリア、アオスタの中心部シャンバーヴの街に位置する、1980年に25名で結成された生産者協同組合で、中世から続くシャンバーヴのモスカートの歴史を今に伝えるという意味でも唯一と言ってもよい造り手です。標高500〜850mに位置する畑はパッチワークのように細分化され、その殆どが太陽に向いた真南を向いています。ビアンコといいながらも、玉葱の皮のようなピンクがかったをしたロゼで、イタリアでは通常ビノ・ネーロとされるピノ・ノワールもそのまま表記されています。しっかりとした果実を感じさせる、どこか温かみのある味わいで、液体は厚みを感じさせながらもフレッシュな辛口となっていました。
父島産天然ホウボウのカルパッチョと共に頂きました。ソースはタルタルソースと青ヶ島産島だれの二つ。タルタルソースも意外にホウボウの刺身に合っていましたが、ぴりりと辛い島だれもなかなかあなどれない美味しさです。イタリアのピノ・ノワール・ロゼとはほぼ理想的なマリアージュが楽しめました。
「スーラ・ヴィンヤーズ・ブラッシュ・ジンファンデル 2012年」(タイプ:辛口のロゼ 品種:ジンファンデル100% 産地:インド/ナシク)
3月末に東京で行われた世界最優秀ソムリエコンクールでは、ブラインドテイスティングでインドの白ワインが出されましたが、それはこのスーラ・ヴィンヤーズのシュナン・ブランでした。近年躍進めざましいインドワインの先陣を切る造り手です。スタンフォード大学を卒業後、シリコン・バレーで敏腕ファイナンシャル・マネージャーとして活躍していたラジーブ・サマントが故郷のインドに戻り、1997年に創設したスーラ・ヴィンヤーズは、インド西部の都市ムンバイ(ボンベイ)から180キロ北東に離れたナシクの町に位置します。ここは海抜610メートルの高地にあるため、スペインやカリフォルニアに似た気候を享受し、ブドウ栽培にうってつけの土壌が広がっています。カリフォルニアで名を馳せるワイン・コンサルタント、ケリー・ダムスキー氏のノウハウが結集された芳醇なイチゴの香りを持つチャーミングなロゼは、イギリスでも爆発的な人気を博しています。ジンファンデルによる鮮やかな色合いのロゼは、本家カリフォルニアの並のホワイト・ジンファンデルを上回る味わいで、適度な苦味と酸味を備えた理想的な味わいとなっていました。
こちらには菜の花と季節野菜のハーブ入りスパゲッティーニを。ややスパイシーな風味のあるジンファンデルには、味にアクセントのあるサルサ・ポモドーロで。
「リステル・ピンク・フラミンゴ・グリ・ド・グリ 2010年」(タイプ:辛口のロゼ 品種:グルナッシュ・グリ、サンソー、カリニャン 産地:フランス/カマルグ)
南フランスのプロヴァンスとローヌはどちらも質の高いロゼを造っていますが、カマルグはその中間に位置するワイン産地です。ドメーヌ・リステルは、砂質土壌が広がるカマルグ地方に7400エーカーの畑を所有し、リュットリゾーネ(保全農法〜限りなく無農薬に近い栽培方法)による葡萄栽培を行っています。この地方に生息する、ピンク・フラミンゴからこの名が付けられました。グルナッシュ・グリという色の淡いブドウを使用し、ほんのりピンクがかった輝きのある色調。熟した赤い果実のエレガントな香りとスパイスのニュアンス。色合いはスーラのジンファンデルと比べるとずっと明るいのですが、味わい は丸みがあり柔らかで、フレッシュで上品な余韻が続きます。
こちらは八丈島産の天然真鯛のポワレ、八王子澤井農場産合鴨米のリゾットで。プロヴァンス・ロゼに近い味わいのビンク・フラミンゴには、やはり魚介の料理がぴったり来るようです。合鴨米は鴨を水田に放して除虫する合鴨農法によって得られる米で、東京では澤井農場でしか造られていない稀少品とか。
「アタ・ランギ・マーティンボロ・サマー・ロゼ 2010年」(タイプ:辛口のロゼ 品種:メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン 産地:ニュージーランド/マーティンボロ)
1980年クライヴ・ペイトン、妻のフィル、クライブの妹のアリソンと彼女の夫のオリヴァー・マスターズの4人によって設立されました。 アタ・ランギとはマオリの言葉で“新しい始まり、夜明けの空”という意味。新しいワイン造りの出発点という気持ちを込めたネーミングだとのことです。夏にキリリと冷やして飲むのに最適なので「サマー・ロゼ」と名づけらたそうなのですが、当日は今ひとつの天気だったのが残念です。品種はメルローとカベルネとカベルネ・フランを大体1/3ずつブレンド。比較的濃い色調のロゼで、チェリー、ラズベリー、ストロベリー、スミレのアロマが立ち、後味は豊かながらも辛口で、程良い果実味がありました。
「E.ギガル タヴェル・ロゼ 2008年」(タイプ:辛口のロゼ 品種:グルナッシュ50%、サンソー30%、クレーレット10%、シラー5%、その他5% 産地:フランス/コート・デュ・ローヌ)
ローヌ地方を語る時、切っても切り離せないE.ギガル社は、現在総面積30ha以上を所有する、名実ともにローヌを代表する生産者です。高額ワインからカジュアルなワインまで、非常に高い水準のワインを造っています。タヴェル・ロゼは、アヴィニヨンの北西、ローヌ河がアルプスから運んできた小石が堆積した平坦なぶどう畑に植えられたグルナッシュとサンソー種から造られています。一晩、果皮を果汁に漬け込み、ちょうど良い色合いとなったところで、アルコール発酵が行われ、その後6ヶ月間、ステンレスタンクで熟成されます。グルナッシュ種を50%と高い比率で用いているためか、フルーティななかにもしっかりした風味を感じさせてくれる、ギガルらしいロゼワインです。濃い色合いの中に若干の熟成を示すオレンジ色があり、深みのある味わいとなっています。この二つの濃い色調のロゼには、素材を活かしたお肉料理、あきる野産東京しゃもの胸肉とモモ肉のローストで。
「ドラピエ・ラタフィア・ドゥ・シャンパーニュ・ヴァン・ド・リキュール」(タイプ:甘口のロゼ 品種:ピノ・ノワール100% 産地:フランス/シャンパーニュ)
オーブでは有力なシャンパーニュ同族会社のドラピエ家にて、自社畑のピノ・ノワール100%で造られるヴァン・ド・リキュールです。二酸化イオウ無添加の果汁に2回蒸留のオー・ド・ヴィーが加えられ、オーク樽にて長期熟成させることで、甘くリッチな味わいに仕上げられます。褐色を帯びたカリンのジュレ、胡桃、わずかにマンダリンのコンフィの風味があり、葡萄、リンゴ、梨などの秋の果実のニュアンスが口中に豊かに、しかも柔らかく広がります。
デザートのさくらんぼリキュール入りパンナコッタと合わせました。
3.各国のロゼワイン
@ フランス
多くの場合、黒葡萄を使用してセニエ法でロゼワインが造られます。代表的な産地はプロヴァンス、ローヌ、ロワールなどです。プロヴァンスではグルナッシュ、シラー、ムールヴェードル、サンソーなどから造られるロゼワインが生産量の約7割に達しており、世界のロゼワインの約8%を占めています。ローヌ南部のタヴェル・ロゼは、グルナッシュを主体に造られるしっかりした味わいの辛口ロゼです。比較的冷涼なロワールでは、グロロー主体で造られる半甘口のロゼ・ダンジュと、カベルネ・フランを主体に造られる半甘口のカベルネ・ダンジュ、辛口のロゼ・ド・ロワールやカベルネ・ド・ソミュールが造られています。シャンパーニュではブレンド法によって高級志向のロゼ・シャンパーニュが造られています。
A イタリア、スペイン
イタリアには明るい色のロザートと、やや暗い色のキィアレット、そしてより濃厚な色をしたチェラスオーロがあります。シチリアのチェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアは、ネロ・ダーヴォラで造られる同州唯一のDOCGですが、殆ど赤ワインと言ってよいほど濃厚な赤色をしています。 スペインには、やはり比較的明るい色をしたロサートと、より暗い色をしたクラレーテがあります。
B ドイツ
黒葡萄と白葡萄を混ぜて醸造する混醸法で造られるロゼが主流で、ロートリングと呼ばれます。バーディッシュ・ロートゴルトは、バーデン産でQbA以上のロートリングで、ルーレンダー(ピノ・グリ)とシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)を混醸して造られます。ヴュルテムベルク産でQbA以上のロートリングはシラーヴァインと呼ばれます。 ヴァイスヘルプストは、アール、ラインガウ、ラインヘッセン、ファルツ、バーデン、フランケン、ヴュルテムベルクで造られる産地限定・単一品種のQbA以上のロゼワインです。
C 新世界
新世界では、あまり規制に縛らせることなく、自由にロゼワインが作られています。アメリカでは、特にカリフォルニアにおいて、1980年代後半から、ホワイト・ジンファンデルのように白ワインと同様の製法で黒葡萄から作るロゼワインが流行しました。近年では、南米でもチリやアルゼンチンで、シラーやマルベックなどの黒ブドウから作られる比較的色の濃いロゼワインが作られるようになりました。
4.「ロゼワイン」関連年表
1487年 ドイツで初めてワインに硫黄を添加することを許可する勅令が出される
18世紀 ガラス瓶、コルクの利用法により、ワインの流通拡大
1813年 コルク輸入会社最古の記録、ウィリアム・ランキン&サンズ社によるコルク林購入
1970年代以後 カリフォルニアでホワイト・ジンファンデルの人気高まる
2005年 シチリアのチェラスオーロ・ディ・ヴィットーリア、DOCGに昇格
2009年 「赤ワインと白ワインを混ぜてロゼを造る手法を認める」法案、EUにて否決
ワインはヨーロッパでは古くから飲まれていましたが、中世の頃まで、その色はどちらかというと二次的な問題に過ぎなかったと言われています。おそらく殆どの日常ワインは、薄紅色(フランス語ではクレレ)かピンク色がかった白だっただろうとされています。その意味では赤・白よりもロゼの方が古い歴史を持っているとも言えますが、中世のワインは殆ど適当に葡萄を混ぜ、急いで造られ、まともに保管もされなかったのが実態のようです。
そもそもワインの製造において重要な保存料として添加が認められている硫黄が、実際にワインに添加することを法律上許可されたのは、1487年のドイツでの勅令が最初とされているのです。そして本家フランスでは、17世紀頃にはこの硫黄処理が既に採用されていましたが、18世紀に至るまでその使用は公的に認められていませんでした。それまではどのワインもすぐさま酸化し褐色化してしまうので、そもそも鮮やかな色合いのワインが世に出回ることはなかったのです。
英語の「クラレット」(フランス語の「クレレ」)は、今ではボルドーワインに対してのみ使われますが、このクラレットの名は、16世紀以前には英語に登場しないと言われています。当時ボルドーで造られる一番良いワインは、非常に色の薄い赤ワイン、つまりロゼだったことはほぼ間違いないようです。当時のクラレットの造り方は、黒葡萄と白葡萄の混醸で、大樽に入れ一晩しか発酵させていませんでした。
南米やオーストラリアなどの新世界では、赤ワインと白ワインのブレンドによるバランスの取れたロゼワインが多く造られています。それに対抗する意味で、EU欧州委員会でも「赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインを造る手法を認める法案」が起草されましたが、伝統的なロゼワインの一大産地であるプロヴァンスの生産者達は、「グローバリズムよりも伝統文化を!」と主張して反対ののろしを上げました。約4万名の署名が集まり、2009年6月、この法案は否決されたのです。ワインは大量工業製品と一緒に扱われるべきではないという強い意志が感じられます。
<今回の1冊>
ヒュー・ジョンソン「ワイン物語」(日本放送出版協会)
既に上・中・下巻の文庫本も出ていますが、やはりワインの歴史を古代から現代に至るまで総括する壮大なこの「ワイン物語」は単行本で楽しみたいものです。今とは違って長持ちせず、殆どくすんだロゼのようだったと思われる中世のワインの姿を想像するのも一興です。