Via Vino No. 66 "Italy Piemonte"
イタリア・ピエモンテ


<日時・場所>
2016年6月25日(土)12:00〜15:00 東銀座「トラットリア・ダ・フェリーチェ」 
参加者:5名
<今日のワイン>
辛口・白「ロエロ・アルネイス・マルヴィラ 2014年」
辛口・白「フォンタナフレッダ・ランゲ・シャルドネ・アンペリオ 2012年」
辛口・赤「カッシーナ・ロエラ・モンフェラート・ロッソ 2009年」
辛口・赤「ニコレッロ・バローロ 2006年」
<今日のディナー>
アナゴのカルピオーネ 黒米のサラダ添え
カルヒエッテ(豚ミンチのソーセージ)とホウレン草のオーブン焼き
伊産サマーポルチーニ茸のタヤリン 白トリュフ風味
青森県長谷川豚ロースのロースト マルサラソース
柑橘のジュレテリーヌとマンゴージェラート
カフェ

   


1.世界遺産となったピエモンテ

世界遺産となったピエモンテのワインを味わいましょう!

 2014年にイタリア50番目の世界遺産となったのは、ワイン好きならおなじみのバローロやバルバレスコといった赤ワインの生産地を含む、ピエモンテ州南部のランゲ・ロエロ・モンフェッラート地域の美しい葡萄畑の景観です。 「ピエモンテの葡萄畑の景観:ランゲ・ロエロ・モンフェッラート」には、すばらしい景観が広がるワイン産地5地区と、葡萄栽培の発展においても、またイタリア史でも重要な場所であるカヴール城が含まれました。  エリア全体は、北はポー河から、南はリグリア・アルプスの中間地域であるピエモンテ州の南部にまで広がり、何世紀にも渡りこの地域を特徴付けてきた葡萄栽培とワインづくりに関する、技術的・経済的プロセス全般が包括されています。 エトルリア人とケルト人の交流・交易地だった紀元前5世紀頃に遡る、ぶどうの木の花粉がこのエリアで発見されています。今もこの地域の言葉には、特にワイン関係の単語に、エトルリア語やケルト語が残っています。古代ローマ帝国時代には、学者で軍人の大プリニウスが、ピエモンテ地域は古代イタリア半島で最も葡萄栽培に適した地のひとつであると述べており、地理学者で歴史家のストラボンもこの地域の樽に関する記述を残しています。

2.ワインテイスティング
 
    

「ロエロ・アルネイス・マルヴィラ 2014年」(タイプ:白・辛口   品種:アルネイス  産地:イタリア/ピエモンテ州/ロエロ地区)
 マルヴィラは、ロエロ地区のポテンシャルを見出したジュゼッペ・ダモンテ氏により、1950年に創立されました。現在は兄弟でワイナリーを運営しており、ワイナリーが順調に拡大し、新しい市場へ進出を続けているにもかかわらず、今なお家族経営を続けている貴重なワイナリーの一つです。ワイナリーは南向きに位置するのが一般的ですが、マルヴィラは北向きに拠点を置いていたため、良くないと言われる位置付けであっても回転をすることにより、良い位置付けになるという思いを込めて、「Mal=良くない」、「Vira=回転」と名付けられました。天使と悪魔が一際目を引くエチケットに、回転を意味する水車が描かれているのはそのためです。  白い花や白桃の香りが感じられ、フレッシュ&フルーティーな味わいが楽しめます。

「フォンタナフレッダ・ランゲ・シャルドネ ・アンペリオ 2012年」(タイプ:白・辛口   品種:シャルドネ  産地:イタリア/ピエモンテ州/ランゲ地区)
 フォンタナフレッダは、1858年にイタリア建国の父、ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の息子エマヌエーレ・アルベルト・ミラフィオーレ伯爵によって創設。一世紀以上にわたりバローロを造り続ける、伝統的なバローロ造りのリーダー的存在です。エリアきってのNo.1の所有面積を誇る最大手で、その自社畑の面積はエリア総面積1600haのうちの110ha。全体の約7%に相当します。1999年から迎えた若きエノロゴ、ダニーロ・ドロッコ氏のもと、イタリア内外からさらに高い評価を得るようになりました。シャルドネを小樽熟成で仕上げた白ワイン「アンペリオ」は「ブドウ科の植物」を意味する「アンペロス」から名付けられました。フルーティさの中にバニラやハチミツの香りがあります。

    

「カッシーナ・ロエラ・モンフェラート・ロッソ 2009年」(タイプ:赤・辛口   品種:ネッビオーロ  産地:イタリア/ピエモンテ州/モンフェラート地区)
 2002年、クラウディオ・ロッソとピエロ・ネッビオーロの2人によってカスティリオーレ・ダスティにカッシーナ・ロエラは設立されました。以前よりクラウディオもピエロもワイン造りを行っており、クラウディオ家はバルク売りが主だった60年代に、この地域で始めてボトリングに踏み切った一家でしたが、ピエロも葡萄栽培家に生まれ、家を継いだ後は品質重視に転換していました。畑の個性を表現する為に人為的介入は厳しく制限されます。温度管理をせずにある程度酸素と触れ合いながら発酵させており、ラッキングもできる限り行いません。いかなるフィルターも通さず、各種添加物も使わず(SO2は瓶詰前に極少量使用)、信念を貫き通しているのです。

「ニコレッロ・バローロ 2006年」(タイプ:赤・辛口   品種:ネッビオーロ  産地:イタリア/ピエモンテ州)
 ニコレッロ社の歴史は古く、1900年初頭にワ イン造りの伝統が根付いたばかりのピエモンテ州のラン ゲとロエロの丘陵にワイナリーが設立されました。ブドウ樹齢63年のネッビオーロ100%から造られ、5,500Lもの大樽で48ヶ月以上熟成させた後、 36か月の瓶内熟成を経て、最高の飲み頃になったと判断されてから、2012年にリコルクしてリリースされています。9年熟成にして非常に均整のとれたボディ、飲み頃を迎えたタンニンが口の中で心地良く広がり、そこから深く濃密な果実味が、シルキーなタンニンとともに、まろやかにゆったりと口の中に余韻が広がります。

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