Via Vino 
  No. 86 "Champagne VII"
  <シャンパーニュ7>
  
  
<日時・場所>
  2019年8月17日(土)18:30〜21:00 広尾「マノワ」  
  
  参加者:22名 
  <今日のワイン>
  白・辛口・発泡性「ベルナール・ペルトワ・ブラン・ド・ブラン・マグナム」 
  白・辛口・発泡性「セレック・ソレサンス・エクストラ・ブリュット・マグナム」  
  白・辛口・発泡性「ランソン・ブラックラベル・ブリュット・ジェロボアム」
  白・辛口「ポール・バラ・ブーズィ・ブリュット・マグナム 2007年」 
  <今日のディナー>
  【アミューズ】3種のマノワのアミューズ
  【前菜】北海道産ムラサキウニと北海道・岩見沢の高麗きじのコンソメジュレ
  【前菜】宮城県・穴子と茄子 ポートワインのソースと夏トリュフ
  【魚料理】和歌山県・鮎のコンフィ 鮎の肝のソース山梨県・芦安の山椒の香り
  【肉料理】北海道・函館 夏鹿ロース肉のロースト とうもろこしと鹿のジュ
  【デザート】山梨県・一宮市 しずめ園の桃の瞬間コンポート フレッシュベルベーヌのムースとシャルトリューズのパルフェ
 
  
  
  
  
 
1.シャンパーニュ・マグナム/ジェロボアム
  
1.5Lや3Lなど、大容量のシャンパーニュが存在する。 
熟成や澱の影響でシャンパーニュの味わいが増す。 
聖書の創世記や古代メソポタミアの王の名にちなんだ名称。。
 シャンパーニュにはいろいろなサイズのボトルがあります。祝い事に景気良く大きなボトルを振る舞うことが好まれるからで、提供する側の気持ちに、提供される側の喜び、この掛け合いの度合いの分だけ種類が増えていったと思われます。 
 大きなボトルといえば、まずは「マグナム」となります。マグナムは普通のボトルの2本分で1.5Lの容量があります。華やいだ盛り上がりに華を添えるゴージャスさがあります。  その次の大きさが「ジェロボアム」。特大ボトルには聖書に出てくる人物や古代メソポタミアの王国の名前を付けられることが多いのですが、ジェロボアムは、古代イスラエル王国が分裂した後の北イスラエル王国を作ったヤロブアム王の名前にちなみ、3Lで750ml4本分の容量があります。 
 特にマグナム(1.5L)やジェロボアム(3L)が美味しいと言われています。瓶口の径に対しワインの量が多いので、熟成がゆっくり進み、また瓶の側面に溜まる澱の面積が広いため、風味にも奥行きが生まれます。 
 ただ、ジェロボアムより大きな瓶は、普通瓶やマグナムから詰め替えたものが多く、そういったものは泡の喪失もあり、必ずしも大きければ良いという訳ではありません。
<シャンパーニュのサイズ>
  キャール Quart	187.5ml	(ボトル1/4)	フランス語で4分の1 
  ドゥミ・ブテイユ Demi Bouteille	375ml	(ボトル1/2)	フランス語で2分の1 
  ブテイユ Bouteille	750ml		 
  マグナム Magnum	1500ml	(ボトル2本分)	 
  ジェロボアム Jéroboam	3000ml	(ボトル4本分)	イスラエルの王北イスラエル王国の最初の王ヤロブアム1世(紀元前931年-910年在位) 
  レオボアム Réhoboam	4500ml	(ボトル6本分)	ユダ王国の最初の王レハブアム(紀元前930年-913年在位) 
  マチュザレム Mathusalem	6000ml	(ボトル8本分)	伝説的な人物メトシェラ。ノアの祖父にあたる。創世記において最も長寿であった人物で969歳まで生きたとされる。 
  サルマナザール Salmanazer	9000ml	(ボトル12本分)	アッシリアの王シャルマネセル3世(紀元前年727-722在位) 
  バルタザール Balthaza	12000ml	(ボトル16本分)	キリスト誕生を祝って訪れた東方の三賢人のうちの一人。神性の象徴、壮年の姿の賢者 
  ナビュコドノゾール Nabuchodonosor	15000ml	(ボトル20本分)	新バビロニアの王ネブカドネザル2世(紀元前605年-562在位) 
  メルシオール Melchior	18000ml	(ボトル24本分)	キリスト誕生を祝って訪れた東方の三賢人のうちの一人。王権の象徴、青年の姿の賢者 
  ソロモン Solomon	20000ml		イスラエル王(紀元前971年-931年在位) 
  プリマ Primat	27000ml	(ボトル36本分)	 
  メルキゼデック Melchizédec	30000ml	(ボトル40本分)	創世記に登場するエルサレムの王メルキゼデク。
  
  2.ワインテイスティング
 
   
 
    
  
  
 
「ベルナール・ペルトワ・ブラン・ド・ブラン・マグナム」(タイプ:白・辛口・発泡性・RM、品種:シャルドネ100%、産地:フランス/シャンパーニュ/コート・デ・ブラン/メニル・シュール・オジェ)
 ペルトワ家は、ル・メニル・シュール・オジェに1650年から続くぶどう栽培家の家系で、1910年に現在のRM(レコルタン・マニピュラン)の姿になったという名門です。所有面積は15haですが、自社ビン詰めには4.5haのグラン・クリュ(ル・メニル・シュル・オジェとオジェ)のシャルドネのみを使用し、残りのぶどうはネゴシアンや協同組合に販売してしまいます。ドメーヌの全生産量でさえわずか1,700ケースという極少ドメーヌで、ぶどう栽培にはリュット・レゾネを厳格に適用し、原則的に化学肥料、除草剤、殺虫剤といった農薬は使用しません。ミネラル感を重視したシャンパーニュ造りを行っています。
「セレック・ソレサンス・エクストラ・ブリュット・マグナム」(タイプ:白・辛口・発泡性・RM、品種:シャルドネ60%+ピノ・ムニエ30%+ピノ・ノワール10%、産地:フランス/シャンパーニュ/コート・デ・ブラン/ピエリー)
   1969年、エペルネ市の南、ピエリー村に設立されたこのRMは、ピノ・ムニエを白眉とする同村の他、ピノ・ノワールの聖地アイの衛星村ディジー、コート・デ・ブランのグラン・クリュを時に凌駕するとさえいわれる、傑出したシャルドネの産地ヴェルテュスの各プルミエ・クリュ村を中心に、12.5haの畑を所有しています。1974年に当主となった2代目のリシャール・セレックの下で順調に発展を遂げ、2008年、息子のジャン・マルクが継承したことで、新たなステージを迎えました。ジャン・マルクは、それまでのリュット・レゾネ栽培からビオロジー栽培への切り替えを行う一方、一部の区画で馬による耕作を開始。また、父と共に2004年に導入した小樽による発酵・熟成の研究を深めたり、最新式の卵型コンクリート製タンク「ウフ・ノンブロ」を導入したりすることで、よりきめ細かい泡、より複雑な味わいで、非常に長い余韻を持つようになっています。
  
  
  
  
 
「ランソン・ブラックラベル・ブリュット・ジェロボアム」(タイプ:白・辛口・発泡性・NM、品種:ピノ・ノワール50%+シャルドネ35%+ピノ・ムニエ15%、産地:フランス/シャンパーニュ/ランス)
 ランソンは、シャンパーニュ地方の大聖堂で知られる美しい街ランスにある、最も古いシャンパーニュハウスの一つで、1760年ランスの行政長官フランソワ・ドゥラモットにより設立された「ドゥラモット・シャンパン・ハウス」がランソンの前身となります。ランソンのボトルネックラベルとコルクには十字のマークが刻まれており、これは、創設者フランソワ・ドゥラモットの息子が聖マルタ騎士団に所属していた事に由来しています。1837年にジャン・バプティスト・ランソンにより社名を「ランソン」に変更後、ブランドの確立と国際的販売網の拡大に成功し、世界的ブランドへと発展してきました。マロラクティック発酵を行わない数少ないシャンパンメーカーのひとつでもあり、トーストのニュアンスに加え、さまざまな花の蜜の香りがあります。余韻が長く、あらゆる機会に楽しませてくれます。今回は特別にジェロボアムを用意。泡のきめ細やかさにあらためて驚かされました。
「ポール・バラ・ブジー・ブリュット・マグナム 2007年」(タイプ:白・辛口・発泡性・RM/品種:ピノ・ノワール90%+シャルドネ10%/産地:フランス/シャンパーニュ/モンターニュ・ド・ランス/ブージィ)
 ポール・バラは、素晴らしいピノ・ノワールが育まれるグラン・クリュ、ブージィ村に1800年代から居を構え、この村の南斜面の絶好の場所に30もの区画を所有しています。当主は7代目にあたるシャンタル・バラ。父ポール・バラはこのドメーヌの名声を不動のものとした名傑で、約60年前に十代で当主となりました。また高品質志向のRM(レコルタン・マニピュラン)同士で結成したクラブ・トレゾール・ド・シャンパーニュの主要メンバーです。この組織では第二次発酵前のキュヴェが会員の試飲チェックに認められないと、保証シールを得ることができないという厳しさで、ポール・バラのフラッグシップである特定のミレジムは、このシールを獲得しています。