(幹事注記:掲載した回答内容は、文章の折り返しや改行空行などを共通にして読みやすくするための編集をしてありますが、文章そのものには一切、加筆訂正はありません。文章の転載ミスや表記訂正は幹事までご連絡ください。ただし、投票内容の変更はできません。なお、作家名は敬称を省略させていただきました。 幹事:已岬佳泰)
■推薦者:嵩宮鈴子
推薦作品/作者: 今宵、あなたとババヌキを/檜垣晋祐
推薦理由:
細かい事抜きに、ただ面白かったです。読者が色々難しく考えながら読まずに済むというのは作者の力量、客観視点、情報の整理能力が優れているからだ
と思います。
■推薦者:久遠絵理
推薦作品/作者: アンハッピー・エンド/江沢 稽さん
推薦理由:
今回の競作も読者としてとても楽しませて頂きました(^^)。
どの作品にもそれぞれ別の魅力があり、作者の方々の持ち味が存分に発揮できていたように思います。ぜひこうした個性を大事になさって、これからも楽しませて頂きたいな〜、と願っています(^^)。
さて、その中で大賞作品を選ぶのはいつもながら大変でして……
楽しめた、という点に置いては、どれも甲乙付けがたいので、結局最後には、ミステリ的満足度、物語の完成度、お題の消化の仕方などから二つに絞りました。
「今宵、あなたとババヌキを」
カードの伏線から導き出す解がミステリ的にとても美しいと感じました。一見してわからないけど、実はしっかり答えを組み込んである、という手法が大好きなもので……。ただ最近多く見かけるゲーム風の舞台設定が、どうしても食傷気味に感じたことと、そこからもう一歩踏み出して欲しかったことから推薦を見送りました。
「アンハッピー・エンド」
こちらも細かい伏線が綺麗に繋がるミステリ的満足度が高く、今回のお題にもっとも忠実であった上構成の妙もあり、作者の創意工夫に感心させられましたので、推薦させて頂くことにしました(^^)。
ミステリ的満足度に偏ってしまったことは、申し訳ありません。
他の部分については、読者投票で調整しつつ、投票したいと思っています(^^)。
(読者投票については、点数の横に余計な言葉とか書かず、シンプルにしたらよかった、それに三段階より五段階にしたらよかった、となどと色々反省中……)
■推薦者:右脚 塊
推薦作品/作者: あねいもうと 久遠絵理
推薦理由:
まとまり具合が良かった。
トリックもさることながら、それだけで終わらせない、古き良き日本の、匂い立つ描写に酔いました。
クオリティの高さが光ってます!!!
■推薦者:矢神 凛
推薦作品/作者: 「あねいもうと」/久遠絵理
推薦理由:
力作揃いで思いのほか選ぶのが困難でした!候補作を少しずつ削っていって、最後は総合的にみて「あねいもうと」を選びました。
判断基準はかなり個人的なものですがこんな感じです。
「トリック抜きで見たときに物語だけで続きを読ませる牽引力があるか」
「登場人物を書き分けられているか」
「一定以上の文章力を持っていて尚且つ魅力的な文章が書けているか」
「構成が破綻せずにまとまっているか」
「読後、心に残るものがあるか(余韻を感じることができるか)」
「読後、この作者の他作品も読んでみたい!という気持ちにさせられたか」
この作品ではどの基準もかなり高い水準でクリアしていたと思います。
文句のつけどころがありません。素晴らしい作品を読ませて頂いて大満足です!
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ちなみに次点は有沢さんの「生き返った男」でした。完全に個人的な好みで選ぶとこれが一番だったかもしれない。
ただ、完成度やインパクトという点を考えると「あねいもうと」が上回っていました。
■推薦者:檜垣
推薦作品/作者: あねいもうと:久遠絵理さま
推薦理由:
今も印象に残って忘れられない作品。美しい描写に涙なしでは読めないストーリー。そしてミステリとしても高得点。これはもう、僕の中の7人格全員が満場一致で推薦しています。
■推薦者:有沢翔治
推薦作品/作者: 午前二時四十分の亡霊/
橘音夢
推薦理由:
幽霊という従来のミステリでは否定されるべき存在(僕の頭が古いだけかもしれませんが)を肯定するという発想が僕にはなく、とても刺激的でしたので「午前二時四十分の亡霊」に票を投じさせていただきました。
■推薦者:已岬佳泰
推薦作品/作者: あねいもうと/久遠絵理
推薦理由:
完成度の高いミステリー。時代小説としてもすばらしい。「ひとひらの花びらが闇に舞い、ほの白く浮かんでは消える。時は春。」という出だしだけで、すっかり魅入られました。ストーリーのロジックを追いかける部分にかなりの文章を使っているせいで、謎の深さという意味ではやや物足りないところもありますが、読み終えての満足感がいちばん、でしたので、大賞に推薦します。
■推薦者:雨沢流那
推薦作品/作者: 「魔弾の射手」/右脚 塊
推薦理由:
悩みました。 候補は三作。「あねいもうと」の物語としての完成度、「今夜、あなたとババヌキを」のストーリーテリング、「魔弾の射手」のキワモノっぷり、どれにも心惹かれると同時に、「あねいもうと」はミステリとして、物語としてひきの弱さ、「今夜〜」は結末の物足りなさ、「魔弾〜」は作品の完成度の低さが引っ掛かりました。
悩んだ結果、「作品の完成度の低さ」は純然な技術的問題であり、これからの克服も可能だろうと期待も込めて、「魔弾の射手」に投票することとしました。他二作は、ほかの人が投票してくれるだろうから、という天の邪鬼的な理由もあります(笑)
というわけで、期待を込めた投票となっておりますが、必ずしも満足を覚えた上での投票というわけではなく、作者にはぜひ、作品の未熟さも自覚した上で、これからも良い作品を書いていただきたいな、と思っています。
■推薦者:水乃 蒼
推薦作品/作者: 「あねいもうと」久遠絵理さん
推薦理由:
時代小説という面から見ても完成度の高い作品ですが、ミステリーという点からもきちんと作り込まれていると感じました。ストーリー自体も素晴らしく、大賞にふさわしいと考えます。
■推薦者:江沢 稽
推薦作品/作者: 「あねいもうと」(久遠絵理さん)
推薦理由:
大満足のミステリでした。
選者として胸を張ってこの作品が大賞に相応しいと言えますし、作者の久遠さんにも胸を張ってほしい作品。
競作は電ミス企画を代表するお祭り。
電ミス大賞は電ミスを代表する作品であってほしい。
「あねいもうと」は文句なく電ミスを代表する作品になっていると思います。
これから電ミスに巡りあうことになるまだ見ぬ読者の方にはぜひ読んで「電ミスってすごい」と感じてもらいたいです。
「窮地で始まるミステリ」という今回のテーマを外しても、充分に面白い作品。
読み手をひきつけ、読むものの胸を打つ、物語として実に豊か。
それでいて、しっかりとミステリであることを高く評価します。
次点には「ミステリーの醍醐味」(嵩宮鈴子さん)を。
ミステリーの持つ意外性・ツイストの面白さが凝縮されたいい作品でした。
■推薦者:橘 音夢
推薦作品/作者: 「あねいもうと」/久遠絵理
推薦理由:
地方を舞台とした時代物という難しい設定にも関わらず、時代考証等もしっかりとされてますし、ミステリとしてはミスリード、伏線とも見事に決まっています。何よりも茶屋に売られたれんという女性の境遇。このような時代に生まれてしまった女性のやり場のない悲しみに胸を打たれました。
ラストの温情ある締め方も素晴らしい。ハッピーエンドに見えながら、実は悲劇を孕んでいる。読み込めば読み込むほど深さを感じられる作品ですので、大賞に推薦させていただきます。
以上です。誤字脱字などの訂正は、事務局までお知らせください。(已岬佳泰)
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