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 小説の中には、読んで日が経つにつれ、ますます味わい深く感じるも
のがあります。書いてあることはそれほどセンセーショナルでもないのに、
なぜか心のどこかにひっかかっていて、ときおり、ひょっこりと顔を出
すような。今回ご紹介する「情熱の泥だんご」も、そんな風な余韻を楽
しませてくれた1編でした。
 この掌編に初めて出会ってから、もう1年近くになります。もともと
は投稿サイト「ノベルストリート」主催の掌編コンテスト「ショートス
トーリーファイトクラブ」に投稿されたもので、作者の「横丁当番」さ
んは当時、この掌編での初参加でした。
 ところが結果的には、もっとも多くの投票を集めて初参加で金賞受賞。
その快挙は周囲を驚かせました(私には納得の結果でしたが)。
 ところで、この作品の紹介がここまで遅くなったのには理由がありま
す。掲載をお願いしようかな、というタイミングでちょうど、作者の横
丁当番さんがホームページを閉鎖されたのです。個人的に多忙になるの
で、という理由でした。ちょっと残念な思いをしておりましたところ、
願いが通じたのか、先日復活。早速の掲載お願いに快諾をいただきまし
た。
 じんわりと胸にしみる掌編です。どうぞお楽しみください。
 
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