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 詩と小説の間に境目があるとするならば、今回ご紹介する作品は、
まさにその境界付近にふらりと漂うものかもしれません。作者の水瀬
流さんは、詩を書いている人。そして、まるで、詩の延長上のような
読む人の感性に訴える小説も書いてしまいます。

 私が水瀬さんの作品に出くわしたのは、インターネットの個人サイト
で8月に開催されていた「うおのめ文学賞」という創作コンクールでし
た。ホームページ掲載の作品を持ち寄って、読者投票と選考委員の2段
構えで優秀作を選ぶという、これまでの「投票のみ」というネット投稿
サイトのコンクールとはひと味違った賞でしたが、そこで堂々の「掌編
部門第1位」となったのが「卵」でした。

 水瀬さんご自身もメルマガを発行されており、「卵」はそちらではす
でに配信済みとか。ひょっとしたら、もうすでにお読みになった方も
いらっしゃるかもしれませんが、まだのかたは、ぜひ、この何とも言え
ない独特の世界をお楽しみください。 

 なお、作者の希望により、改行位置、句読点は原文のままです。
 
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