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 今月は毎月いろいろな小説バトル(小説コンペ)を行っているQ書
房(QBOOKS)で見つけた女性作家、青野岬さんの作品をお届け
します。

 QBOOKSはユニークな試みを始めました。それは、コンペの有
料化および優秀作への賞金の提供です。これまで続けてきた無料コン
ペをやめて、あえて有料化に踏み切った理由はいろいろあるのでしょ
うが、一番の狙いはおそらく(想像です)Q書房そのものをちゃんと
した出版社にしようということではないかと思います。

 筆者が主体となって本を作るという自費出版が静かなブームになっ
ています。それは、かつては100万円前後かかった本の制作費用が
デジタル印刷機や小回りの利く街角プリントショップの出現で、手軽
に安価に本が作れる環境が整ってきたというのが大きいと思います。
後は、そうした自費出版本の流通機会をいかにして広げてゆくかで
しょう。QBOOKSがそういう機会提供のひとつの動きを始めたこ
とは大変うれしいことだと思ってます。

 さて、青野岬さんですが、QBOOKS有料化で離れてゆくアマチ
ュア作家が多い中で、ほとんどのバトル(1000字、3000字他)
に作品を精力的に発表されています。題材は日常の切り取りから、や
や、コミカルなものまで様々ですが、ご自身の女性としての目がその
まま表出しているような作品に、はっとさせられることがあります。

 今回の「遠雷」はそういう傾向の作品で、第22回3000字バト
ル参加作品です。もっと長くして書き込めば、さらに奥深いものにな
りそうな期待も込めて、掲載させていただきました。

 どうぞお楽しみください。
 
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