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          今月の作品・推薦の口上

 ネット文学のお祭りと銘打って行われた「うおのめ文学賞2003」は8月で終了
しましたが、今月はその中の短編部門に出品された作品の中から、編集人のお気に入
りをひとつ選んでご紹介します。翠川奈緒子さんの「僕らの季節」です。
 うおのめ文学賞では、結果的には青年期の閉塞感を扱った感覚的な文章の小説がわ
りと高い評価を得ていました。それはそれでよいと思うのですが、それでもやはり小
説にストーリー性は必須だと思っている私には、小学生を主人公にしながら、その目
を通して、こまやかに滑稽な大人世界を描いてみせたこの作品には大変惹かれました。
母親があまりにできすぎた人間のようにも思われますが、しかしそれも暗くなりそう
な全体のトーンをしっかりと下支えしてくれているようです。
 原稿用紙40枚と月刊ノベルとしてはやや長めになりますが、どうぞじっくりとお
楽しみください。

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