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         詩とエッセイの電子メールマガジン
          テキスト版・月刊ポエム3月号
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          今月の素材 [夢・DREAM]

           【表紙のひとこと】
          
「想像してごらん、地獄も天国もなくて、そこには空と地面があるだけ、
国境もなくて、宗教も戦争もない…、こんなことを思う僕を君は夢想家と
言うかもしれない、でもね。僕ひとりじゃなくて、みんなで想像してみれ
ば、ひょっとしたら実現するかもって思うんだ」というような感じ(かな
りの意訳ですが)のジョンレノンの「IMAGINE」という曲をレンタルCD
のコーナーで見つけました。もうずいぶん以前にリリース(発売)された
曲なのですが、夢ってこんなものじゃないかなと、いま聴いても共感を覚
えます。
 ああしたい、こうなりたい、という願望。でもそれは精一杯のばした指
先の向こう側。届かないかもしれないけれど、届きたい。つかみたい。夢
は私の、あなたの、意識を刺激して、元気を生み出す元になっている。そ
んな気がしませんか。
 眠っている間に見る夢も実は、その人の意識の深いところにある欲求の
現れとか。意識していないかもしれないけれど、じつはどこかで探してい
るもの。それが夜、眠っている間に出現するんだそうです。夢がなくなっ
たと感じたら、毎朝、夜見た夢を書き留めてみるというのも手かもしれま
せん。自分が本当はなにを求めているのか、意外な自分が見えてくるかも。

 というわけで今月のテーマ素材は「夢 Dream」です。尽きることのない
日常の煩雑さから離れて、どうぞ「月刊ポエム」でゆっくりとおくつろぎ
ください。
                       1999年3月1日
                  月刊ポエム編集人 ジョッシュ

         □インターネットホームページ□

 インターネット上の「月刊ポエム」も3月1日に3月号に全面リニュー
アルいたしました。イラスト・動画や写真などあります。こちらにもどう
ぞ、お立ち寄りください。

    URLは-> http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/poem/ 

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      【テキスト版・月刊ポエム・3月号目次】

             [今月の詩]

       夢があったら      by 叙朱
       泡           by 河野夏月
       ありがとう       by 空(SORA)  
       手に入れる       by なお
       夢の方程式       by 月那

       夢           by 七海(投稿)
       エクボ         by Ma-Ra(投稿)  

       [ショートエッセイ風の作者あとがき]

       ・叙朱、・boys1972、・河野夏月
       ・空(SORA)、・なお、・月那
           

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    「 夢があったら 」     叙 朱

    ひとりの男が体を揺すりながら歌っている
    いつもはひょうきんな男が
    目を閉じて 肩を張って 腕を折り曲げて

    騒然とした狭い部屋に
    男の言葉はとぎれとぎれ
    旋律さえも定かではないけれど

    女たちは口紅を拭うふり
    男たちは思わず出たあくびをかみ殺すふり
    そろってハンカチを握りしめている

    夢があったら 夢があったら 

    消えゆく男の最後のスポットライト
    照度を落とした晴れ舞台から放たれる
    密やかで慎ましい復讐劇


    □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    「 泡 」     河野夏月

    取り返しのつかない
    夢を見た

    水たまりの中
    偶然できた小さな泡を
    壊れないように
    傘で守っていた

    でも すぐに消えて
    悲しくて
    でも すぐに新しく
    泡ができて 消えて

    繰り返し 繰り返し

    きっとどこかで
    雨が止んでも
    消えずに残る泡が
    一つはあるはずで

    私に見つけられないだけだって
    信じたかった


    □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    「 ありがとう 」     空(SORA)

    ありがとう ひとときの安らぎ
    ありがとう 一瞬の夢
    ちょっと気になってただけだと思う
    別に大したことないよ
    ただちょっとだけ好きだっただけだから
    きみのその優しさに甘えていただけ
    君が僕のこと大して想っていないって知ってたし
    それでもあの夜付き合ってくれたこと
    感謝してる

    ありがとう ひとときの安らぎ
    ありがとう 一瞬の夢
    ちょっとだけ君に会うのが遅かったみたい
    君にはすでに気になる人がいて
    その人の胸に飛びこむ寸前に僕らは出会った
    僕の腕をすり抜けて君は彼に飛びこむ
    いつもこうなんだ
    なんて皮肉な運命なんだろう
    僕はいつも損な役回り

    ありがとう ひとときの安らぎ
    ありがとう 一瞬の夢
    もういいよ 大丈夫
    僕は僕でまた生きていく
    君はひとときの安らぎ そして一瞬の夢
    また一からやり直すよ
    どこかに運命の人がいることを信じて
    だから ありがとう
    君は一瞬の夢だった

                    from 空   


    □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    「 手に入れる 」     な お

    ガラスのコップに
    きらきらつかまえた
    わたしだけの光
    わたしだけのお日様
    ワンピースのすそ広がって
    ちょっとほこりっぽい風
    つかまえた
    わたしにふれて消えちゃった
    大きなカメラで
    世界をつかまえちゃえ

    ちっちゃなときめきが
    輪になって
    くるくるスキップしてる
    ふざけたわたしの毎日は
    少しの秘密と
    ちっぽけな幸せと
    のんきがすてき

    でたらめな唄うたいながら
    いつもの中の毎日で
    いろんなもの いろんなこと
    すべて切りとっちゃえ


    □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    「 夢の方程式 」     月 那

    努力+諦めないこと=夢は叶う

    信じていたのに・・・
    今は こんな方程式は成り立たないと
    知ってしまったけど

    未来に広がる無限の星屑
    ひとつ つかんだら
    もっと集めたくなる
    キラキラしたものへの憧れ

    夢へと近づく方程式の渦に
    巻き込まれてる


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    「 夢 」    七 海

    夢の中で
    あなたと私はもう一度恋をしている
    今の生活すべてをすてて
    もうあなたの笑った顔も
    ぼんやりとしか思い出せないはずなのに

    夢の中で
    あなたと私はあまりにも幸せそうだったから
    目が覚めた時
    現実離れし過ぎた夢に
    現実を思い知らされた

    あなたともう一度出会って
    恋をする事が出来たなら
    そんなかなわない夢に
    しばられるのは
    ねえ、神様
    あの時あの恋から逃げたバツなの?

    □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    「 エクボ 」     Ma-Ra

    エクボがあった。
    針で突ついたら真っ赤な血が吹き出たでしょうに。
    1月・・2月・・3月・・・一年の月(暦)が出たり引っ込んだり。
    いつ頃からだったのか?
    そうよっ・・・物心ついたころ、
    母から教わった絶対に忘れることのない数えかた。
    同じに子供も数えてた。
    母の手も父の手も、記憶の中にエクボがある。
    唇の両側にあるエクボに
   「きっとお月様に可愛がられるわ!」
    そうも言ってた。
    生命線・運命線・感情線・智能線。
    薄くピンクの細いのが、
    エクボと反対側に突出たふっくらとした中で描かれていた。
    ジャンケンする時に折りたたみ易いように、
    濃いピンクの線が重なっていた。
    強い生命線。
   「きっと長生きするね。」
    途切れ途切れに繋がって下から生え出した運命線。
   「運命が一つじゃないというのかしら?」
    ギザギザになりながら一つの太い線で書かれている感情線。
   「感受性の強い子なんだね。」
    少し斜めになりながら、もうしわけ程度の濃さで一直線に智能線。
   「馬鹿ではなさそうね」
    カッと見開いて記憶の中に入れ込んだ映像の数々。
    途切れ途切れのカットも一つのスクリーンに描き出せる。
    エクボはいつから無くなってしまったの?
    濃いいピンクの線もアズキ色した太い形に?
    代わりに可愛い皺くちゃの小さな顔が、
    折山と谷折りの重なりのように。
    変わったわけじゃないのね?
    きっと、つけたし!
    付け足しするうちに長い時間が必要だったのね。
    ゲームならエンドがあるし、
    エンドの前には「信頼」も「喜び」も「悲しみ」も、
    そして信じてきたことも明らかになる。
    だから、どんな苦しみも困難も乗り越えることが出来るけど。
    この皺を作ってきた生き物にエンドマークが見えたとき、
    丘も川面も、そして今乗る浮かぶ舟も全てがNGと言われるのか?
    分らない?

    □□□□□□□□□ [作者あとがき] □□□□□□□□

     ■叙朱:「 夢があったら 」

 なんだか、冷たく暗い雰囲気のものばかりになってしまいました。けっ
して自分の調子が悪いとか言うことはないのですが、周りを見るとあんま
りあかるくない話題ばかりで。こういうときこそ、楽しく明るいものを、
とは思うのですが。せめても、と楽しそうな写真を組み合わせてみました。
「夢があったら」 こんな厳しい時代に甘っちょろい夢なんて言ってら
れるかい、と怒鳴り散らしていた人。ある日突然、停年で去ることになっ
て、ささやかな送別会を持ちました。もちろん、こんな景気じゃなければ、
あと5年くらいは現職でいけたはずだったのに。ひたすら仕事に突っ走っ
てきた自分を振り返りながら、選んだ一曲が・・・。 

     ■河野夏月:「 泡 」
   
  〜終わりに〜

 この冬は私も風邪をひいてしまって、一週間以上寝込んでいました。眠
っている間に随分たくさん夢を見ましたが、熱があったせいか、あんまり
いい夢を見なかったです。ただ私たちは生きている間にいったいどれだけ
の夢を見るのかなあなんて思ってしまいました。それでは、今回はこの辺
で。

      やっぱり健康が一番だと実感している  河野夏月


     ■空(SORA):「 ありがとう 」

 最近、ちょっと辛い恋をしました。
 ついてないなぁ〜・・・。
                        by 空(SORA)


     ■なお:「 手に入れる 」

 夢というテーマは、書いてるとポジティブにもネガティブにもなってお
もしろかったです。(3つともばらばらになったのはその為です)
 3月は砥部焼きの展示会でお手伝い!?する予定ですし、卒業式もあり
ますし、春に向かってることを感じる月になりそうです。でもその前に、
い・ち・お・う口答試問を受けないと・・・。 それでは感想メールをお
待ちしてます。

 P.S. どなたか外国の人と日本語でメールするときにおこる文字化けの
解決法をご存じの方がおられましたら、是非ご一報を!
                            nao

    ■月那  「 夢の方程式 」

 夢や何か目標に向かっている人ってカッコイイですよね。きっとそれは
イキテルっていう実感を感じているからだと思う。私も、イキテルって瞬
間をいっぱい感じたい。p(^^)q
 私の詩を読んでみなさんが元気になれるといいな・・・。(「夢の方程
式」は落ち込むけど(-。−;)

 もうすぐ春です。新しい季節の始まりに期待して・・・・(^o^)/~~~~~

                         月  那

     □□□□□POEM・MONTHLY MARCH 1999□□□□□□

□編集あとがき: 静かな深夜。突然カタコトと音がします。ハムスター
が回し車で遊び始めたようです。ハムスターは夜行性。ですから、人間が
寝静まったころにやっとお目覚め。ケージの向こうからきょとんとした顔
を向けています。そんな顔は、まるで夢からさめたばかりのようでもあり
ます。いったい、彼らも人間と同じように夢を見るのでしょうか。もし見
るとしたら、どんな夢なのでしょう。ひまわりの種をお腹いっぱい(頬袋
いっぱい?)詰め込む夢でしょうか。それとも生まれ故郷の遠い砂漠で思
う存分駆け回る夢でしょうか。くるりとした目で見つめられると思わず尋
ねてみたくなります。

 さて今月は「夢・Dream」というテーマ素材でお届けしましたが(夏月さ
んのはかない「泡」は、どこかにきっとつかみ取れるものがあるはず、と
いう信念のような、希望のようなものを感じさせてくれましたし、空(Sor
a)さんの「ありがとう」は夢のような大切なひととき、なおさんの「手に
入れる」は必ずしも夢そのものではないのですが、大切なもの、すてきな
ことをなんとかつかんでしまおうというすごい発想。月那さんの「夢の方
程式」は否定的に書きながら、でもそうでありたいという印象をうけまし
たが)いかがだったでしょうか。

 受験、卒業、就職、決算、棚卸しなどなど、弥生3月は日本における大
きな節目の月。元気に乗り切って、また来月お会いしましょう。

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 テキスト版月刊ポエム・3月号・発行平成11年3月2日・部数636
  著作権は留保しておりますので、無断転載、転用はご遠慮ください。
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