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         詩とエッセイの電子メールマガジン
          テキスト版・月刊ポエム9月号
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        今月の素材 [月・Moon]

           【表紙のひとこと】
          
 太陽の季節、夏が終わりを告げようとしています。空気が澄みわたり、
天がいっそう高くなり、そして、夜空では美しく黄色に熟れた月がひと
つ・・・と、思いきや、、先週末の信州で奇妙な経験をしました。昼間、
青々とした空のもと、ハイキングを楽しんだ後のこと。午後8時になっ
ても、9時になっても、外が白々と明るいのです。部屋にいても落ち着
きません。とうとう外にでてみると、あたり一面は野菜畑。整然と並ん
だレタスやキャベツがずうっとずうっと向こうまで続いているのが見渡
せるではないですか。そこはまるで昼間のような明るさでした。見上げ
た空には、大きな月がひとつ。それは予想していたお菓子のような黄色
の月ではなく、白くて大きな恒星のようでした。地元の人も「こんなに
明るい月夜は、珍しい」とか。太陽に代わる秋の主役、月がその存在を
アピールし始めた、ということだったのかも。

 というわけで、今月のテーマ素材は「月・Moon」です。
 尽きることのない日常の煩雑さから離れて、どうぞ「月刊ポエム」で
ゆっくりとおくつろぎください。
                      1999年9月5日
                 月刊ポエム編集人 ジョッシュ

      □みなさまからの「読んだよ」メール□

 をお待ちしております。月一回の月刊ポエム。読み終わりましたら、
ぜひ、メールで「読んだよ」とお知らせください。感想・コメント大
歓迎です。このまま「返信」ボタンで送ってください。

       □インターネットホームページ□

 インターネット上の「月刊ポエム」も9月5日、9月号に全面リニ
ューアルいたしました。こちらにもどうぞ、お立ち寄りください。

      http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/poem/  


   □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

      【テキスト版・月刊ポエム・9月号目次】

             [今月の詩]

     月に憑かれて      by 叙朱
     真夏の夜        by 河野夏月
     淡い月         by 空(SORA)  
     月に目隠し       by 月那
     MOON          by 七海
     月           by うさぎ
     LUNA          by KURARA
                   ・・・      
     蒼い月         by Elley
     うさぎ         by ほたる☆もえ(投稿)  
     月のそばで       by けたろう(投稿)
         

       [ショートエッセイ風の作者あとがき]

      ・叙朱 ・河野夏月 ・空(SORA) ・月那
      ・七海 ・うさぎ ・KURARA 
      ・ELLEY ・ほたる☆もえ ・けたろう 
           

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    「 月に憑かれて 」    叙朱

    あのように巨大で毒々しい月を
    いったい幾人が目にしたろうか

    定刻からずいぶん遅れて
    ジェット機は新東京国際空港に着く

    まるで酔い覚めの飲屋街のような
    白々しさが漂う到着ロビーを
    口数少なく旅客が歩む
    長旅の残滓をこぼしながら

    予定外の人の群れに
    鉄道もバスもお終いで
    一カ所だけが
    スポットライトのようなバス停に
    臨時便を待つ長い人の列

    不思議な静けさが私を帰路へと急がせる

    出発のときの
    期待と憧れに似た興奮は
    微塵もない深夜の空港あたり
    上がりっぱなしの料金ゲートを
    思い切った加速で
    私の車はすり抜ける

    その時だ
    月を見たのは

    大東京のスカイライン近く
    フロントガラス一杯に
    大きく赤い月は
    ゆったりと浮かんでいたのだ

    黒々と続く高速道路が
    にわかにうねり、のたくり
    ヘッドライトは星を求めて天へと向かう
    そんな狂気の月だった


   □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    「 真夏の夜 」    河野夏月

    モータープールに
    たゆとう月を
    虫の音さえも届かぬ夜に
    ただ黙って 見上げていた

    アスファルトに
    残った熱気が
    頬を掠めてたちのぼり
    昼間の匂いを 思い出させた

    夏の風が吹くよ
    生暖かい風が吹く
    その熱で隠して
    一人 凍えている月を

    空から悲しく降り注ぐ
    光も
    外灯の明かりに
    消えていく
    モータープールに
    立ち尽くす 私を残して
    消えていくよ

   □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    「 淡い月 」    空(SORA)   

    朝焼けの空に名残惜しそうな月
    もうすぐ朝日がさし始め
    月は静かに消えていく
    薄いブルーに淡い白
    指でこすったら消えて無くなりそう

    こんな月を君と見るのは何回目だろう
    もうずっと昔から一緒にいるような気になる
    遠い昔に今と同じ月を君と眺めていた
    そんな錯覚を覚える
    君と僕が出会ったのは
    ただの偶然なのか
    それとも運命なのか
    月だけが知っているかのように
    柔らかい光で僕らを包む

    もうすぐ見えなくなる月を見ながら
    真っ白い時間にたわむれる
    手のぬくもりを感じながら
    君が消えないことを願う
    何もいらない
    君がいればそれでいい

    朝焼けの空に名残惜しそうな月
    もうすぐ月が消える
    それでも僕らは変わらない

   □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    「 月に目隠し 」    月那


    あなたはずっと私を見守ってくれている
    物心ついた時からずっと
    あなたの存在に感謝してきた
    私のことならきっと
    何もかも知っているでしょう

    でも・・・今夜だけは目隠ししていて
    あなたに見られたくないことが
    起こりそうな気がするの

    もう・・・私も大人になりたいから
    秘密を持つこと そんなに
    いけないことではないでしょう

   □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    「 MOON 」    七海

    真昼の空に
    月を見つけた

    心の側にいなければ
    見過ごしてしまいそうな
    あなたの優しさを知って

    もう
    簡単な恋は
    必要ないと思えたの

   □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

   「 月 (NO,1) 」   うさぎ

    今夜 帰り道に
    切り取った爪のような三日月が
        黄色く光りながら白くけむる

    いつか三日月も潮のように
         満ちていくのに

    私の心ばかりは
      欠けていく月のように
           寂しさが止まらない


   □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    【LUNA】     KURARA

    私は月が好き。
    優しくて、冷たい。
    大きくて、恐くて
    小さくて、淋しい。

    月は色白でまるで私みたい。
    外に出ない 私
    青白い私。
    見上げると 切ない
    手を伸ばせば、届く夢を見る。

    私は月が好き。
    月の光はいつも優しく降り注ぐ
    無情なほど青く光る

    月に 照らされる
    花が好き
    湖が好き

    私は月が好き。
    優しくて、冷たい。
    大きくて、恐くて
    小さくて、淋しい。

    月は色白でまるで私みたい

    月は私を照らす。
    世界を照らす。
    この世界が 終わっても。

    月は全てを照らす。

    私はルナが好き。

   □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    「 蒼い月 」      Elley

    カーラジオから流れてくる
    懐かしいリズムに
    なんだか涙があふれてきた

    あなたの影 忘れられない
    どんな楽しいこと
    思いだそうとして見上げれば

    蒼い月が見ていた
    心配そうに
    月の光あびて 私はひとり

    蒼い月が見ていた
    心配そうに
    大丈夫 きっと明日は・・・

   □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    「 うさぎ 」     ほたる☆もえ

    月に住んでる白うさぎ
    いつだって黒うさぎを思っていた
    切なかった
    だけど幸せだった

    地球に住んでる黒うさぎ
    いつだって白うさぎを愛していた
    大好きだった
    ちょっぴり遠かったけど

    十五夜の月は素敵だった
    黒うさぎは白うさぎに逢いたくて逢いたくて・・・
    がんばって月を目指した

    がんばってがんばってがんばって・・・

    そして白うさぎと逢えた
    黒うさぎはHAPPYにだった
    今までよりもずっとずっと・・・

   □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□

    “月のそばで”    けたろう

    微笑む 君 ちょっとだけ寂しそう
    月に還る その瞬間まで ここにいてあげるよ
    揺れてる 髪 涙 ためた瞳がきらめく
    別れの言葉 伝える瞬間まで 離してあげないから
    
    きっと そばにいて 見守るから
    いつでも 月を見上げて、さ
    ずっと 近くにいて 抱きしめるから
    いつでも 夜空を見上げて、さ
  
    まるい銀色の月は 君のふるさと
    まるい瑠璃(るり)色の惑星(ほし)は 僕らの想い出

    忘れないで・・・さよなら


   □□□□□□□□□ [作者あとがき] □□□□□□□□

          ■叙朱:「 月に憑かれて 」

 台風で東京のスモッグが吹き飛ばされてしまったせいか、真夜中の東
関東道から見上げた月は、本当に大きくて、赤い色をしていました。な
にやら背筋が寒くなるような。SF映画でいう「世紀末」とはこんな感
じかな、と思ったり。

          ■河野夏月:「 真夏の夜 」

 月と言うとTHE BOOMの曲「月に降る雨」を連想します。最近、
でたばかりの「No Control」というアルバムに入っているの
ですが。きれいですよね、月に降る雨。私、その曲自体も好きなんです
よ。
 さて、話しは変わって、関西では駐車場のことをモータープールって
言うんですよね。関東ではそう言わないので、聞くとなんか新鮮です。
何となく不思議な感じで。それでは、今回はこの辺で。お暇な方は感想
でもいただけるとうれしいです。

            大阪から帰ってきたばかりの 河野夏月

          ■空(SORA):「 淡い月 」

 私の住んでいるところでは,夏の暑さも和らいで秋の風が吹くように
なりました。お月見にはもってこいの,高い秋の空が気持ちイイこのご
ろです。

          ■月那:「 月に目隠し 」

 月というと、レベッカの♪MOONという曲を思い出してしまいます。知
ってる人、いるかな・・・(・・? 
 年がバレてしまうかも・・・。(*^^*ゞ
 まっ、青春の思い出ソングって感じで・・・。でも、ちょっと恐い曲
でもあるんだった・・・。知ってる人いるかなぁ・・・。
 気になる人は感想メールを書いて、送ってね。
 お教えします・・・ではでは(^o^)/~~~~~

          ■七海:「 MOON 」

 月の光は不思議な気持ちにさせてくれますね。
 ずっと戸惑っていた恋の結末を決める事が出来たのも月がすごくきれ
いだったから。 同じ瞬間に夜空を見上げるような素適な恋だったのに。
側にいる事だけが恋ではないと、しずかに教えてくれた あの夜の光で
した。

          ■うさぎ:「 月 」

 月とは、寂しくて優しく孤独な生き物のように私には思えます。
 あなたの心の月は、満月ですか?それとも...三日月?

          ■KURARA:「 LUNA 」

 月はあまりにも思い入れがありすぎて、迷ってしまうので、敢えて単
純すぎるくらい単純な詩を過去のノートから引っ張ってきました。
 月はいつも私を惹き付けていて、書いても書いても浮かんできてしま
うのです。
 だからきっとこれからも、飽きずに月の詩を書いていくのでしょう。

          ■Elley:「 蒼い月 」

 はじめまして、Elley(エリー)です。
 小さい頃から詩を書くのが好きでしたが、なかなか発表する機会が
ありませんでした。
 今回の「蒼い月」は、7〜8年前に当時好きだった人と別れた時に
大阪の夜空を見ながらフッと出来た詩です。
(その人は大阪の人でした、遠距離だったんです)
 この詩に曲をつければ、歌になりそうでしょ。
 みなさんの感想をお待ちしています。



          ■ほたる☆もえ:「 うさぎ 」

 ある絵本を読んだのがきっかけです。
 ”月にうさぎがすんでいる”って小さいころ信じてたけど、今でも本
当にそうだったら素敵だなぁって思います。


          ■けたろう:「 月のそばで 」

 お初にお目にかかります。16歳です。高校生です。
 まだまだ未熟者ですので、なにとぞ不可解な点も多いかと思いますが、
温かく見守ってください(笑)。
 この詩は、現代にも“かぐや姫”のような話があったら、ということ
で書きました。月に還る少女と地球人の少年、てな感じで。
 僕がこの少年だったら、一緒に月までついていっちゃいたいです。い
やはや。

    □□□□□POEM・MONTHLY SEPTEMBER 1999□□□□□□

           □編集あとがき□

 ベランダで植物を栽培する人を「ベランダー」と言うそうです。たぶ
ん、庭でやるガーデニングを楽しむ人をガーデナーと呼ぶことに対する
「和製英語」でしょうが、ガーデナーとの大きな違いは「植物栽培の限
界を知っている」という自負とか。
 つまり、人工的な植木鉢やプランターという限られた器の中で、恣意
的に調合された肥料や消毒薬を使わざるを得ない訳で、大抵は植物を駄
目にしてしまう経験をする。その結果、「植物を育てている」という感
覚から次第に遠ざかり、むしろ「植物を飼っている」という感じに近く
なる。そうしてある種の悟りを得るのだとか。
 そこで、はたと思考が止まりました。それなら、我が家のように、日
当たりは悪くても、狭い地面に植える場合は、なんと呼べばいいのでし
ょう。うーむ。

 と、しょうもないことに悩みながらも、引っ越してきてからもう3ヶ
月。その間に植えた植物たちは、虫食いや猫の襲撃などの紆余曲折(?)
を経ながらも、どうにか花を咲かせるところまで至りました。例えば観
葉植物としては一般的なオリヅルランの花。こちらは植木鉢で「飼って」
ます。ベランダに置いているのですが、普通に見ていると気づかないよ
うな小さな花でも、注意深く観察してみるととても可憐で、びっくりで
す。小さな花も自然界でしっかりと自己主張をしているようで、なんだ
か嬉しくなります。

 さてさて、今月の月刊ポエムは「月」がテーマ素材でした。

 先日、旧約聖書(日本語訳)をぱらぱらと読んでいましたら、創世記
のところに「神は4日目に昼と夜をつくり、ふたつの光体にそれぞれを
支配させた」(抜粋)とありました。そうすると、太陽が昼間を、月は
夜を支配するために創られたのですね。そういえば、これまでに、たく
さんのヒーロー・ヒロインが月からやってきて、たとえば、地球の危機
を救ってくれました。昔々には竹の船に乗った久遠の美女。最近では、
スクータにまたがった正義の味方(この辺になるとUSUKURAさんのCGが
詳しいのですが)。

 なんとなく神秘的なこの天体を素材にすると、つくられた詩の内容も
幻想的。寄せられた作品を読み終わって、私はどことなく不思議な気持
ちになりましたが、みなさまはいかがだったでしょうか。

 それでは、また来月まで。

       【月刊ポエム・投稿のご案内】

 テキスト版月刊ポエムは、インターネットのHP「月刊ポエム」に
掲載された作品の中から、数点を選んでご紹介しております。インタ
ーネット月刊ポエムでは、詩やエッセイの投稿を募っております。興
味がおありの方は、簡単なご案内をインターネットに公開しておりま
すのでご覧ください。投稿のご案内->
 
  http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/omake/toukou.htm

 来月10月号のテーマ素材は「手紙・Letter」を予定しています。

 月刊ポエムの読者「登録」と「解除」は次のページから行うことがで
きます。

  http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/omake/densimag.htm

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テキスト版月刊ポエム・9月号・発行平成11年9月5日・部数723
 著作権は留保しておりますので、無断転載、転用はご遠慮ください。
Copyright(C)1997-9 by 宮崎叙朱・ジョッシュ All rights reserved.
E-Mail prn81060@muj.biglobe.ne.jp
URL http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/poem/index.htm
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