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詩とエッセイの月刊ポエム
テキスト版・新年1月号・発行部数740
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あけましておめでとうございます
比較的穏やかな新年になりました。心配されていたコンピュー
タの誤動作も、泊まり込みで対応に当たった人たちのおかげで
ほとんど問題らしいものは発生せず、ちょっと拍子抜けの雰囲
気すらあります。
さて2000年。今年から月刊ポエムは新しい形の編集企画で再
スタートしました。自由詩とエッセイを中心にしたメールマガジ
ンという本質は変わりませんが、よりいっそうの読みやすさ、読
まれやすさを目指して、掲載作品を「4行詩」と「20行エッセ
イ」に絞り込みました。
4行詩は、1行30文字以内で4行以下のもの。
20行エッセイは、1行30文字で20行以内です。
毎月のテーマ素材に沿って、どうぞあなたの思いをこの新しい
月刊ポエムにお寄せください。
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今月号のテーマ素材: [白・White]
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[表紙のひとこと]
リフトを降りたら係りの人が「右は初心者、左は初めて・・」と
声をかけてくれました。初めてスキーに来た娘連れですから迷わ
ず左へ。パウダースノーがまぶしい林間コースが続いているよう
でした。それでも「ゆっくりゆっくり」と声をかけながら滑り始
めると後ろからひゅんひゅん抜かれてゆきます。「お先にねー、
がんばってねー」「すごいねー、お父さんといっしょかー」ほと
んど直滑降に近いスピードで。ふと見やるとすぐ前方に白い地平
線。追い抜いていったスキーヤーたちはその地平線でふっと消え
ます。次々に、ふっ・・・。
いやな予感は的中でした。そこからは上級者用の急斜面。立ちつ
くしていると、後ろから声。「左は初めて・・・の人には向きま
せんて言ったんですけど」
心配で追いかけてきてくれたらしい。
係りの人が吐く息の白さが印象的でした。
というわけで、今月のテーマ素材は「白・white
」です。尽きる
ことのない日常の煩雑さから離れて、どうぞ「月刊ポエム」でゆ
っくりとおくつろぎください。(ジョ)
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【月刊ポエム・新年1月号目次】
[今月の作品集] 4行詩15編
[作者あとがき] 各作者のショートコメント
[編集室便り] 編集人のひとりごと
[投稿のご案内] 投稿要領はこちらをご参照ください
[読者登録・解除] 読者登録・解除のご案内
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□□□□□□ 今 月 の 作 品 集 □□□□□□
(詩) 元旦 by 叙朱
(詩) 白 by 河野夏月
(詩) 白から始まる by 空(SORA)
(詩) 白 by なお
(詩) 白 by 七海
(詩) 証 by うさぎ
(詩) 憂鬱 by KURARA
(詩) 白い世界 by ほたる☆もえ
(詩) 迷い猫のつぶやき・4 by チャコ
(詩) 砂糖菓子の少女 by 夜行人間
・・・ ・・・
(詩) かがやき by 相模
流緒(投稿)
(詩) 白の欠片 by なおすけ(投稿)
(詩) 呪縛 by 槙原由乃(投稿)
(詩) 白 by 真子(投稿)
(詩) 白 by 杏条(投稿)
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(詩)元旦
叙 朱
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見渡す雪野原に
鋭刃のような日差しが跳ねる
埋め尽くされたものに
永訣を宣言する朝がきたようだ
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(詩)白
河野夏月
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取り留めのない言葉を
綴っていました
黒い壁に張り付いた満月が
僕を見て笑っていました
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(詩)白から始まる
空(SORA)
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明日はどんな色になるのだろう
今日がたとえ灰色でも明日はまた白から始まる
夜が明けて真っ白い朝日が差したら
きっと昨日とは違った色に染まるだろう
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(詩)白
なお
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病院の
白いベッドに 横たわる
わたしの知らない 弱さもつ君
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(詩)白
七海
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嫌いだった冬を好きになり始めている
寒いねと手を握るあなたが嬉しくて
大丈夫 きっとうまく行くよね
小さな願い 降り始めた雪を見上げて
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(詩)証
うさぎ
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何もかも凍り付いた、研ぎ澄まされた冬の朝
忍び足のベランダで、伸びをする息だけが白い
唯一、それだけが
負けない決意をした、私の生の証
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(詩)憂鬱
KURARA
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真っ白な憂鬱が私を照らす
動けない
笑えない
全部吸い込まれてしまうんだもの
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(詩)白い世界
ほたる☆もえ
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珍しく雪が積もった朝
一番乗りで足を踏み入れた世界に
吐息が白く溶けた
そんな Snowy Day
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(詩)迷い猫のつぶやき・4
チャコ
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罫線だけのページが続く
三日も書けなかった日記
重なり合う空白の中でも
日常は生きている
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(詩)砂糖菓子の少女
夜行人間
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仔猫のような 柔らかいその髪に顔を埋めると
髪の匂いは どこかしら思い出めいていて
それは子供の頃大好きだった 砂糖菓子
そう 君は僕の砂糖菓子 胸の奥まで甘くする
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(詩)かがやき
相模
流緒(投稿)
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なくしたものトリモドスコトおそろしいこと
白黒つけられない 中間の灰色でできている世の中
純粋でいること非難されることドウシテ?イマノママデハイケナイノ?
今日も灰色の空が見える遠いむかしの君の笑顔がまぶしかったのを思い出した
(編集部注:最終行が37文字でしたので空隙を詰めました)
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(詩)白の欠片
なおすけ(投稿)
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真白な何か
そんな気持ちに包まれていた時があった
あの時にはもう戻らない
『思い出』という小箱に白の欠片をしまって、僕は行く
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(詩)呪縛
槙原由乃(投稿)
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結ばれない貴方との記憶を真っ白にしてしまえば
この恋はそれで終わりだ
けれどそれすら叶わない
運命という幻想が茨を好むから
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(詩)白
真子(投稿)
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銀世界に並んで足跡を付けてこのままずっと歩ける信じていたあの頃
幼すぎてきづかない「別れ」を
「終わりじゃない始まりなの」そういって贈った真っ白なセーター
何もかもが3年たった今もリアルによみがえるこんな雪の日は
(編集部注:題名がありませんでしたので今月のテーマ「白」とさ
せていただきました)
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(詩)白
杏条(投稿)
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他の誰より傷つきやすく
時に無とさえ言われる君
でも僕は知っている
他の誰にも劣らない君を
□□□□□□□□ [作者あとがき] □□□□□□□□
■叙朱:「 元旦 」
2000年。大きな区切りを迎えたという実感はないけれども、
いつものようにあれもこれもと欲張って結局大して実現できなか
った旧年を悔い、これくらいは、と今年は少なめの目標を立てま
した。何事も中庸が良い、とかも言いますし。ところで4行詩、
白という言葉はありませんが「雪野原」が白を表しているという
ことで。元旦の雪は神奈川では無理みたいですけれど。
叙朱小詩集:
http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/poem/shishu.htm
■河野夏月:「 白 」
明けましておめでとうございます。ついに2000年ですねえ。
月刊ポエムも記念すべき、今年第一号なのに、私の頭の中の方が
真っ白だったりします……。すみません。
ま、新しい年ですし、去年の悪い事も全て白紙に帰してまた一
からはじめましょうか。なんせ学習能力の無さが私の売りですの
で、なんて。それでは、今回はこの辺で。
今年一年、皆様にとって良い年でありますように 河野夏月
「 河野夏月・水たまりの世界 」
http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/poem/kaduki.htm
「 真夏の月を採りにゆこう 」
http://www2c.airnet.ne.jp/kaduki/
■空(SORA):「 白から始まる 」
新しい年が明け,昨年あったいろんなことをまずはリセットし,
新たな気持ちでスタートしたい。そんな思いを込めてみました。い
いことも悪いことも,全部白いキャンバスに描き込められたこと。
また今年も新しいキャンバスにいろんな色を,描いていきたいです
ね。
「 空からの手紙 」
http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/poem/sora.htm
「 EMI'S ROOM 」
http://village.infoweb.ne.jp/~fwba1633/index.htm
■なお:「 白 」
なんだか詩ではなくて短歌になっちゃいました・・ヽ(´・`)ノ
なんて来月に反省点を残しつつ、新しい試みの月刊ポエム、おめで
とうございます! "(^-^)//""パチパチ" byなお
「 なおのみたもの 」
http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/poem/nao.htm
■七海:「 白 」
恋の始まりはいつだってときめいていて、ちょっとした隙間に気
づかないものです。二人の未来だけを信じる勇気も必要だけど、す
れちがった言葉達をひろい出してみとめてあげるのも大事です。
もう駄目なのかなと、ふっと思ったとき・・・・・私は二人で食
べれるものを買ってきます。会えなくても忘れないように、忘れら
れないように。
「 七海・海の破片〜かけら〜 」
http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/poem/nanami.htm
■うさぎ:「 証 」
2000年になったところで、私がどう変わるわけでもないので
すが、寒い冬の朝に縮まずに新しい朝が迎えられたらいいのにな
と思ったりするのです。
つたない、私ですが今年もどうぞよろしく。
「 うさぎ・月夜の国から 」
http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/poem/usagi.htm
■KURARA:「 憂鬱 」
白って何もなくなった状態、無の状態に一番近い言葉だと思うの
です。また、白は純粋な、汚れのない美しさも感じさせます。可能
性と喪失と。白はそんな色だと思います。
「 KURARA・パンドラの箱 」
http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/poem/kurara.htm
■ほたる☆もえ:「 白い世界 」
ある朝、窓を開けたら一面、銀世界。子供の頃、こんなことがあ
りました。私の住んでいる場所はあまり雪が降らないので、すごく
うれしかったです。
そのときの気持ちを思い出して描いた作品です。
「 ほたる☆もえ・Looking For My Wings 」
http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/poem/moe.htm
「 COCOA・TIME 」
http://www.asahi-net.or.jp/~gd5t-mto/
■チャコ:「 迷い猫のつぶやき・4 」
あけましておめでとうございます。
読者のみなさまは、どんなお正月を過ごされたでしょうか?
今年もよろしくお願いします。
「 チャコのつぶやき 」
http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/poem/chako.htm
■夜行人間:「 砂糖菓子の少女 」
白いは砂糖、砂糖はお菓子。そんな、おかしな発想からこの詩を
つづりました(笑)
女の子って、お菓子みたいですよね。柔らかくて、甘い匂いがし
て、口の中でとろけて……そう考えると、かなり官能的な作品かも
知れないなぁ(汗)
「 夜行人間・惑星祭 」
http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/poem/yakou.htm
■相模
流緒(投稿):「 かがやき 」
人は成長する過程で、多かれ少なかれかがやきを失っていくもの
だと思います。白黒つけたい事柄に、時に世間は納得できない答え
を返してきます。そう思いながら毎日を生きて、それでもこうして
過ごしているのはやはりそれよりも大きな喜びがあるからではない
でしょうか?
白にもならず黒にもならず過ごすのは難しいことだ
と思います。 私もそのひとりです。
カタイ感じになりましたが、誰でも、一度は考えるのではないの
かな? という思いを詩に込めてみました。
■槙原由乃(投稿):「 呪縛 」
白は白でいられない。つねに他の色に侵される。
白は生まれた時だけが白だ。時間と共に失われる。
そして白に戻ることはない。
そしてすべてのものは生きることをやめて白になる。
■真子(投稿):「 白 」
日本では、暖かい方である私の住む県でも雪が降りました。その
とき、思ったことを詩にしてみました. 読んでもらえればとても
嬉しいです.
■杏条(投稿):「 白 」
初めまして、杏条と申します。
この詩は、絵の具をモチーフにして書きました。白ってとても特
殊な色ですよね・・・私はとても好きです。
□□□□□□□□□ 編 集 室 便 り □□□□□□□□□□
今月から「詩とエッセイの月刊ポエム」は全面模様替えを行いまし
た。毎月のテーマ素材に関連しての競作形式は変わりませんが、短
めでもっと読みやすいマガジンを目指しての変更です。掲載する作
品の形態は「4行詩と20行エッセイ」という短いものに絞り込ん
でます。
月刊ポエム同人(定期投稿スタッフ)のみなさま、および随時投稿
の読者のみなさま。どうぞこれからも「詩とエッセイの月刊ポエム」
をよろしくお願いします。
編集人 ジョッシュ拝
□□□□□□□□ 投 稿 の ご 案 内 □□□□□□□□□
詩とエッセイの月刊ポエム(テキスト版)は、インターネットの
HP「月刊ポエム」に掲載された作品の中から、数点を選んでご紹
介しております。インターネット月刊ポエムでは、詩やエッセイの
投稿を募っております。簡単なご案内をインターネットに公開して
おりますのでご覧ください。
投稿のご案内->
http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/omake/toukou.htm
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2月号のテーマ素材
「 傷・Wound 」
傷(Wound)を素材にした作品をお待ちしております。
(締め切りは1月25日24時です)
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「詩とエッセイの月刊ポエム」の読者「登録」「解除」は次のペー
ジからできますのでご利用ください
http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/omake/densimag.htm
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タイトル: 詩とエッセイの月刊ポエム・新年1月号
発行日: 平成12年1月5日
総発行部数: 740
発行元: MiyazakiBookSpace
http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/
連絡先: prn81060@muj.biglobe.ne.jp
著作権: 著作権は各作者に帰属します。
無断転載、引用はご遠慮ください。
登録・解除:上記URLで行うか、発行元にご連絡ください。
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