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        詩 と エ ッ セ イ の 月 刊 ポ エ ム

          2006年8月号 「 城 」

      http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/poem/

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          いよいよ本格的な夏。

 連日、35度というすさまじい暑さ。太平洋高気圧が元気いっぱいに
なって、先月まで日本列島を覆っていた雨雲たちを、はるかシベリアの
ほうへ吹き飛ばしたらしく、関東はずっと快晴続きです。水気がなくて、
街路樹が少しうなだれているのが気にかかりますが、お変わりありませ
んか? 

 月刊ポエム8月号をお届けします。今月は「城」がテーマ素材です。
どうぞ、日陰でゆっくりとお読みください。

                 月刊ポエム編集人 ジョッシュ
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         今月のテーマ素材:  [城]
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          [今月の巻頭詩]

         パソコン
         ポンポコ

         パソと言う名の小さな城
         今宵も愛と夢の舞踏会
         仮面を付けた善男善女は
         光回廊のシンデレラ

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        【月刊ポエム8月号目次】

      [4行詩の展覧会]   推薦四行詩、16編
        [編集室から]   編集人のひとこと
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   ▽△▽△  4 行 詩 の 展 覧 会  △▽△▽ 

         テーマ素材 「 城 」

  木槿 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 作詩屋
  残像 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 杜若萌
  my room  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ そら
  城塞 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 河野夏月
  築城 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ じょんじょん

  古城 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 虹色からす
  強がり ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ hinazuki
  白い城のルール ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 卯月
  パソコン ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ポンポコ
  城跡 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ タイム

  砂の城 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 森静野
  白昼夢の続き ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ばら
  古城 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 実希
  つるはし一つで ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ケメ吉
  城から一歩外へ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ こえて

  おとぎ話 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ うさぎ

 ●作品表示の凡例 (作品は投稿順に並べてあります)
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 タイトル
 ペンネーム
 4行詩本文
 あとがき
(投稿順番と投稿日時)記入者:ペンネーム
 [ホームページURL]
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木槿
作詩屋

どんなに優勢だろうと
どんなに劣勢だろうと
守るべきものはひとつ
自分の信念は崩せない

(No.138 06月29日(木)19時07分)記入者:作詩屋
[ http://blog.goo.ne.jp/sakushiya ]
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残像
杜若萌

うたかたの はかないゆめは くさむらに
すぎさりし ひとののぞみは はなとなる
あつきひざしに ふりそそぐ せみしぐれ
いにしえの しろあとねむる いまは なつ

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日本全国の城趾めぐり、いつか達成したいです。

(No.154 07月05日(水)23時05分)記入者:杜若萌
[ http://kmoe.k1.xrea.com/ ]
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my room
そら

大スキを詰め込んだちょっと大きい宝箱
1年かけて築き上げた 私だけのお城
ここにいれば いつだってお姫様
ここにいれば いつだってしあわせ

☆あとがき☆
念願のひとり暮らしももう1年以上。
お城っていうか6帖一間のアパートだけれど・・・。
それでもお気に入りに囲まれた生活はとても幸せ♪
自分だけの時間が必要な自分にとってはまさにお城。
でももうすぐ実家に戻らなければならず残念です。

(No.155 07月08日(土)19時28分)記入者:そら
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城塞
河野夏月

ひんやりと冷たい
あなたのこころのようだ
壁に頬を寄せて想った
時空を超えた哀しみを

(No.157 07月09日(日)09時07分)記入者:河野夏月
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築城
じょんじょん

「スレートと瓦の差額はウン十万」なんて
大借金の前じゃ はした金で
金銭感覚が麻痺していく 今日このごろ
夢のない話ばっかりの 夢のマイホーム

***********************************
2月完成に向けて、頑張るぞー!!

(No.160 07月11日(火)23時08分)記入者:じょんじょん
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古城
虹色からす

朽ち果てた壁 ツタ覆われた姿
ホコリ舞うその、日の射す場所は
洗い流された血 片付けられた体の
きわに咲く花 風に揺り揺られ

(No.162 07月17日(月)00時41分)記入者:虹色からす
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強がり
hinazuki

それは、守るため?
それとも、壊すため?
私の中の堅固な城
その答えをあなたに委ねてみたいのに

****************************************************
時には、ふぅーっと誰かに寄りかかりたくなる。
でも、自分の内で堅く守ってきたものが
波にさらわれる砂の城のように崩れてしまう気がして・・・。
素直になれたら、いいのにね。

(No.163 07月17日(月)21時58分)記入者:hinazuki
[ http://www.geocities.jp/lovepieces_moon/ ]
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白い城のルール
卯月

天井から ぶら下がった 一個の百円ライター
狭い狭い喫煙室 みんなで それを一緒に使う
誰かがね、カーテンに火を付けたんだって
だからだよ、このルール 白い城のルール。

(No.165 07月19日(水)04時19分)記入者:卯月
[ http://www17.plala.or.jp/uzuki/index.html ]
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パソコン
ポンポコ

パソと言う名の小さな城
今宵も愛と夢の舞踏会
仮面を付けた善男善女は
光回廊のシンデレラ

………………………………………………………………………
ネット世界の、一面を描いたつもりです。

(No.166 07月19日(水)20時47分)記入者:ポンポコ
[ http://cosmos.world.coocan.jp/ ]
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城跡
タイム

草木に埋もれて 石垣だけが残る
いにしえの武士の想いは
切なくも真直ぐに それを這い上がり
天守閣を目指す 葛のツル

**********
武士 : 「もののふ」と読んでください

(No.168 07月23日(日)23時13分)記入者:タイム
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砂の城
森静野

海辺で作る砂の城は
波に壊されるのも嬉し恥ずかし
一人退避命令を発しながら
海水の進入を補修するのだ

(あとがき)
子どもの頃を思い出しながら作詩しました。

(No.171 07月24日(月)16時02分)記入者:森静野
[ http://poetryword.exblog.jp/ ]
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白昼夢の続き
ばら

ぱちんと泡がはじけるように
消えてしまった白昼夢
あのとき 砂の城の向こうでつないだ手は
いまも汗ばむほどに ほどけることなく。

(No.172 07月24日(月)17時34分)記入者:ばら
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古城
実希

城内にたたずむと
しいんとした空気が身体をつつみ
様々な思いを抱きこの床を踏みしめた人たちを想う時
過去からの風を感じる

(No.176 07月26日(水)06時29分)記入者:実希
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つるはし一つで
ケメ吉

お堀の深さに! 石垣の大きさに!
人名辞典の人物よりも
名もなき使役人に想いを馳せる
我もニッカボッカマン えっへん

(No.177 07月26日(水)12時23分)記入者:ケメ吉
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城から一歩外へ
こえて

長い間自分の城に閉じこもってた私は
弱虫で居ることに慣れ過ぎた
一歩外へ踏み出して
強虫にはなれなくても普通虫になろう

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健康診断に引っかかった時のこと

(Mail 07月25日(水)21時25分)記入者:こえて
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おとぎ話
うさぎ

王子様とお姫様は お城でめでたし めでたし
たわいもない 少女の頃の 夢だった
全ての人のハッピーエンドが 一つじゃないと
知ってから ずっと探してみるけれど

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あとがき
すいません 日を勘違いしてました 
間に合ったら入れて下さい。

(No.179 07月27日(木)00時12分)記入者:うさぎ
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[記録室]
投稿全作品数:28
推薦詩:16
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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 編集室から ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 先週、遠野に行ってきました。有名な民話の里ですが、おりからのお
祭り(七夕)で小さな町は旅行客であふれかえっていました。早池峰山
麓のおいしい岩手ワイン(エーデルワイン?)と、釜石港から揚がって
くるいろんな海の幸を楽しみましたが、やはりいちばんのお勧めは漬物
かな。なかでもくるみを巻いた金婚漬など。

 さて、今月は「城」というテーマでしたが、やはり、季節柄、海辺で
つくる砂の城を題材にしたものが多く目につきました。ただし、砂の城
というのは、すでに多くの先達がいろいろと詠っており、なかなか新味
をだすのは難しいもの。そんななかで、巻頭詩にはポンポコさんの「パ
ソコン」を選びました。シンデレラという比喩はある種、定型ではあり
ますが、パソコン上で読むと、なんとなくぴったりとはまっています。
杜若萌さんの「残像」と虹色からすさんの「古城」、それにタイムさん
の「城址」には、荒れた城址の切なさを感じました。それと、森静野さ
んの「砂の城」は、あくまでも子供時代の心象をそのまま表現して成功
しています。

 来月も「老」という、ちょっと難しいテーマですが、ぜひあなたの4
行詩をお寄せください。それではまた来月まで。

                 編集人 ジョッシュ


●9月号のテーマ素材 「老・Aged」

ろう 【老】

(1)年をとること。また、年寄り。
(2)律令制で、六一歳から六五歳まで(のち六〇歳から六四歳まで)の者
の称。
(代) 一人称。老人が自分のことを卑下していう語。
(接尾) 自分より年とった人の名に付けて敬称として用いる。
「吉田―」

      出典:三省堂「大辞林 第二版」より
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 メールマガジン: 詩とエッセイの月刊ポエム8月号
          四行詩の展覧会「感情」
     発行日: 2006年8月6日(通算113号)
   総発行部数: 約500
     発行元: mbooks(ジョッシュ)
          http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/
     連絡先: prn81060_mbooks2アットyahoo.co.jp
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