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        詩 と エ ッ セ イ の 月 刊 ポ エ ム

          2006年10月号 「 月 」

      http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/poem/

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             中秋の名月

 秋が深まって、先週は秋の夜空の区切りとなる中秋の名月でした。で
すが、月見ができたのは日本全国でほんの一部。とくに関東以東はすご
い雨風になり、飛行機や列車が大混乱。3連休と重なって、かなり影響
が出たようです。

 さて、月刊ポエム10月号「月」をお届けします。名月でなくても、
たまにはゆったりと秋の夜空を見上げてみませんか?

                 月刊ポエム編集人 ジョッシュ
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         今月のテーマ素材:  [月]
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          [今月の巻頭詩]

       波動
       じょんじょん
     
       カラダの芯が リズムを刻む
       カラダの芯に あかりが灯る
       ゆったり と 余韻に浸る
       そして また 月は満ちる

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        【月刊ポエム10月号目次】

      [4行詩の展覧会]   推薦四行詩、21編
        [編集室から]   編集人のひとこと
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   ▽△▽△  4 行 詩 の 展 覧 会  △▽△▽ 

         テーマ素材 「 月 」

  駆け落ち ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 榎山 洸滋
  Maybe  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 上杉晴一郎
  見上げて ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 河野夏月
  月の引力 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ タイム
  慕情 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 哀子

  標準時 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ yue
  宴 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ポンポコ
  朧月夜 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ まゆみ@
  秋の夜 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 虹色からす
  薄暮の中で ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 森静野

  都合のいい女 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ しじみ
  ツキとナミダ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ちえ
  弓張り月 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 杜若萌
  波動 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ じょんじょん
  ミチルとカケル ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ hinazuki

  月 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 極
  蜜月 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ばら
  あき ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ つゆのせい
  月夜 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ うさぎ
  月の背中 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ こえて

  空と大地の間で ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 実希


 ●作品表示の凡例 (作品は投稿順に並べてあります)
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タイトル
 No.:投稿番号
 Name:ペンネーム
 Date:投稿日時
 URL:ホームページURL
4行詩本文
あとがき
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駆け落ち

No. : 239
Name : 榎山 洸滋
Date : 2006/08/28(Mon) 20:36
URL :http://jinx.in/yama2828/

街を抜けて丘を越える
冷たかった手を温めあった
大地に長い二つの影が伸びてる
月が僕らを照らしていた

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Maybe

No. : 263
Name : 上杉晴一郎
Date : 2006/09/03(Sun) 10:52

今度 何時 会えるかしら
Maybe September.
秋には会える と言っていたあのひとは
月を見ずに 逝ってしまった

「あとがき」
アメリカの詩人シュナイダーの「12月の八瀬」という詩に、別れる女
性が男性に「10年経ったら、また会えるかもAgain someday,maybe
ten years」と言うが、そのmaybeという響きが好きである。
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見上げて

No. : 6
Name : 河野夏月
Date : 2006/09/07(Thu) 00:04
URL : http://www4.airnet.ne.jp/kaduki/

二人で何度となく交わした
「きれいな月が見えるよ」
と指さし。何度でも飽きない
一人よりもいつも綺麗で

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月の引力

No. : 8
Name : タイム
Date : 2006/09/07(Thu) 23:26

その光は クモの糸に似て 妖しくて
捕らえられては
強がりの言葉の本音まで見透かされても
また 眠れぬ夜には引き寄せられる

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慕情

No. : 11
Name :  哀子
Date : 2006/09/08(Fri) 02:21

あの人は もう 
自分の奥底を知る必要はないんだと
頼りなき月灯りに
寂しさ募らせる夜

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標準時

No. : 12
Name : yue
Date : 2006/09/08(Fri) 16:38
URL : http://unt.nobody.jp/

生に向かって月ミチテ
死に向かって月カゲル
この世に生まれた契約
貴賎の隔てなく 月は証人

(あとがき)
生まれた時に取り交してるのかなぁ、と想ってしまいます。
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No. : 14
Name : ポンポコ
Date : 2006/09/08(Fri) 21:03
URL : http://cosmos.world.coocan.jp/

秋が来る
もうすぐ来る
さぁ急いでムーン
幕が開くよ

(あとがき)
月見の宴を控えて、月も忙しいだろうと
そんな気持ちで書きました
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朧月夜

No. : 16
Name : まゆみ@
Date : 2006/09/09(Sat) 19:57

恋しい人にメールを送る
会いたい 会いたい 会いたい
瞳から溢れ出る感情に
月夜さえもはかなく揺れる

(あとがき)
好きな人はいつも心のそばにいるのに
体はそばにいないんだよね・・・ せつない気持ちになります。
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秋の夜

No. : 17
Name : 虹色からす
Date : 2006/09/09(Sat) 23:59

秋の夜露にうつるのは
あれは兎か鈴虫か
兎は餅つき 鈴虫は鳴き
平和な秋の夜空です

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薄暮の中で

No. : 24
Name : 森静野
Date : 2006/09/15(Fri) 16:31
URL : http://poetryword.exblog.jp/

薄暮の中で見る月は
場違いな場に登場した
役者に見えた
あのグラウンドネットの上の

(あとがき)
あまりにも王道過ぎます道具立て御免。
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都合のいい女

No. : 25
Name : しじみ
Date : 2006/09/16(Sat) 01:23

あなたは寂しい時だけ振り返る
私はあなたの寂しさに合わせて形を変えているのではない
照らされる私は笑っているけど
反対側はいつも泣いている

(あとがき)
でも、あなたがいないと輝けない。依存してるのは私のほう
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ツキとナミダ

No. : 27
Name : ちえ
Date : 2006/09/18(Mon) 01:44
URL : http://http://uchinoomoi.jugem.jp/

見えないあたしは空を見た
空には月がひかってた
言葉を夢を未来を不安を
あたしのナミダを照らしてた

(あとがき)
自分を見失ってる自分を見つめなおした瞬間です。
読んでいただきありがとうございます。
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弓張り月

No. : 28 [返信]
Name : 杜若萌
Date : 2006/09/18(Mon) 02:01
URL : http://kmoe.k1.xrea.com/

明るい夜空にひとつ ゆるやかな膨らみの光
満月に向かって 密やかに形を変えてゆく
その柔らかな微笑みを
すべての人々の眠りと 愛し合う者たちの上に

(あとがき)
「月」と聞いて思い浮かべたことは,艶めかしく女性的な雰囲気。
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波動

No. : 29
Name : じょんじょん
Date : 2006/09/19(Tue) 22:01

カラダの芯が リズムを刻む
カラダの芯に あかりが灯る
ゆったり と 余韻に浸る
そして また 月は満ちる

(あとがき)
もともと、10行以上ある詩で・・・何年も前に
作ってあったものを引っ張り出しました。
4行詩にしたことで、また何年か経た自分が
手直しをしたことで・・・もともとの詩より
強い印象になりました。
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ミチルとカケル

No. : 30
Name : hinazuki
Date : 2006/09/20(Wed) 17:49
URL : http://www.geocities.jp/lovepieces_moon/

正反対の二人が手を取り合った
幸せを集めるミチル
そして、分け与えるカケル
幸せのバランスは宙(そら)のバランスのよう

(あとがき)
月の満ち欠けは、私たちの気持ちに通じるものが
あるなぁって、ふと思いました。
満たされたり、心細くなったり・・・
でも、それで、うまくバランスが
とれているのかもしれません。
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No. : 32
Name : 極
Date : 2006/09/21(Thu) 16:14

翳る雲があるから
お前の 冴え渡る光輝も増す
支え合う夫婦の絆のように
今夜も 付かず離れず

(あとがき)
どちらかといえば・・満月より、いくらか欠けた月
の方に風情を覚えます。三日月も、キッチリ過ぎる
かなあ〜!??
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蜜月

No. : 33
Name : ばら
Date : 2006/09/21(Thu) 20:41

小さな寝息が耳をくすぐる
肩に重み 頬を染める熱
手を伸ばしかけて 窓の外
こぼれそうな蜜色と目があった

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あき

No. : 36
Name : つゆのせい
Date : 2006/09/24(Sun) 20:48
URL : http://www.tuyuno.com/

恋しい とき
賭け 満ちる
去る背 見届け
満ち 欠ける

(あとがき)
他人から見えるのは
雲がかかっていない所だけですがね。
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月夜

No. : 37
Name : うさぎ
Date : 2006/09/24(Sun) 23:39

満ちては欠ける 青白い光り 不実な月よ
夜空の月は遠すぎて 水面の月は形が無くて
見つめ合う2つの月に 触れる事は出来ない
私が欲しい物に 似ている気がして ほろ苦い今夜

(あとがき)
月って 星よりも大きく 光っていても 何となく
頼りなく儚く感じてしまいます。
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月の背中

No. : 43 [返信]
Name : こえて
Date : 2006/09/25(Mon) 21:24

自転車の帰り道 おぼろ月が逃げてゆく
走っても走っても 同じ速さで逃げてゆく
私はこのままずっと あなたに追いつけないままなのかな
背中を見つめながら 走り続けるだけなのかな

(あとがき)
届かない想い・・・かな。忘れてしまった!
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空と大地の間で

No. : 47
Name : 実希
Date : 2006/09/25(Mon) 22:01

遅くなった帰り道
広い空の下、細い田んぼ道の上にぽつんとひとり
心細さに振り返ったら
大きな月が微笑んでいた

(あとがき)
まだ街灯も何もなかった田舎育ちの思い出を書いてみました。
あの頃は月や星が今よりもっと身近に感じられたような気がします。
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[記録室]
投稿全作品数:56
推薦詩:21
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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 編集室から ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 中秋の名月

 旧暦8月15日にあたるのが今年は10月6日金曜日でした。残念ながら、
関東以東は合併台風?の影響で悪天候でしたが、みなさんのところはど
うだったでしょうか。お団子で月見というのは、あまり聞かない昨今。
でも、ゆっくりと夜空を見上げる時間くらいは、たまにはあってもよい
かもと思います。

 そういうわけで、今月のテーマ素材は「月」でした。そして、やっぱ
りというか、当然というべきか。万葉集の昔から頻繁に登場する素材で
すから、今月は似たような発想の4行詩がとても多く寄せられました。
ある程度予測していたとはいえ、それらを読みながらちょっと残念に思
いました。そんななかで、巻頭詩にはじょんじょんさんの「波動」を選
びました。天上の月は地球上の生物のリズム(バイオリズム)に相当の
影響を与えているというのはよく知られたことです。人間においては、
特に女性のほうに、天体としての月との関係は密接で、このような詩に
でくわすと、女性という性の内面に触れたような気がして、はっとさせ
られます。ほかでは、yueさんの「標準時」は、月の暦としての存在の冷
たさを鋭く切り取っており、しっかりと心に残りました。

 さて、みなさん気づかれていると思いますが、こちらへの作品の表記
が少し変わりました。これは投稿掲示板を「いたずら防止機能付」にリ
ニューアルしたためです。ちょっと読みにくいかもしれませんが、どう
ぞ了承願いします。それではまた来月まで。

                 編集人 ジョッシュ

●11月号のテーマ素材 「競争・Competing」です。ふたり以上が集う
となぜか生まれる競争心。どうして人間は他人との比較で自分を評価して
しまうんでしょうか。 あなたの4行詩をお待ちします。

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 メールマガジン: 詩とエッセイの月刊ポエム10月号
          四行詩の展覧会「月」
     発行日: 2006年10月09日(通算115号)
   総発行部数: 約500
     発行元: mbooks(ジョッシュ)
          http://www2c.biglobe.ne.jp/~joshjosh/
     連絡先: prn81060_mbooks2アットyahoo.co.jp
          (アットを@マークにして送信ください)
     著作権: 著作権はmbooksおよび各作者にあります。 
          転載や引用は必ず事前にご相談ください。
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