4行詩の展覧会

 

2000年01月

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白・White


〜〜 共感投票上位6編 〜〜


  (詩) 元旦 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 叙朱
  (詩) 白から始まる ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 空(SORA)
  (詩) 白 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ なお
  (詩) 白 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 七海
  (詩) 憂鬱 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ KURARA
  (詩) 白 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 杏条

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−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (詩)元旦
                    叙 朱 
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 見渡す雪野原に
 鋭刃のような日差しが跳ねる
 埋め尽くされたものに
 永訣を宣言する朝がきたようだ

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 (詩)白  
                    河野夏月
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 取り留めのない言葉を
 綴っていました
 黒い壁に張り付いた満月が
 僕を見て笑っていました
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 (詩)白から始まる  
                    空(SORA) 
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 明日はどんな色になるのだろう
 今日がたとえ灰色でも明日はまた白から始まる
 夜が明けて真っ白い朝日が差したら
 きっと昨日とは違った色に染まるだろう

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 (詩)白
                    なお
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 病院の
 白いベッドに 横たわる
 わたしの知らない 弱さもつ君
 
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 (詩)白  
                    七海
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 嫌いだった冬を好きになり始めている
 寒いねと手を握るあなたが嬉しくて
 大丈夫 きっとうまく行くよね
 小さな願い 降り始めた雪を見上げて

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 (詩)証  
                    うさぎ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 何もかも凍り付いた、研ぎ澄まされた冬の朝
 忍び足のベランダで、伸びをする息だけが白い
 唯一、それだけが 
 負けない決意をした、私の生の証

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 (詩)憂鬱 
                    KURARA
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 真っ白な憂鬱が私を照らす
 動けない
 笑えない
 全部吸い込まれてしまうんだもの

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 (詩)白い世界  
                    ほたる☆もえ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 珍しく雪が積もった朝
 一番乗りで足を踏み入れた世界に
 吐息が白く溶けた
 そんな Snowy Day

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 (詩)迷い猫のつぶやき・4  
                    チャコ 
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 罫線だけのページが続く
 三日も書けなかった日記
 重なり合う空白の中でも
 日常は生きている

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 (詩)砂糖菓子の少女 
                    夜行人間
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 仔猫のような 柔らかいその髪に顔を埋めると
 髪の匂いは どこかしら思い出めいていて
 それは子供の頃大好きだった 砂糖菓子
 そう 君は僕の砂糖菓子 胸の奥まで甘くする 

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 (詩)かがやき 
                    相模 流緒(投稿)
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なくしたものトリモドスコトおそろしいこと
白黒つけられない 中間の灰色でできている世の中
純粋でいること非難されることドウシテ?イマノママデハイケナイノ?
今日も灰色の空が見える遠いむかしの君の笑顔がまぶしかったのを思い出した 

(編集部注:最終行が37文字でしたので空隙を詰めました)

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 (詩)白の欠片 
                    なおすけ(投稿)
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 真白な何か
 そんな気持ちに包まれていた時があった
 あの時にはもう戻らない
 『思い出』という小箱に白の欠片をしまって、僕は行く

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 (詩)呪縛  
                    槙原由乃(投稿)
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 結ばれない貴方との記憶を真っ白にしてしまえば
 この恋はそれで終わりだ
 けれどそれすら叶わない
 運命という幻想が茨を好むから

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 (詩)白  
                    真子(投稿)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

銀世界に並んで足跡を付けてこのままずっと歩ける信じていたあの頃
幼すぎてきづかない「別れ」を
「終わりじゃない始まりなの」そういって贈った真っ白なセーター
何もかもが3年たった今もリアルによみがえるこんな雪の日は

(編集部注:題名がありませんでしたので今月のテーマ「白」とさ
 せていただきました)

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 (詩)白  
                    杏条(投稿)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

 他の誰より傷つきやすく
 時に無とさえ言われる君
 でも僕は知っている
 他の誰にも劣らない君を

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2000年2月19日更新

 

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発行2000年1月5日・通算第37号