4行詩の展覧会 |
2000年03月 テーマ素材 芽・Sprout 〜〜 共感投票上位4編 〜〜
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−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (詩)めばえ ほたる☆もえ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 昼下がり いつものダイビングプール 確実に芽生えている5cmの生命に 重なっていく 還っていく キュッと目を閉じてみた 静かね、ここは・・・ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (詩)黒くも紅い 夜行人間 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− このままの関係を壊したくない でも もう姉弟みたいな関係でいたくない あなたのすべてが欲しいと呻く 黒くも紅い情念が 心に芽吹いてしまったから −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (詩)リクルートスーツで行こう 相模 流緒 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− リクルートスーツ 新調したけど ため息 帰り道 空き缶蹴りとばした その先にあった坂道は 今の私に登って行けそうにない 見上げたら、雪の重さに耐える細い枝先 まだ登れそう −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (詩)奇形 河野夏月 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ぐにゃりと曲がったまま 黄緑色の芽が出てきた。 他の誰も生きられなかった アスファルトの割れ目を押し上げて。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (詩)芽 チャコ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 私はひとり目を閉じて 頬染めることさえ禁じている 我慢を忘れた時代でも 芽生えた「想い」で他人を壊す資格はない −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (詩)発芽 うさぎ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 別れ際にあなたが 投げてよこした悲しみが 心の庭で芽を出そうとしています いったい どんな花をつけてくれると言うのでしょう あの日、恋のバラは燃える花びらと柔らかな棘を持っていたけれど... −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (詩)四季 空(SORA) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 春に芽吹いた蕾は大きく花を咲かせる夏を待つ 夏に開いた花はたくさんの光の中で実を結ぶ秋を待つ 秋に実った果実は人の心を満たして冬を待つ 冬に眠りについた木々は新しく芽吹く春を待つ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (詩)芽 KURARA −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− あなたがくれた 友情の種から 私が芽吹かせたのは 愛情でした 早くこの芽を 摘み取らなきゃ 花が咲いて あなたに 嘘がばれてしまう前に。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (詩)夢 叙 朱 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ぼくの未来を分子において 分母にぼくの過去をおく 割っても割っても終わらない 無限小数の夢芽吹く春 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (詩)め・イン・ストリ−ト けたろう(投稿) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− あっ! また 踏まれた・・・ それでも 知らないうちに 花は、咲く。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (詩)臆病 Ku^(投稿) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そっと育ちはじめた日々 誰かに踏みつぶされないかと 私は2人を ひた隠しにする −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (詩)め 真子(投稿) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「め」を失った 暗闇の中 立ちすくんでいる もう少しあともう少しで「光」が見える事を信じて 今はただ待ちつづける −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− (詩)芽生え 杏条(投稿) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 光の降りそそぐ世界へ 扉を押し開けたあなた そんなあなたを見つめる私 心に芽生える淡い憧れ |
2000年3月5日更新
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発行2000年3月5日・通算第39号