■
人からの受け売りでなく、差別化を指向する人
(月明かりでなく、小さなマッチの灯り)
───────────────────────────────────────
これからの時代は、社会全体がより透明になっていくのではないかと思えるのです。
つまり、ネットワ−ク社会が進むとともに、その人、その団体、その地域が持っている
存在価値が見直されるようになってくるものと思うのです。
しっかりと自らの存在価値を見据え、もともと備わった自らの強み、特徴、そこにし
かないとか、その人しかやれないとか、今しかやれないものというものを見いだして、
有限な時間の中で自分を活かす生き方こそ大切なのだろうと思えるのです。
本当に、人の心を燃やすものは何なのでしょう。そのひとの肩書や所属している団体
の光をうけてボ−ッと光っている”月明かり”では、人の心を熱くすることはできそう
にありません。それより、どんなに小さくてもいいから、その人自身が自ら発した”
小
さなマッチの灯”こそ、その人自身やまわりの人の心を熱くし、燃やすことができるも
のだと考えたいのです。
“小さなマッチの灯”には、もう一つの大切な意味があるようです。灯りを1点に集
中することによって、針の穴ほどでも突き通して小さな成功を感じることを薦めたいと
思っています。つまり、風船を割るに、小さな針で突き通せば、その穴をきっかけにあ
っという間に大きく広がり、風船全体を割ってしまうようなことを想像してもらえると
わかるでしょうか。小さな成功を体験してしまうことこそ、成功の最も近道だと考えて
いるのです。
ここで言っている小さな成功とは、毎日身近に起こっているようなことを指していま
す。何でもいいのです。たとえば、学生さんなら、喜んでくれる人のことを思いながら
、心をこめて対応してみたことがあるでしょう。その結果、「ありがとう」の言葉が返
ってきたこと、それが小さな成功です。また、雪の結晶で鼓型の物があることを本で見
て心を動かされ、いつも冬の雪を気にして数年過ごしていました。ある日、あられ混じ
りの雪をパラパラとコートに受けて歩いているうちに、ふと腕に降った雪の結晶が鼓型
であることに築いて、飛び上がるほどうれしかった感覚。これも小さな成功です。ある
いは、今日一日にやりたいことを朝書き出し、一日が終わるときその何割か
が達成できること、これも小さな成功です。なんでもいいのです。こうなったらいいな
あと思い描き、自分で自主的にそこに近づく努力を惜しまず、その結果「うれしい」と
いう小さな成功を得ることができる、このような日常的な小さな成功体験の積み重ねが
、自分で考え実行したことが「うれしい」という結果に結びつき、この積み重ねが、毎
日生きていて楽しいとか、自分を信じられるといったことに繋がっていく大切な好循環
ができることを教えてくれました。
突き通す針に相当するものを、マッチの灯に例えています。どんなことでもいいと思
います。自分の小さな成功体験を積み重ねていくことだと考えます。小さな成功を通し
て得られるうれしさを味わうことによって、さらに自分らしさを磨いていこうとするた
め、ますます好循環が起こることを経験で感じてきました。
どんなに小さなことでも良いのです。毎日の出会いの中に、自分で考え、工夫し、そ
の結果自分でうまく行った実感を味わうことではないでしょうか。