世の中のあらゆる事物を、つながりとして捉える
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これまで、不思議に思っていることがあります。それは、こんなに大勢の人が“今”
を生きているのに、最初はほんのきざし程度の付き合いや大切な人ができてくるのに、
自分の大切にしたい思いを試行錯誤しながら見つけようと思い続けていると、ある時か
らかなりの速さで大切な人に出会ってくるようなのです。

今の時代を生きる人は大勢いるように見えるけど、本当の自分と心のベクトルが合う
人は一握りなのでしょうか。前を向いて生きる人で半分、自然とともに歩もうとする人
でその半分、その人の思いを発信しようとする人でその半分のまた半分、・・・・・。
こうして、自分の思いと共有出来る人はほんの一握り。だから、大切な人に出会うチャ
ンスが絞れてくるのでしょうか。そして、その大切な一握り人にちょっと触れることが
できたことで、また一握りの大切な人を紹介し、その人がまたまた一握りの大切な人を
紹介してくれる。あっというまに、大切な人との関係ができてくるような気がしてなら
ないのです。


 さて、毎日様々な人との出合いがありますが、その人を通じて色々な見方から捉えた
世界について聞かせていただく機会を楽しみにして暮らしています。
 こうすることで、少しずつ世の中のしくみやその世界に係わる人々の心の風景が見え
てきて、それにつれて何がどのように関連して世の中を動かしてきているのかを知るこ
とができつつあります。
 私たちが一生を通し、体験し自分で感じる事は限られています。でも、出合った人の
心の風景を重ね合わせていくことで、私たちが関わっている世界で起こっている事柄に
の関係がどうなっているのか見えてきますね。


 このようにして、世の中のことをつながりとして捉えようとするにしたがって、経済
・自然・歴史・風土・民族学などといったこれまでは、一つ一つに別れた個別の事柄と
して見ていたことが、つながって見えてきます。

 こうなると、世の中のあらゆる事物をつながりのあるシステムとして捕らえようとす
ることを積極的に楽しむようになってきたのです。

 ある時に、コンサルタント能力の育成方法を聞いたことがあります。新聞の経済欄の
記事,スポ−ツ欄の記事,社会欄の記事,政治欄の記事と、それぞれ違った箱に入れて
おいて、その各々の箱から一枚ずつ引くのだそうです。そしてその引いた各記事を呼ん
だ後、各記事の関連をつけてスジの通った物語を作ってみるということでした。

 まさに”風が吹けば桶屋が儲かる”式に物事の関連を見つけてスト−リ−化する訓練
なのですね。

 私たちが住んでいるこの地球の自然は、そのままで実にバランス良くつながっている
のだと思います。そのことに気づく必要があります。必ず人間の作り上げるしくみも、
この自然との関連をつないで考えてみることをもっともっと必要なこととなってきてい
るのだろうと考えています。