日々の何気ない出来事を思いつくままに綴ってみました・・・

          

9月27日(月)晴れ 今日は大腸腫瘍の患者さんと糖尿病コントロールの必要な患者さんが入院担当となった。大腸疾患の症例は手術を念頭にこれから精密検査を進めていくことになる。糖尿病症例に関しては教育入院ということで入院後の教育プログラムがY井先生によってしっかりと作成されている。いわゆるクリニカルパスと呼ばれるもので、これからこの患者さんはその流れに乗って2週間みっちりと糖尿病教室や各種検査、栄養指導などが組まれているのだ。夕方高知県嶺北中央病院から急性心筋梗塞の患者さんが救急搬送されて来た。私の先輩であるU口先生が同乗して来られていた。緊急の心カテとなり、丁度17時過ぎということもあってタイミング良く三豊総合病院循環器の精鋭5人(U枝、M浦、T田、O比賀、K野DRs)が集まって治療にあたった。この症例は丸亀出身の方でたまたま嶺北地区に行った際に発症し、香川県への搬送を希望されたようだった。ここからは専門的な内容となるが、#13が100%の狭窄となっていて動脈硬化によるものであった。ガイドワイヤーを通してPTCA(風船による冠動脈拡張術)を施行し、そのままステントという金属を留置する(ダイレクトステント)方法が選択された。見事に狭窄が解消されて血流の再開通が得られた。私自身いつもは紹介して治療して頂く立場にあるのだが、こうやって患者を受け入れてから治療に至るまでをリアルタイムに観られたのはまた違った意味で得るものが大きかった。5人の先生方お疲れ様でした・・・。

9月25日(土)晴れ 今日は午前中の回診を終わらせた後に高知市へと向かった。というのも夕方から医師会館で認定産業医の更新講習会が開かれ、その講師が高知市民病院循環器科のN村先生であったからだ。N村先生は私が大川村国保小松診療所時代に週1回の割合で研修で大変にお世話頂いた先生であり、こういった機会でもない限りなかなかお目にかかれないことから絶好の機会とばかりに駆けつけることとなった。職場における突然死と循環器疾患との関連についての内容でN村先生らしくパソコンとプロジェクターを用いた講義でユーモアも交えながらの充実した内容であった。今日のプレゼンテーション内容は各種論文や図表などトータルで1GBもある大きな情報量ということでさすがはN村先生といった感があった。講演の終了した後ご挨拶に伺ったところ研修の頃と変わりなく気安く声をかけて頂いてとても嬉しいものがあった。N村先生、また高知に帰りましたら色々とご指導の程宜しくお願い申し上げます。

9月24日(金) 台風18号 今日は午前中心エコー検査に入っていたが台風の影響でキャンセルもあって珍しく正午過ぎに終了した。昼食を食べながら台風情報を聞いているとやはり九州や中国地方を中心に被害が出てしまったようである。高潮による人災も含まれていて自然のもつ底知れぬパワーの恐ろしさをしみじみ感じた。新入院があたらなかったこともあって午後には大腸ファイバーを予定通りこなしてP.M.4:30には病棟回診に移れた。夜は川之江市内のホテルまで移動して病院全体の医局会主催の歓送迎会が行われた。内科S川医師、M山医師、脳外科K北医師の3名の送別と新しく着任する外科と脳外科それぞれ1名ずつの研修医の歓迎が盛大に行われた。三豊ではこのように病院全体として他科の医師に関しても歓送迎会を開いており、これに加えて医師の異動時期が各科によって異なることもあってかこうした歓送迎会の機会が結構多い。さすがに6ヶ月も経つともう病院内の医師の顔と名前は一致するようになり、日頃患者さんの紹介などで関わりをもつことも多いことからこういった飲み会でも他科の先生方と楽しく会話がはずむようになってきた。こういった各科同志の敷居の低さによるFamilialな雰囲気が三豊総合病院の大きな魅力の一つなのだろう。

9月23日(木)晴れ 秋分の日 今日は朝から台風18号の話題でもちきりである。大型の台風であり、九州や中四国では大きな被害が出そうで不安が大きい。今日はそんな台風などどこ吹く風といった感じでいつもと変わらぬ晴天でまさに嵐の前の静けさといったところだろうか。今週も週の半ばで休日があってラッキーであった。明日一日頑張ればまた土日に突入するということで精神的にも楽である。今日はせっかくの休みなのだが特にどこへ行くという予定もなく家でのんびりと家族で過ごした。後は台風18号がおとなしく過ぎ去ってくれることを祈るばかりだ・・・。

9月22日(水)雨 今日の内科カンファレンスで画期的な提案が受理された。三豊総合病院には「脱長会」という医長・副医長以上の上の先生方を除いた他科も合わさっての研修医の会があり、年に何回か飲みに行ったりする機会があるのだが、この会の内科版ができることとなったのである。内科の公式な飲み会がない月に限って月に一回だけ認められる飲み会で、この日だけは仕事を医長・副医長以上の先生方にお任せして研修医だけで飲みに行くことが許可されたのである。目的は日頃何かと忙しくてストレスの多い内科研修医達の団結を高め、併せて精神的な息抜きも行うというものである。この日だけは入院患者さんなどのファーストコールは勿論上の先生方となり、病院から離れてひとときのくつろぎの時間を得られることとなった。しかも長距離でなければ往復のタクシー代は内科の医局費から出るという破格の条件まで付加されることとなった。勿論製薬会社からの接待は禁止である。10月からは岡山大から新しい研修医も加わることとなり、この研修医の会でお互いに仲間意識を高めて、多忙な日々の研修医生活を乗り越えていけるような動機づけの機会となればと期待しているのである。

9月21日(火)雨 今日夕方定例の消化器カンファが休みとなり、その代わりに香川県GDフォーラムという勉強会に出かけることになった。場所は丸亀市内の香川労災病院。GDとはGastro-Duodenumの略であり、食道・胃・十二指腸など上部消化管関係の珍しい症例をディスカッションする会なのである。今日の症例は食道の悪性黒色腫と超早期の胃癌症例の提示があった。特に前者の症例は初めて見る内視鏡像であり、印象に強く残った。勉強会の帰りタクシーでS脇部長と研修医のH尾医師と一緒になり、観音寺の方に3人で呑みに連れていって頂いた。この香川県GDフォーラムという勉強会を作ったのは県立中央病院のK合先生と当院のS脇部長の2人であり、これまでの興味深い症例や苦労話などを聞かせて頂いた。S脇先生、ご馳走様でした・・・。

9月20日(月)曇り 今日は癌性胸水のある患者さんの胸膜腔内にトロッカー(ダブルルーメン)を留置し胸水を低圧で持続吸引した後に抗癌剤などを注入して胸膜腔に癒着を起こさせて胸水貯留を来さないようにする治療を行った。この治療は発熱の合併症が必発であり、患者さんにとっても大変辛い治療となる。三豊では癌患者さんに対してよほどの理由がない限り前例病名告知を行っている。告知を受けた患者さんのほとんどは冷静にその告知を受け止めて、治療に臨む覚悟を決めた患者さんにはオーラのような言葉では言い表せないような強さみたいなものを持つように思う。今回の患者さんも勿論告知を受けており、今回の治療についても大変前向きな姿勢が感じられた。例えどのような大きな副作用があっても我々を信じる気持ちや癌に負けてたまるかという精神できっと乗り越えていける患者さんだと確信している。胸水のコントロールの後には放射線療法や全身化学療法などまだまだこれからの道のりは長い。私も患者さんの意思を無駄にすることのないよう精一杯治療に取り組んでいく所存である。

9月18日(土)晴れ 今日は高知市で高知県自治医大卒業医師で定期的に続けている諸診医勉強会が開かれた。もう1年以上になるがずっと2ヶ月毎に継続されている。今回も三豊での興味深い症例についてプレゼンテーションを行った。その他梼原病院や嶺北中央病院、県立中央病院からも症例提示があり、それぞれ大変興味深いものであった。その他M崎医師による経口避妊薬のトピックス、I上先生の縦断的研究の提示など内容も豊富だった。その後2次会にも参加してそれぞれの医療機関の最近の近況報告、情報交換などを行った。今回の勉強会ではY井先生、U口先生、I上先生、I東先生、A谷先生と高知県の地域医療を先導していっているそうそうたるメンバーの参加があり、何か大変心強いものが感じられた。今香川県でも自讃会で高知のような定期的な勉強会を開く構想があるようだ。大学病院並みの高度なものは当然無理だろうが、こうやって地域で経験した一般的な症例を持ち寄ってみんなでディスカッションすることは大変に大きな意味をもつと思われる。是非高知のように気軽に症例を持ち寄ってみんなで議論を交わせる場となっていけるよう助言していくつもりである。

9月16日(木)曇り 今日は内科研修医3年生のM山医師、S川医師が今月一杯で転勤することから内科としての送別会が開かれた。恒例により外来の看護婦さん達も出席されて和気藹々とした雰囲気の中で宴は進められた。この多忙な三豊総合病院に卒後1年生のうちから派遣されて救急や病棟、外来、各種検査などを任せられることはやった者にしかわからない多大な苦労があったものと推察される。この病院で3年間鍛えられた彼らは大きな自信を持ってまた次の赴任先で仕事をこなしていくに違いあるまい。これから2人は第一内科の循環器グループの一員として活躍していくことになるようだ。S脇部長もいつもはこの2人に対して厳しく指導を続けられてこられたわけだが、さすがに今日だけは自分の子供を送り出すかの如く上機嫌で2人に投げかける言葉にもどこか優しさみたいなものが感じられた。宴会の後この2人はS脇部長宅に招かれて遅くまで一緒にお酒を呑みながら色々と話をしたようである。M山先生、S川先生2人ともお疲れ様でした。また新任地での活躍を期待しております・・・。

9月15日(水)曇り 敬老の日 今日は週の半ばでの休日ということですごく得をした感じだった。しかしながら残念なことが一つあった。在宅で診ているALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者さんが亡くなられてしまったのである。独居で時々安否確認のために姪の方が来てくれる程度でうまく在宅生活を送られていたのだが、今朝その方が家に行くと患者さんが亡くなられていたとのことだった。家族の方は三豊総合病院の時間外救急の看護婦さんに連絡をとり、その指示で至急救急車を呼んだそうだが、死体は搬送できないということで警察が呼ばれることとなり(いわゆる死体検案)、近くの開業医の先生が検死に呼ばれて結局三豊総合病院の方には最近の受療状況の事情聴取のみという何とも寂しい形のお別れとなってしまった。在宅往診で診ていた患者さんの看取りに出ていけなかったことは大変に残念で申し訳ない気持ち゛一杯である。今回は地域医療部への連絡の前に病院の時間外救急に電話をかけたことで大きく流れが変わってしまったようだ。ALSという大病ではあったが、まだまだ急逝なされるような健康状態ではなかっただけに原因はよくわからないものの、何とも後味の悪いケースとなってしまった・・・。患者さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

9月14日(火)曇りのち雨 今日はS脇部長が都合で外来に出られなくなったために久し振りにまた1診をお手伝いさせて頂くこととなった。1診は内科外来の入り口となるいわゆる初診外来であり、適切に初診患者さんを検査や各専門医に振り分ける大切な窓口となっている。今回は2回目ということもあり、比較的スムーズに仕事ができて午後2時過ぎには外来を終えることができた。その後呼吸器科のY地先生について気管支鏡検査を行い、その後午前9時から続いている外科の手術へと向かった。この症例は自分が紹介した患者さんであり、術後ということもあって大変困難な手術となっていたようだ。県立中央病院でのローテーション研修で外科を回っていた時に摘出標本の写真撮影や標本整理をした経験があるが、今日は自分も深く関わっていた症例であっただけに一緒にその標本整理をお手伝いさせて頂いた。そのまま消化器カンファレンスで切り出し標本の結果をプレゼンテーションもすることになった。何度もディスカッションの対象となった症例であっただけにほぼ術前の予想通りであったことから苦労して検査をじっくりと進めていったことが報われたような気がして少しホッとしたところもあった。執刀して頂いたS川先生をはじめ他の先生方、本当にお疲れ様でした・・・。明日は週半ばでの休日だっ!!!今夜はゆっくりと寝られそうだ・・・。

9月12日(日)晴れ 今日は岡山の実家に帰って七五三の前撮り撮影を行った。まだ時期的には早いのだが、シーズン真っ最中だと写真屋さんも混雑するために空いている時期を見計らっての段取りとなった。優駿も優美佳も普段着慣れない着物を着て緊張気味だったが何とか機嫌を損ねることなく無事撮影が終わった。優駿が3歳の時に同じ試みをしたところ泣いてしまってキャンセルした苦い思い出がある(今回の前撮りスナップ写真はこちらです・・・)。今日は本来ならば四国地域医療学会が松山で開催されていたのでそちらに行く予定としていたが、今回はこの私用が優先された形となってしまった。来年は徳島の上勝町で開かれるようだ。高知→香川→愛媛→徳島と4年周期で幹事県が変遷していくわけだが何だかW杯や五輪のような感じで面白い。前回の徳島では木頭村というところでキャンプ場をベースに開催されたがあれから早や3年が経ったと思うと驚いてしまう。来年は徳島道もかなり開通しているので交通の便も比較的良くなっていて今までよりはスムーズに行くことができるだろう。過去7回で初めて欠席したこともあって今回は大変残念だったが来年はまた徳島でのこの学会を楽しみにしておこう。

9月10日(金)曇り 今日は東4病棟の納涼会が開かれた。何とか無事主治医にあたらず予定通り幹事を勤めることができた。まず18時集合ということだったが、送迎バスに乗り込んだのはわずか6名のみ・・・。この多忙な病院で集合時間に皆が間に合うとは全然考えていなかったのでとりあえず集まった6人を乗せて会場へと向かった。開宴時間は18:30だったが、待てども待てども後発組が来ず・・・。一緒に来た先生方も「時間がありそうだから風呂にでも入ってくる」と言って3人いなくなり、結局19:00過ぎまで3人というお寒い滑り出しであった。しかしながら19:20を過ぎた頃から勤務を終えた先生方や看護婦さん達が次々と来てくれて90分遅れで宴会がようやく始まった。幹事としてとりあえず全員出席はないものと予測して2名分わざと減らして料理を注文していたのだが、何と全員出席という快挙で料理が足らなくなるという嬉しい悲鳴をあげるアクシデントもあった。2次会もカラオケで大騒ぎしてあっという間に午前様になっていた。忙しい中集まって下さった参加者の皆様本当にありがとうございました。感想として宴会は楽しかったものの幹事だけはもうごめんだ〜っとつくづく感じた・・・。

9月9日(木)晴れ 今日は99年9月9日と9が横に並ぶ珍しい日である。思わずデジタル時計で9時9分9秒をカウントダウンしながら全てが9になるのを確認して自己満足などしていた。午後の往診業務がいつもより早く終了したので心カテにも入ることができた。ここのところ木曜日の往診件数が多くて帰ってくるのが夕方になってしまうことが続いていただけにラッキーであった。緊張しながらも循環器のU枝先生の足手まといにならないよう助手として入らせて頂いた。今日仕事中にかんぽの宿観音寺という温泉宿から何回か電話が入り、仕事の合間を縫って明日行われる東4病棟納涼会の打ち合わせを行った。今回実は私が幹事となっているのである。入浴付きでビールなど飲み放題の宴会を選択した。幹事ともなると宴会先との打ち合わせがなかなか大変である。しかも人数が多いだけに大きなお金が動くだけでなく、移動手段、2次会の準備、食事内容やらなんやらとなかなか大変な仕事である。大体の準備は今日で完了したが、問題は明日無事に幹事として宴会に出席できるかどうかということ。もしも午後から夕方にかけて緊急入院などがあたった場合は身動きがとれなくなってしまう。これだけはもう祈るしかない・・・。

9月7日(火)曇り 今日はここ1週間で急に呼吸不全が進行した女性が入院となった。聴診上両側下肺野にVelcroラ音を聴取し、胸部レントゲンでは両側下葉に間質性肺炎の像が見られる。胸部CTではスリガラス状の陰影で放射線科の先生方は詳細な情報なく「これは過敏性肺臓炎の典型的な画像所見なので早急にステロイド治療を開始して下さい」と指示されていた。微熱がある程度で血液学的には大した炎症反応は見られていない。呼吸器科のY地先生に相談して急遽気管支鏡を施行することとなった。検査の後すぐにステロイドを投与開始となり、いわゆるミニパルス療法が始まった。Y地先生の診断もやはり放射線科の診断と同じであった。患者さんを診なくても画像的にそこまで診断される放射線科の先生方の診断能力のレベルの高さに感心してしまった。この治療でこの患者さんの呼吸機能が改善され、また元気になられることを祈るばかりである。夕方からの消化器カンファレンスでは自分の受け持ち症例のプレゼンテーションがあった。大変に珍しい症例であり、病態も複雑でこれまで診断に苦慮したケースであった。来週手術ということが決まり、病理学的な確定診断もなされる。今後全てがはっきりすれば消化器病学会への症例報告は間違いないようだ。うまくまとめれば論文にもなるよと指導医の先生からアドバイスを頂き、これから何とか自分なりに頑張ってまとめてみようと思う。

9月6日(月)曇り 今日の午後A東先生の外来の代診をした。さすがに肝臓専門外来ということで複雑な抗原や抗体の検査の結果説明などもあって最後までなかなか気が抜けなかった。結局18時頃までかかってしまって普段以上に疲労してしまった。外来患者さんとの話で如何にA東先生が通ってこられている患者さん達に厚い信頼を得ているのかがよくわかる。さすがは三豊の看板外来だといえよう。月曜日は本来ならば終日外来ということだが今日は午前はI津先生と午後は私と2つに分けてもらって代診をさせて頂いたわけであるが、この外来をいつも一人でこなされているA東先生の大変さも身にしみて感じられた。中には病棟で入院している時にA東先生とミットで診させて頂いた患者さんもいて外来でも話がはずんだ。夕方からは田野々へ先日行われた住民検診の結果説明に行った。今回私は前座として住民教育の一環として糖尿病に関する講義を20分程度にまとめて行った。久し振りの住民教育ということで少し緊張もあったが何とかつつがなく終わらせることができた。こうやって住民の人達と膝を交えて近い距離で行われる医療活動というのはやはり自分としても相性のよさみたいなものを感じてやはり専門医療よりもこういったフィールド分野が自分には合っているのかなあとしみじみ感じられた。またそれと共にこの地域医療活動をすでに10年以上にわたって継続・発展させてきた三豊総合病院地域医療部の地道な努力に改めて敬意を表する次第である。

9月3日(金)曇り 今日はターミナルケアの必要な患者さんと下血の2名の入院があたった。ターミナル症例に関しては在宅ケアの方向に何とかもっていければと考えている。下血の症例は高校2年生でタール便が続くという主訴で来院。緊急胃カメラ検査で十二指腸潰瘍からの出血と判明し、ヘリコバクタピロリ菌の迅速検査で陽性が出たことから今後のことも考慮して除菌治療が開始されることとなった。よくよく話を聞いてみるとその父親も同じ潰瘍のために除菌治療を受けているとのこと。S脇部長から「子供をよくかわいがる親にこういったケースが多い」と聞かされた。通常は5歳くらいまでに経口感染するのだそうだ。当院での除菌率は95%以上とよい成績をあげており、この高校生も受験の時期までには完治にもっていけるということである意味では今の時期に発見されて良かったと思われる。こういった症例は無治療で放置すれば受験前のストレスがかかる時期に吐下血を必ず起こして緊急入院となるケースが多いとのこと。またこの時期からのヘリコバクタピロリ菌陽性は将来的に胃癌発症のリスクも高まるということでこれから開始される除菌治療には大変に大きな意義をもつこととなるわけである。来年ぐらいから保険適応にもなるようで除菌治療は今後益々普及していくことになるだろう。

9月2日(木)晴れ 今日の午後定期往診には香川医大の学生さん2人が同伴で行われた。何でも2人の学生さん達はまだ1年生ということでまだ医学そのものには接していないのだが、自由課題実習での選択項目の一つとして三豊総合病院での在宅診療システムが採り入れられているようだ。こういったまだ真っ白で何色にも染まっていない段階での在宅医療というのは今後彼らにどういったインパクトを与えるものなのだろうか?学生時代に同じような立場で先輩医師に同伴して訪問診療に参加した時の自分自身はどうだったか?とても大きな存在感をもって卒業生の話に聞き入った記憶があるが、彼らにとって自分の姿は一体どのように映ったのだろう・・・。今日の訪問ではたまたまターミナルで状態の悪い患者さんが重なったこともあり、いつもよりも時間がかかってしまった。神経疾患や脳梗塞の患者さんもいて経管栄養、尿道バルーン、褥創処置、家族支援・・・その他色々と見学してもらったが学生さん達にとってある程度は在宅の現場のイメージは分かってもらえたと思う。

9月1日(水)晴れ 今日夕方からの内科カンファレンスで10月からの外来・検査の新しい配置についてみんなで議論した。今月一杯で研修医3年目のS川、M山医師が転勤するにあたってその後の外来や検査の配置をおおまかに決めるわけである。今度代わりにやって来るのは1年目のいわゆるノイヘーレンと呼ばれる医師達であり、S脇部長の考えでは当分は入院患者を担当ししばらくは検査には就かないという方針となった。外来のコマ数や各種検査の枠を埋めるのになかなか難渋してしまった。私自身も後期研修の身ながらその検査枠の対象となるわけで後半は少し違った研修体制となりそうである。来年の4月からは外来も現在の6診制から7診制へと増加されるようだが、とりあえずそれまでの暫定的な配置案となるようだ。いずれにせよ今度やってくる1年目の研修医の医師達にも早く検査に従事してもらえるように頑張ってもらう他はあるまい。しばらくは混乱もあるだろうが、毎年恒例のことでもあって他の先生方達も特に気に留めておられる様子もなく、まあ何とかなっていくものなのだろう。私自身の後期研修も今月でようやく折り返しとなる。後半も実り多い研修にしたいものだ。