日々の何気ない出来事を思いつくままに綴ってみました・・・

          

6月30日(火)曇り 今日四万川診療所へ行ってみると3つあった部屋のうち待合いに使っていた部屋が処置室へと変貌していた。これは先日の四万川区長さん達とのトップ会談によってふれあい交流センターとの共有廊下を待合いに利用させて頂ける許可をとったことによるものである。そのため待合い室がぐんと広くなり、患者さん達にも大変喜ばれた。この処置室を作ったのは理由があって、ホットパックや牽引機によるリハビリの実施や採血、注射、点滴そしてエコーや心電図などの処置を行うための部屋として使い、診療の効率化を目的としている。これまで処置室がなく、診察室内で先述の処置や検査を行っていたために次の患者の入室を処置が終わるまでストップしなければならず大変時間の無駄が多かった。今日はこのお陰でA.M.11:50に午前中の外来が終了し、午後の梼原病院での外来までにゆっくりと食事も摂れて休憩することもできた。四万川診療所の職員が色々と工夫をこらしてくれるし、診療の回数を重ねる度にどんどんと職員の手際もよくなってきている。臨時で雇用している看護婦さんも短期間で採血や関節注射の介助をマスターしてくれてとても心強く感じている。7月からはもっともっと効率よく診療を回して地元の患者さん達に喜んでもらえるよう更にバージョンアップを図る所存である。そうだ、明日は朝4時からイングランド対アルゼンチンの試合を観戦しなければならなかった。早く寝ないと起きれないのでもう寝ます。それでは皆様お休みなさ〜い。

6月29日(月)晴れ 今日の昼休みに高知県立中央病院神経内科Y吹先生に電話で患者紹介をした。先生にはこれまでも何度か患者さんをご紹介させて頂いているが、いつもこちらの患者さんや家族のことを気遣って下さり、「移動するには遠くからなのでなかなか大変ですねぇ」といつも気配りして頂く。紹介した患者さんもじっくりと診察して頂くために決まって自分の外来日でない日を予約して下さり、患者さんやその家族も「ゆっくりと時間をかけて診て頂けて良かった」と感想を言ってくれる。地域で働く我々の診断だけではなかなか満足や納得が得られない症例であっても、一度Y吹先生のような専門医の先生の目を通しておくと後々ムンテラが楽になったり、こちらの言う言葉にも信頼感をもつようになってくれることも多々あることで、自分達の診断に裏付けをとるみたいな意味合いもあってY吹先生にはいつもご迷惑をおかけするのだが、いつも嫌な顔一つせずいつも誠心誠意診察して下さって診断や治療に結びつけて下さり本当に感謝の一言につきる(Y吹先生今後ともご指導の程宜しくお願い申し上げます)。今日の昼休みに電話したのだが、早速明日の午前中に外来予約をして頂いた。患者さんには今週末までには診て頂けるだろうという話をしていただけにとても喜んでおられた。我々のような地域医療に従事する者にとってY吹先生のような専門医の先生との関わりというものは非常に大きな意味をもつ。我々が患者さんやその家族に対して与えられる信頼や安心感とはひと味もふた味も違う重みというか価値感の大きさがあることだけは確かである。今後とも後方病院との連携を大切に地域住民のため努力していかなくてはならないとつくづく感じた。今回の症例は非常に稀なケースだけに診断には興味深いものがある。さて診断の回答はいかに???先日まで入院が27-28床でうまくまわっていたのだが、また今日で満床に戻ってしまった。明日は県中外科より術後患者さんが帰院してくる予定となっている。急きょベッドを空けるべく明日経過の順調な患者さんを一人退院予定としてその患者さんと入れ替える予定とした。またしばらくベッドの確保にあくせくする日々が続きそうである。

6月26日(金)曇り 今日は特別養護老人ホーム「ふじの家」で救急疾患や事故に対する講義を行った。今日の講義を含めて全部で3回あるのだが、今日は意識障害、誤嚥、転倒・骨折について話をした。私はこの施設の看護婦さんや寮母さんが「普段と何か違う」という直感みたいなものを非常に大切な情報として認識している。過去にもその直感のお陰で救われた施設入所者が大勢いる。今日はそんな職員の「気づき」を活かせるような内容を心掛けた。この施設では主任看護婦のT崎さんをはじめとして多くの寮母さん達がターミナルケアやPEGなどの経管栄養、褥瘡の管理など様々な分野まで職員間で勉強会をしたりして、要医療レベルのお年寄りを非常にうまく管理してくれている。我々もこれに甘えてという訳ではないものの、この施設の頑張りによって我が梼原病院のベッドが円滑に回っているといっても過言ではない。あと2回の講義もそんな感謝の気持ちも込めて一生懸命役にたつような講義しようと考えている。今日の夜21時からのNHKニュースで近畿日本ツーリストが今年の収益試算で78億円の赤字が出る見込みとの内容だった。最近の急激な円安やW杯のチケット問題に伴う損失によるもので、希望退職者を募ったりして経営回復に向けて必死に努力しているとのことだった。このうち我々サポーターへの違約金が約6億円、飛行機や船舶、ホテルに対するキャンセル料が約10億円にのぼるとのこと。まさに身から出た錆といったところだろう。この話は近畿日本ツーリストだけのことではないだろうが、W杯を甘く見ていたことが一番の原因だと思う。今回のことでかなりな企業のイメージダウンも含めて損害は78億円だけではすまされないと思われる。今回のチケット問題の一番の被害者は大手旅行代理店であったのかも知れない。国際裁判にまで発展しているようだが賠償金が大手旅行会社に支払われるのかどうかはいまだ確約されていない・・・

6月25日(木)雨 今日は「梼原病院新聞」の初版発行日となった。患者さんへの新聞による病院情報の提供については院長とも前々からやろうと話し合っていたもののなかなか実現までに至らず、これまでずっと懸案事項となっていが先日の職員代表者会でようやく承認された。月一回の予定で発行することとし、とにかく簡潔でお年寄りでも見やすい大きな字を用い、A4一枚程度に収めるという条件設定がなされた。新聞の記載事項については代表者会で内容を話し合うことも決まった。編集委員には編集長に臨床検査技師のJ明さんが就任し、私も下働き要員として加わることとなった。実際に作成してみると先述の条件設定のために図やイラストを入れるとスペースがあっという間に無くなってしまい何かと苦心しなければならなかった。眼科の診察医や医師の休診案内をはじめとして患者さんのために役立つ情報源にしていきたいと考えている。

6月24日(水)雨のち曇り 今朝起きてメールを見てみるとブラジルサントスのK藤さんからメールが届いていた。K藤さんは梼原町出身で、うちの院長のホームページから私の存在を知って頂いたようだ(K藤さん見てくれてますか?)。今度ブラジルの訪問団の中に梼原町出身の方がいらっしやるとのことで、この方をお迎えするためにちょっとした情報収集を私に依頼されたのである。梼原の大抵のことなら何でも知っている(CIA顔負け?)事務のT田さんの情報網を使って早速調査してもらった。すでに梼原在住の方ではなかったので少し時間がかかったが、昼過ぎには私のよく知っている患者さんの4男さんということが判明し、その患者さんに電話して色々と教えて頂いた。その内容を少しでもお役に立てればということで早速お返事させて頂いた。こうやってブラジル在住の方と身近な情報交換が手軽にできるのもまさにインターネット様々だと思う。K藤さんもW杯ブラジル代表の大ファンだそうでサントスでの盛り上がりは大変なようである。日本が決勝進出とならなかった今、私はブラジルのロナウドとドゥンガの大ファンでもあり、K藤さんとともにブラジルの声援に励もうと思う。フレーフレーブ・ラ・ジ・ル!!!(本当は今日の今頃エアフランスの機内に座っていたかと思うと少し哀しくなってしまう・・・・) そうそう、今日の午後若草保育園の健康診断に行った。何を隠そうここには私の長男がこの4月から通園しているのである。今日は3歳児以下の担当であったため長男もその対象となっていた。一体この子が自分に対してどんな反応をするのか?と期待して行ったのだが、意外にさばさばしていてこちらが少し拍子抜けしたような形となった。心雑音もなく、脊椎側彎もなく立派に育ってくれていることを自分の目と耳で確かめることができた。園長さんの計らいで保育園での様子も少し見学させて頂いた。なかなか違和感もなくみんなの中にうまく溶け込んでくれていた。今日は少し違った観点から自分の息子を見ることができてちょっと嬉しかった。こんな所も地域医療ならではのメリットなんだろうなぁ・・・。

6月22日(月)雨 今夜は当直である。月曜日は本来H谷先生かY子先生の当直日なのだがW杯へ行く予定にしていたこともあって水曜日の当直と入れ替わっていた。そのためかどうかは分からないが18時に頚部痛の患者が来院し、21時過ぎには腹痛患者、その40分後には救急車で嘔吐患者が搬送されてきた。その診察・処置をしている最中に右季肋部痛があるという患者の家族から電話があり私自身は受けるつもりだったが、看護婦さんが救急の診療中と伝えてくれたようでこの患者さんはどうやらかかりつけの病院を受診することになったようである。久しぶりに夜間当直がばたばたとしてしまったが、やはりW杯の不運が今だ尾を引いているようである。今日現在でも入院患者さんで発熱していたりL/Dが悪かったりと状態の不安定な方が数名いるのでゆっくり旅行でもという感じにはとてもならなかったと思うし、やはり観戦ツアーはキャンセルして正解だったと考えている。これから朝まで何事もなく静かな当直であるよう願っている。そんな文章を書いてさあ寝ようとしたところでまた当直のコールが鳴った。今度は全身に蕁麻疹の出た患者が来院してきたようである。何でも塩サバを生で食べたとのことでアニサキスでなかっただけましだと思った。全身性であったためステロイド注を併用した。そこで帰ろうとするとまた病棟からコールがあり、体重が80kg以上ある脳梗塞で入院中の患者さんがベッドから落ちているので手を貸して欲しいということであった。幸い骨折などはなかったが、さすがにこの患者さんについては男手がないと担ぎ上げられなかったと思う。当直で病院にいる時でよかったとふと思ってしまった(私が家で待機している時だったらどうしていたのだろう??)。以上のような経過で何とか今度は本当に寝られると期待しつつ床につく私であった。おやすみなさ〜い。

6月20日(土)晴れのち曇り 今日は平成10年度高知県僻地勤務医師関連市町村等連絡協議会の総会が高知市内で開かれた。この協議会は我々僻地勤務医師の派遣を受けている高知県内の自治体が共同で出資し設立に至ったもので、会員には我々自治医大卒業生医師(高知医大卒業生1名を含む)も含まれている。平成9年度の事業報告や決算報告および平成10年度の事業計画や予算などを承認したり、後期研修の実績報告など活発な討議がなされる。こういった協議会は高知県に特有のもので他の都道府県には存在しない。特徴として我々の後期研修期間の給与や引っ越しにかかる費用負担など各自治体が勤務している医師の数によって比例配分されるシステムとなっている。また我々には9年間という義務年限があるがその義務終了後研修についても面倒をみてくれるという画期的なものなのである。他県の卒業生なら羨ましがるような話だが、高知県の自治医大卒業生の尽力と自治体の理解のもとに成り立っている。当然運営には税金が投入される訳であり、今回のような決算の報告・承認は不可欠なのである。この協議会をみても我々卒業生と県や関連自治体との関係は他県に比べて良好といえる。ただしどこの県でも同じ問題を抱えているのだが、義務終了後の医師確保が難しい問題となっている。日進月歩する医学知識や子供の教育問題などをはじめとして僻地勤務を継続するには解決しなければならない問題が山積みとなっている。この協議会では義務終了後に僻地勤務を離れたり、開業したりした場合その医師は準会員として位置づけられる。今後この協議会を通して一人でも多く卒業生が地域医療に残って元気に仕事ができるように我々自身も努力していかなければならないと考えている。この協議会のよい所は県の理事や健康福祉部長そして各自治体の首長や健康福祉課長の名前も正会員として名前が入っていることである。我々個人では不可能なことがこの偉い方々を通せば可能となってしまうのである。こういった強い味方を後ろに持っているということは我々にとっても大変心強い。例えば高知県内の僻地診療所をつないだ画像電送システムなどがそのよい例といえよう。今後益々発展させていきたいものだ。今日はW杯日本対クロアチア戦があった。日本は残念ながら負けてしまった。よって私が行こうとしていたジャマイカ戦は消化試合と化した。フランス旅行をキャンセルしといてよかった・・・。

6月19日(金)雨 今日の午前中外来で検査をしていると看護婦さんから「奥さんから電話がかかっています」と言われ受話器を手渡された。「この忙しい時に一体どうしたんだろう?」と思いながら話を聞いてみると嫁さんがうわずった声で「さっき近畿日本ツーリストからチケットが確保できたのでキャンセルを取り消さないか?」という内容の電話があったということだった。しかもその返事を昼休み頃までに欲しいということだったのでこちらも気持ちが動転してしまって思わず耳を疑ってしまった。何とか13時頃までに検査を済ませて家に帰ってみると院長の奥さんと葉山村診療所のY崎先生の奥さんが家に遊びに来ていた。簡単に挨拶を済ませた後に嫁さんと「さてこれから一体どうするか?」ということで2人の大事な来客をほったらかしにして夫婦でああでもないこうでもないと議論を続けた(2人の奥様大変申し訳ありませんでした)。チケットが確保できたということは全くはじめの条件通りでこちらが希望していたスケジュールでツアーが施行されるし、もし応援に行くことができたら県中消化器科のT先生に日本代表応援グッズを一通りお借りする手筈まで整っていた。念願だった日本代表を実際に目の前で応援することが実現できて言うことなしであったのだが・・・。しかしながらおととい「チケット入手の可能性はありません」と言われ悲痛な想いで一旦キャンセルをした私達には応援に行きたいという欲求を再びキャンセル前と同じレベルまで引き上げるだけのパワーは残されていなかった。へき地医療センターのY井先生にも代診をお断りし、ベビーシッターや嫁さんの実家にも中止を伝え、院長にもすでに検査予定を幾つか入れてもらったし、自分自身も昨日の外来で再診や検査の予定を何例か入れてしまっていた。院長に相談すると「行ってもいいよ」とは言ってもらったが、なかなか「よしもう一回」という気持ちにはなれなかった。また我々に近畿日本ツーリストに対しての不信感がぬぐい去れなかったのも理由の一つだと思う。チケットはこの会社だけでは約1割程度の確保実績であったはずである。もし我々がキャンセルをせずに観戦なしのツアーでもいいからと保留という形にしていたら今日の電話は果たしてあっただろうか?私自身この会社は確保した数十枚のチケットは我々のようなキャンセル客に対してのみに提示しているのではないかとどうしても疑ってしまうのである。となるとスタジアムの外でもいいから応援に行きたいと願ってツアーをキャンセルせずに保留としている純粋なサポーター達は一体どうなるのか?おそらく格安ツアーになった以上チケット確保だけはあり得ないと思う。JTBだけでもアルゼンチン戦のみで約8億円の赤字が出たとのこと。どこの旅行代理店もホテルや飛行機、バスなどのキャンセル料や違約金など莫大な支出が予想されるが、できれば今回のようなキャンセル話などなしにギリギリまで粘ってみて欲しかったと思う。「チケット確保は困難」からわずか2日で「確保できた」というのはあまりにも出来過ぎた話である。このような色々な思惑まで頭の中をぐるぐると巡ってしまい結局我々夫婦が選んだ結論はやはり「キャンセル」であった。昨日の時点で自分達なりにけりがついていただけに今日の話はかえって迷惑でしかもかえって代理店に対する不信感が余計に増大してしまった。本当に今回の一連の出来事は不愉快極まりなく、二度と味わいたくない。もう私の中では近畿日本ツーリストは大手旅行代理店の範疇から消え失せている。また機会を見つけてすっきりとした気持ちのよい旅行に行ってみたいと嫁さんと話し合った。

6月17日(水)晴れ 今日の昼休みに近畿日本ツーリストから連絡があり、観戦なしのツアー日程や減額されたツアー料金の提示があった。確かにフランスへは旅行として行ってみたいものの平日に休みをもらってまで遊びに行く訳にはいかない。院長にもW杯だからこそ無理を承知でお願いしていた訳でそのチケット入手が不確実となった今はやはりキャンセルするしかないと考えてツアー参加を断念することにした。早速へき地医療センターのY井先生にも代診のお断りをして一件落着となった。大変残念ではあるがまた別の機会を待とうと考えている。結局近畿日本ツーリストの方からはツアー料金全額返金に加えて違約金1人あたり50,000円が支払われるようである。うちとしてもそのお金とベビーシッター代、大阪までの往復旅費、親戚や職員へのおみやげなどを加味するとだいたい100万円位は浮いたことになる。嫁さんとも今回のことは残念だったけど何か他でその分楽しもうということでお互い納得しあった。院長も早速空白になっていた私の検査日に大腸ファイバーなど予定を入れていた。病院職員の皆様、色々とお騒がせして申し訳ありませんでした。またジャマイカ戦の日にはうちで観戦しながら残念会でも開きましょう。勿論費用は違約金からということで。今夜は当直で無事何事もなく・・・と思っていたらAM3:00に消防から連絡があり、26歳の男性が救急搬送されてきた。突然胸がつまるような感じがしてしんどくなったということだった。心電図や胸部X線や血液検査を一通り行って特に異常がなく、本人も自覚症状はほとんどないまで元気になっていたが、一応外来で点滴でもしてもらって朝まで様子をみてみることにした。AM4:30頃に病院を出たのだが周囲はもう明るくて夜も明けようとしていた。さあ今日は午前中外来だ。頑張っていこう!!今から2時間位は寝られそうなのでとりあえず寝ておくことにします。おやすみなさ〜い。

6月16日(火)曇りのち晴れ 今病棟は寝たきり患者さんが増えて褥瘡処置が大変である。何と28名の入院患者のうち創処置が必要な患者さんが12名もいるのだ。勿論中には整形外科の患者が含まれているのだが、内科ではいわゆる「床ずれ」と呼ばれる褥瘡から慢性動脈閉塞や動脈硬化などに伴うもの(1名は下肢切断術待ち)、胃瘻造設部の皮下膿瘍、類天疱瘡による水疱部のびらんなど様々である。今年の4月から内科医師の中で病棟係ができているのだが、基本的には検査と掛け持ちとなることが多くて何度となく処置を中断して病棟と外来を往復しなくてはならず、これがなかなか大変なのである。土・日には当直医が処置を行う規則となっている。褥瘡処置は結構看護婦さん任せの施設も多いということだが、当院に限ってはそんな悠長なことは言ってられない現実がある。当院では基本的に栄養、体位変換、デブリードメントに加えて生理食塩水で洗浄することを基本としてしていてこれまで何例か難治性の褥瘡を克服してきたが、このやり方(基本中の基本だが)で改善傾向がない場合、血流障害の合併を考えてアンギオで確認をとってきた。これまではいずれの症例も予想通り血管が糸ミミズ状にチリチリになっていて動脈本幹が跡形もなくなっている所見ばかりであった。褥瘡は寝ている時だけに生じるものでもなく、車イスに乗っている時などもハイリスクである。ある患者は車イスの座布団を褥瘡の部分だけ切り取って圧が掛からないようにしてはじめて治癒が得られた症例もあった。昨日の病棟回診も15:00から17:00過ぎまでかかってしまう位時間も費やしてしまうのである。現在毎日の病棟処置には看護婦さんや助手さんに最低2名は付いてもらわなければならない症例もあり、我々も処置中に外来に呼ばれたりしてなかなかスムーズに運ばないことが多く、現在悩みの種の1つとなっている。開院して3年目を迎え、患者さん1名あたりの平均在院日数も確実に延びてきている。当然突き当たる壁ではあるものの未だ解決の糸口は見えない。今後益々大きな問題となっていくに違いない。恐ろしいことだ・・・・

6月14日(日)曇り 日本は今日日本時間の21:30に史上初めてW杯デビューを果たした。強豪アルゼンチンと本当に試合をすると思うだけで身震いしてしまった。残念ながら1-0で惜敗してしまったが、まだまだ諦めずに頑張って欲しいものだ。今夜は当直だったので何とか急患だけは来ないようにずっと祈っていたが、どうにか最後まで観戦できてほっとしている。TV観戦中に嫁さんに「やっぱり現地に行って応援したいね」と言われた。私自身も日本代表選手達を目の当たりにして応援に行きたいのはやまやまだが、チケットが確実に入手できるという補償がないとなかなか踏み切ることができない。フランスへの切符だけは手にしているだけに何とも葛藤が大きい。現在近畿日本ツーリストが確保している数十枚の観戦チケットは一体どうなってしまうのだろうか?せめて現段階で保留にしている予約客内で抽選でもしてもらいたいものだ。やはりW杯には独特の雰囲気があって最高におもしろい。明日か明後日には新たに変更が加えられたツアー内容が提示されてくるだろう。もともとあまり人気のないジャマイカ戦だけに現地のスタッフが何とかチケットを確保してくれないだろうか?いずれにせよチケット確保が保証されない限りツアーはキャンセルせざるを得ないと考えている。まだ数%の望みに賭けてみたいという気持ちが正直なところだ・・・・

6月12日(金)晴れ 今日とうとう近畿日本ツーリストからFAXが来てしまった!! その内容は、報道の通り確保できるチケットの数が足らないために現時点でツアーをキャンセルすれば旅行費用全額に加えて違約金5-7万円(嫁さんと併せて10-14万円)をお支払いする、もしくは旅行代金を30-40%値引きしてW杯観戦なしのツアーに変更する、もしくは現状のままチケット確保の当てのないまま渡仏し、試合観戦ができなかった場合にはチケット代のみ払い戻すという3つの選択肢があった。W杯が観戦できなければフランスまでわざわざ仕事を休んで出かけて行くまでもなく、気持ち的にはキャンセルの方針でほぼ固まってはいるのだが、この2-3日中で格安ツアーの日程および価格表がFAXで送られてくるようなのでそれを見てからでも遅くないかと考えて今のところ保留という形にしている。へき地医療センターのY井先生に代診を頼んだり、院長の配慮で当院での大腸癌検診や主な検査予定をその期間中外したり、施設の出張診療を休診にしたりと色々とご迷惑をかけているので来週早々には結論を出す予定としている。院長からは「早速旅行はキャンセルしてジャマイカ戦の時に違約金でサッカー観戦をしながら残念会を開こう」と提案が出て、周りの職員も結構乗り気であった。H谷先生は「めったに海外旅行には行けないからいってくるべきだ」と言ってくれるし、薬剤師のY美さんは「今はフランスに行ってもどこの観光地も混雑していて、しかもパリは警備員だらけなので格安旅行も諦めてまたの機会にすればよい」などと色々なご意見を頂戴した。病院に仕事に出てくるまでものすごく落ち込んでいたのだが、みんなと色々話しているうちに少しずつ元気を取り戻してきた。この週末は後で後悔しないよう嫁さんとしっかり話し合いをしてみるつもりである。今週末は当直だ。日曜日の夜だけは患者さんが来ないよう今から祈っているところである。「打倒アルゼンチン、がんばれニッポン!!」 それにしても悔しい!! ト・ホ・ホ・ホ・ホ・・・・

6月11日(木)晴れ 今朝から夜の肝胆膵カンファレンスまでずっと新聞報道を見た職員や知り合いの先生方から「フランスへ本当にいけるの?」と何度も心配と好奇心の併さったような声かけを何度となく受けた。今のところ近畿日本ツーリストから自宅への連絡はない。しかしながら日を重ねるごとに「大丈夫だろうか?」との不安が強まってくる。アルゼンチン戦ではチケットの確保が全体で20%前後と低く、大手旅行会社としては大変な大失態である。私自身も大手の旅行会社ならばある程度強いコネもあって何とか募集人数分くらいのチケット確保はお手のものだろうと安易に考えていたが、やはりW杯だけはあなどれない。JTBと唯一の公認旅行代理店であるジェイ・ワールド・トラベルを除くほとんど全ての大手旅行代理店を手のひらを返すようにふってしまうだけのあまりにも大きな存在であることを改めて再認識させられた。今後まだまだこの問題は尾を引いてどろどろとしたものになるに違いないと思う。現地まで行ったサポーターが試合を見れずに帰国した場合、全員が「残念だったけどしょうがない」とそうやすやすと引き下がるとは思えない。これはまさに「詐欺契約」といわずにいられようか? 日本版フーリガンと化して旅行代理店に押しかけたりする激しい気性の連中も中にはいるかもしれない。これで私自身も「行けない」というのだったら、これまでに2回も電話でチケットの確認をしたのにいずれも「ご心配要りません、しっかりと確保されております」と平然と嘘の回答を受けていたことになる。さて今後の動向はいかに・・・・

6月10日(水)晴れ 今日は梼原小学校で「小児成人病」について講義を行った。対象は先日の健康診断で肥満度が30%以上の児童をもつ保護者を対象とした。梼原には梼原、四万川、西川、松原の4つの小学校があるが、町の中心部にある梼原小学校では都市型の生活習慣が他校に先駆けていち早く浸透しはじめ、スパーなどのコンビニエンスストアの存在や、車社会の普及など食生活や運動不足が除々に表面化しつつある。参考資料として幾つかの文献は入手できたのだが、何か視覚的に訴えるものがいいかなということで教育用ビデオでもと思って探してみると意外なことに、これがなかなか適当なものが見つからないのである。B有製薬をはじめとする幾つかの製薬会社のビデオライブラリーを検索してみたがどこにも小児成人病や小児肥満についての教育用ビデオ教材は置いていなかった。そこで保健所のつてをたどって色々と探してもらってところ県庁の健康対策課にそのビデオがあると分かり、早速お借りして取り寄せるようにした。大人を対象とした成人病関係のビデオは結構沢山あったが、最大の成人病予備群と考えられている「小児肥満」や「小児成人病」は予防医学的な見地からみるとある意味で トピックスでもあり、小児期のうちからの指導・教育が必要と思われるのにその教育用ビデオがないというのはちょっと不思議な感じがした。製薬会社はやはりなんやかんや言っても「病気にならないようにというよりはなった患者をどうするか」ということに重きが置かれているようである。これらの資料をもって講義に向かったが行ってみると幾つかの家族が児童を一緒に連れて来ていた。何でも「自分自身のことなので一緒に聞いて勉強してみたい」と児童自身が希望したので連れてきましたということだった。児童達には少し難しい内容となったが、食事療法のところでは結構興味をもって聞き入ってくれていた。皆が真剣な表情で耳を傾けてくれて最後のディスカッションでも色々な意見が飛び交った。このような機会はこういった梼原規模の小さな町の小学校であるからこそ可能であった訳であり、こういったところが逆に地域医療のもつメリットとも考えられる。他校からも保健の先生がやってこられていたが、皆真剣に今後の取り組みについて討論されていた。今日の話が日頃の生活習慣を見直すよいきっかけ作りとなってくれればと思う。そういえば今日からW杯が開幕する。大手旅行代理店が揃ってチケットの不足を申し出ている。これは信じられないことだが、その中に近畿日本ツーリストも含まれていた。私のところへはまだ連絡はないものの、アルゼンチン戦は実際に中止となったツアーが出ているとのこと。何だか嫌な予感がしてきた・・・・ 

6月9日(火)雨 今日の午後の外来に慢性アルコール中毒のために治療を続けている患者さんがやって来た。そもそもアルコールに走るきっかけとなったのが労働災害で、右膝を痛めたために仕事が思うように運ばなくなり、その後職場を転々とするようになった。どの職場に行ってもなかなか受け入れてもらえず最終的に梼原の実家へ帰省しアルコールに依存せざるを得なかった。現在入院治療などにより今のところ離脱が得られているのだが、やはりまだ50歳台ということで、何か定職についていないとやはりまた同じことの繰り返しになると考えている。そんな時に病院のそばに「こうふくの家」という高齢者集合住宅が新設され、そこの管理人の仕事をやってみたらどうかという話が持ち上がった。特定の希望者もいなかったことからほぼこの患者さんに決まりかけていた。私自身も役場に紹介する以上はある程度責任もあるし、少し不安もあったのだが現在の調子でいけば何とか社会復帰をしてもらえることと期待していた。しかし残念なことに今日外来で「その話は断った」と伝えられた。よくよく話を聞いてみると日中から夜間まで時間的拘束が多くて実家へも自由に帰れなくなるために色々と支障が出てくるという理由だった。職場斡旋まで医者がやるのかという声もあるとは思うが、この患者さんの治療は社会復帰をすることこそが最終的なゴールと考えている。一時的なアルコール離脱が図れただけではまだまだ素直に喜べないものがある。何とかまた別の仕事をするチャンスが出てくることを願っている。しかしながら梼原ではそんなに簡単に職探しはできないのが現実である。う〜〜ん、残念だった・・・。話は変わるが夕方から町長さん、助役さんと現在の四万川診療所の現況、抱える問題点について話をする機会に恵まれた。町長さんからも将来的な四万川診療所の位置づけや構想を伺うことができ、また私自身の考え方や気持ちも多少は理解して頂けたようで何だか少し胸のつかえが取れて楽になったような気がした。やはり自分だけで色々悩んだり考えたりしていても始まらないし、じっくりと話をしてお互いの意思確認をとることは改めて大切なことと思った。いずれにせよ今日の話し合いで四万川診療所の問題解決の糸口が見えたし、これからやるべきことがはっきりした。今日の収穫は大きい・・・。

6月7日(日)晴れ 大阪の日本橋にある電気街は東京の秋葉原ほどの規模ではないものの、1日で廻るのには店舗数や行動する範囲を考えるとちょうどよい規模だと思った。中古パソコンを展示している店舗を何軒か見てみたが、何よりも商品の種類の多さや質のよさに驚かされた。どこから見てもまだ新品のままなのに・・・とか、これはまだ出て間も無い新製品なのに・・・といったものばかりがずら〜〜っと展示されていて、こちらが圧倒されてしまうばかりだった。また是非来てみたいものだが、今度はやはり懐を暖かくして来なければと思った。今日嫁さんと子供達は岡山の実家へ帰省した。この機会に何とか今まで以上に爺ちゃん、婆ちゃんに慣れ親しんでもらうためである。特に下の優美佳が嫁さんにべったりなので少し心配もしているのだが、海外に連れていく方がもっとリスクが高いのでここは我慢するしかなかろう。嫁さんはすでに国際電話用のKDDカードを購入して毎晩国際電話ができるように備えている。毎日ずっと一緒にいる子供と離れるのは母親としても辛いものがあるだろう。家で夜中に泣いたりした時には「やっぱり旅行はやめようかな」なんてふと漏らすこともあり、私が嫁さんをなだめるなんていうこともあってなかなか大変である。上の優駿もやっと保育園に慣れてきたところだし・・・と色々と多くの犠牲を払って行く訳で、その分帰ってきてから頑張って仕事に育児に励まなければと思っている。

6月5日(金)雨 明日から大阪で喘息に関する学術講演会があり、これに参加するために今夜は高知の実家に泊まるべく出発する。今からさあ出掛けようとしたところに東津野村から脳出血の患者が救急搬送されてきた。Y子先生の当直だったが、院長も都合のため不在であり、私に呼び出しがあった。少しばかり手伝うことになり、無事画像伝送も完了して須崎のくろしお病院に搬送することになった。やはりスムーズには出発できないものである。大阪では少し時間を見つけて日本橋の電気街を探索してみたいと考えている。フランス旅行前で全然小遣いもなくお寒い限りの財布をもってうろうろとウインドウショッピングをしてみるつもりである。ボーナス商戦で激安の商品がおそらく氾濫していることだと思うが、誘惑に負けないよう我慢しなくてはならない。しかしながら久しぶりに大きな電気街に行けるので目の保養になると今からわくわくしている。それでは、行ってきま〜〜す。(飛行機が落ちませんように・・・・)

6月4日(木)晴れ 今日の午後県立中央病院外科のH見先生に手術の予約をするために電話をいれた。そのついでに週末の「土佐牛まるがじり大会」のことを話題にすると「いや、そこに行く予定はなくてこちらにいるよ」ということだった。あれ???一体あの情報はどこからやって来たのだろうか?どうやら怪情報があれこれ錯綜しているらしい。M田、T崎両先生についても果たしてどうなるのか?今夜院長が肝胆膵カンファに出席するので正確な情報をつかんで来てくれることと思う。話題は変わるが、最近50代の男性に「癌告知」を行った。プライバシーに関わるので詳細は伝えられないが、本人に告知するのは家族に病状説明をするのに比べて何十倍も気を遣うしパワーが要る。こちらが誠心誠意全力でぶつかっていかないと患者さんに跳ね返されてしまう。勿論こちらも告知にあたっては色々と条件を加味するのだが、やはり患者さん自身の性格、理解力が大きなファクターとなる。これに癌の進行度や根治に至る確率、家庭背景などが加わってくる。自分の説明法の一つに病理を用いて「何ヶ所か採取した組織標本のうちGroup4が幾つか検出されました。残りはいずれも正常の組織でしたが、癌になる一歩手前で非常にラッキーでした。」などと言うケースがあるが、今回は虚偽を加えずにそのままを告知した。この選択については「何故?」と聞かれてもよく分からない。ただその患者さんの目を見て決めたという位でしか言いようがない。説明が終わって帰り際に患者さんから「先生、ありがとう」と言って頂き、それまでドキドキしていた鼓動が除々に落ち着いていくのが自覚できた。この患者さんは大変冷静な態度で受け入れられ、動揺している様子はなかったように感じた。自分ならばどうだろうか?院長の治療している癌患者さんにも何人かこのような強い精神力をもった方がおられる。そんな患者さん達を相手に人生の選択を持ちかける訳であるから、こちらも生半可な気持ちでは絶対に「だめ」だと思う。このような経験を積むごとに自分自身も患者さんから多くのことを学んでいるような気がした。

6月3日(水)晴れ 何でも今週末に行われる「土佐牛まるがじり大会」に肝胆膵カンファでお馴染みの3本柱であるH見、M田、T崎の大先生が3人揃って参加されるとのこと。梼原病院が日頃のご愛顧にお応えしてのご招待ということだったが、まさか3人が全員揃って参加されるとはびっくりしてしまった。そうともなればしっかり接待をして・・・ということになろうが、幸か不幸か私は丁度その日は大阪へ行く用が入っていて、Y子先生も友人の結婚式、H谷先生は当直ということで院長一人がその大役を担うこととなった。むむむ・・・これは大変だが、お酒とお肉の勢いできっと何とかなるでしょうと慰めにもならないことを言って大阪へと脱出する私であった・・・。それはそうと今月のレセプトが1日からすでに始まっているのだが何と2日間で終了してしまった。まだ入院分が終わっていないが、医師増員によるメリットはこんなところにも出てきた。しかしチェックする人数が増えた分それを処理する事務の方々がそのペースについていけずに困惑している。また我々も誰がどこまで見たのかよく分からなくなったりして、レセプトのチェック法をこれまでと少し変えたりして工夫している。全く贅沢な悩みである。早くレセプトが終わったお陰で今夜はサッカー日本代表のユーゴスラビアとの国際Aマッチが観戦できる。ただし今夜は私が当直である。急患がなければよいのだが・・・。と甘い考えをもったのもつかの間P.M.19:00から続けさまに小児が2人続けて来院。何とかP.M.20:30頃に終わってさて帰ろうとしたところで患者の家族から電話がかかってきた。実は今日LV50を用いて動注リザーバーからの化学療法をしている家からだったが、「途中からバルーンがしぼまなくなった」ということだった。先端部のカテが詰まったか?ということで、病院から片道約30分を要する家までヘパリンを持って往診する事態となってしまった。幸い、ヒューバー針が少し抜けかかっていたせいでリザーバーのシリコン部に針先が留まってしまい落ちなくなっていたようだ。このために前半の試合があまりよく観戦できなかった。う〜ん、やはり「患者が来ないように」などと考えていてはいけない。次回から当直日には無欲の心で試合観戦に臨むことにしよう(無理か??)。

6月2日(火)雨 今日は四万川診療所のリニューアルオープンの初日であったが、あいにくの雨だった。診療所は四万川地区公民館である四万川交流センター内に設置されているが、医療法ではこの公民館の敷地と診療所の敷地はしっかり区別して共有してはいけないという決まりがあるらしい。そのためにすぐ横には広大な和室や幾つかの部屋があるにもかかわらず、そこを診療所の部屋としては利用できないのである。診療所として割り当てられた部屋は3つで、診察室、薬局、事務室を割り当てるとあれ??患者の待合室はどこに??ということで薬局と事務室は合併せざるを得なかった・・・。大きな公民館の玄関があるのに、職員用としか考えてなかった横の入り口が、実は診療所の出入り口だった訳である。しかし今日は雨だったにもかかわらず40名近い患者さんが来院され、玄関には靴が置けずに外まではみ出していたり、結局用意した待合い室にも全員が入りきれずにセンター側のソファや和室を利用しなければならない状況に必然的になってしまった。また問題として80-90歳のお年寄り達は長イスのような背もたれのないイスでは長時間座って待つことができないために公民館の和室の方で診察を待っておられた。確かに診療所は建物自体は古かったものの、しっかり畳の待合いがあって、玄関ももっと広かっただけずっとマシだった。またスペースが狭いために理学療法用の牽引器やホットパック、低周波治療器などのリハビリ機器を置く場所が全くないのである。診察室にはスペースはあるものの、他の患者さんのプライバシーのこともあって診察室内というのはどうも問題があるし・・・。ということでこれらの問題について事務長や四万川地区の区長さん、町長さんなどが色々と検討してくれるようになったようだ。まあ、自分としてもこんな安易な診療施設で十分診察がまわるような外来だけはしたくないし、患者さんに対してもあまりに失礼極まりないと思う。何ともお粗末な話題で恥ずかしい位だが、行政自体が期待している四万川診療所の像と我々とのギャップの違いを痛感した。今年の4月になるまでこの診療所だけは我々の視野にはない存在であった。新診療所はその時代に組まれた設計や構想であっただけにものすごく残念である。これから色々と手直しが必要だが、介入する余地が多ければ多いほどそれはまた仕事自体やりがいが大きいということである。焦らず慌てずこつこつと改善してきっとよい診療所に生まれ変わるよう頑張ろう。

6月1日(月)晴れのち雨 今日は病院職員の勉強会で講師をお招きして接遇について説明を受けた。人とうまくコミュニケーションを図るための手法についてポイントを分かり易く説明して頂いた。今日お話頂いた内容はあくまで一般論であって、この通りにやれば必ずしもうまくコミュニケーションがうまくいけるというものでもない。やはり相手によってそれぞれケースバイケースの接し方があると思う。相手の性格や現在置かれている立場、表情や健康状態、教養やコンプライアンス・・・etcなどその時その時の一瞬の状況でこちらの投げかける言葉は全く異なってくる。これが人間関係の構築の上で非常に難しいところであるが、医師には不可欠ともいえる素養といえる。以前自治医大の学園祭での講演でT久先生(現自治医大学長)は「医師には患者さんの"いたみ"を受け止められるレセプターを持つ者とそうでない者がいる」とおっしゃられた。その時にはよく理解できなかったが、最近になってつくづくその言葉の重大さが身にしみる。このレセプターこそが医師としての患者とのコミュニケーションのための強力な武器であり、大きな味方ともいえる。我々の外来の世界では今日のような正当派的一般論だけでは片付けられない難しいものがある。我々の患者さんとのコミュニケーションの中から時間をかけて産み出される信頼関係は築くまでにはもの凄くパワーと時間を要するのだが、崩されるにはあまりにも脆過ぎる。この崖っぷちの中で培われていくコミュニケーションの技法はやはり先述のレセプターによって大きく左右されると思う。「医は仁術なり」という言葉が頭に浮かぶ。自分自身にとっては「他(患者)を思いやり、慈しむ心(レセプター)をもつこと」を改めて考えさせられるよい機会であったと思う。明日は四万川診療所のリニューアルオープンの初日だ。少し緊張や不安もあるのだがともかく頑張ろう。