第17回日本医学看護学教育学会学術学会のご案内

学術学会会頭 堀見忠司
(高知医療センター 病院長)



 日本医学看護学教育学会学術学会は今年で、第17回目になりました。本会は山陰の島根で誕生し、長い間、島根の地で行われていましたが、昨年、初めて島根の土地を出て、讃岐の香川県で麻田総合病院副院長香川 勇先生によって盛大に開催されましたが、平成18年度の今回はさらに南に移り、太平洋を望む土佐の高知県に移り、平成17年に開院いたしました高知医療センターのくろしおホールで開催される運びとなりました。
 高知医療センターは、平成17年に3月1日に、瀬戸山元一先生を初代院長として開院し、翌18年4月1日から堀見が2代目院長として運営されています。日本で初めての「県と市の中核病院の統合」や「PFI事業による病院運営」などの注目を浴びながら、順調に経過しております。
 さて、国民の極端な少子化や高齢化が進むわが国において、国民の健康を守るべきわが国の医療制度は一体どこに落ち着くのでしょうか? 最近の診療報酬制度の引き下げや老人の医療に対する介護保険制度の変革は、国内の医療施設に大きな打撃を与えました。また、医師の初期臨床研修制度などがもたらした大きな影響は、日本国中に特定診療科の医師の不足や偏在を引き起こし、さらに大学病院の在り方にまで発展する変動の波が押し寄せて来ました。
 このような医療環境の激動は、医療関係者に新たなテーマを投げかけてきました。すなわち従来考えていた以上の医療におけるマネージメントを要求されるようになり、医療マネージメントの重要性が改めて問われる年になりました。また診療報酬制度のうえでも、入院看護加算も「10:1」から「7:1」とした新しい制度をつくり、医療の方向は看護の質を上げる方向に進み出しました。急性期医療における看護師の役割が高く評価されてきたといっても過言ではありません。これからの医療はまさに、医療マネージメントのなかで「看護のかかわり」が非常に重要であることが再び認識される世の中になってきたと考えるべきでしょう。
そこで今回の日本医学看護学教育学会学術学会のテーマを『看護と医療マネージメント』として、開催することにいたしました。
 また特別講演を地域医療連携に卓越した手腕を発揮されている国立病院機構熊本医療センター病院長 宮崎久義先生に「パスと地域医療連携」という題名でお願いしておりますので、まさにこの時期にマッチした題名で、大変興味深く期待できるものと思われます。
NHK大河ドラマ「功名が辻」で一躍、有名になった南国土佐の地で初めて開かれる日本医学看護学教育学会学術学会に、是非、大勢の会員のご参加を賜りますようにお願い申し上げます。「一豊」と「千代」がお待ちしています。


期日:平成19年3月11日(日)
場所:高知医療センター くろしおホール

テーマ:『看護と医療マネージメント』

特別講演:宮崎久義先生(国立病院機構熊本医療センター 病院長)
「パスと地域医療連携」