読書のススメ
~ファンタジーの基礎知識を得るために
by 風森 蔚樹
最近つくづく思うんだけど、ファンタジーって、やっぱり日本のものじゃあ、ないんだよね。だから、最近の富○見文庫とか角○スニー○ー文庫とかで人気のある、いわゆるライトファンタジーって、なんかちぐはぐなことをいっぱいやってる。ぼくは別に異端は認めんっとかいうふーに、あたまの堅いこと云ってるわけじゃなくて、必要最低限の常識的なことは守らんと、読んでてしらけるんだということを云いたいワケ。ほら、よくアメリカ人とかの創った日本を舞台にした時代小説や時代劇なんて、勘違いはなはだしくって、勉強してねえなとか嘲笑っちゃうじゃない?それとおんなじで、やっぱ西欧文化圏の人が見たら、ちゃんちゃらおかしいようなことを書いてたりするんだよね。いや、お約束を知ってて、敢えてそれを無視して狙ってるって読んでて判るんならいいのよ。明らかに知らねえで書いてんな、こいつ、てのが結構あるんだな、これが。
とまあ、そういうハズい羽目に陥らんように、おもしろくてダメになる…もとい、おもしろくてためになる本(主に小説)のリストを紹介しよう。まあ、ぼくの本棚からだから、非常に片寄った選択にはなると思うけど、興味があれば、読んでみてくださいな。ちなみに巻数などは、すべてこの原稿が書かれた1995年11月8日現在のものです。
まずは、基本中の基本。
- J・R・Rトールキン『指輪物語』三部作;評論社文庫
- J・R・Rトールキン『ホビットの冒険』上下巻;岩波少年文庫
- C・S・ルイス『ナルニア国物語』全七巻;岩波少年文庫
- ロバート・E・ハワード『コナン』シリーズ・全七巻;創元推理文庫
- フリッツ・ライバー『ファファード&グレイ・マウザー』シリーズ・既刊三冊;創元推理文庫
- マイクル・ムアコック『エルリック・サーガ』既刊八冊;早川文庫
- アーシュラ・K・ル=グウィン『ゲド戦記』全四巻;岩波書店
- ミヒャエル・エンデ『モモ』『はてしない物語』岩波書店
- ロード・ダンセイニ『妖精族のむすめ』ちくま文庫、『魔法使いの弟子』早川文庫
- ラリー・ニーヴン『ガラスの短剣』『魔法の国が消えていく』創元推理文庫
次に、ちょっと趣味的な本を。
- タニス・リー『月と太陽の魔術師』『冬物語』『幻魔の虜囚』『死霊の都』早川文庫
- ピアズ・アンソニィ『魔法の国ザンス』シリーズ・既刊九冊;早川文庫
- デイヴィッド・エディングス『ベルガリアード物語』全五巻;早川文庫
- R・E・フィースト『リフトフォー・サーガ』全六巻;早川文庫
- パトロシア・A・マキリップ『妖女サイベルの呼び声』早川文庫
- A・メリット『イシュタルの船』早川文庫
- マイクル・ムアコック『紅衣の公子コルム』全六巻;『エレコーゼ・サーガ』全三巻;早川文庫、
『ルーンの杖秘録』全六巻;『ブラス城年代記』全三巻;創元推理文庫
- ディ・キャンプ&プラット『ハロルド・シェイ』シリーズ・全四巻;早川文庫
- イーデン・フィルポッツ『ラベンダー・ドラゴン』早川文庫
以下、完全にぼくの好みで。
- ジャック・フィニィ『ゲイルズバーグの春を愛す』早川文庫
- ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』ちくま文庫
- スコット『アイヴァンホー』上下巻;岩波文庫
- W・B・イェイツ『ケルト幻想物語』『ケルト妖精物語』ちくま文庫
- 栗本薫『グイン・サーガ』既刊本伝五十巻・外伝九巻;早川文庫
- 高千穂遥『美獣』上下巻;集英社文庫
- 新井素子『扉を開けて』集英社コバルト文庫、
『ラビリンス』『ディアナ・ディア・ディアス』;徳間ノベルズ
- デフォー『ロビンソン・クルーソー』上下巻;岩波文庫
- ジュール・ベルヌ『十五少年漂流記』創元推理文庫
- H・R・ハガード『ソロモン王の洞窟』創元推理文庫
- サー・トーマス・マロリー『アーサー王の死』ちくま文庫
- 佐藤輝雄ほか訳『ローランの歌/狐物語』ちくま文庫
- 松谷健二訳『エッダ/グレティルのサガ』ちくま文庫
- 池内紀訳『グリム童話』上下巻;ちくま文庫(完訳版も岩波から出ている)
- 新倉朗子訳『ペロー童話集』岩波文庫
- ブルフィンチ『中世騎士物語』岩波文庫、『シャルルマーニュ伝説』教養文庫
- あしべゆうほ『クリスタル☆ドラゴン』既刊?冊;秋田書店
- 紫堂恭子『辺境警備』全六巻;小学館、
『グラン・ローヴァ物語』全四巻;潮出版社
ああ、まだまだ紹介したい本があるのに、もう紙幅がないぃ。しかたないので、続きは次の機会にでも。シナリオ作りに役立ちそうな、中世ヨーロッパの歴史について書かれた本なんか、読んでみたいでしょ?そういう知識系の本を次回に紹介したいと思います。ではでは。