イタリアの大動脈であるミラノ〜ローマ間を結ぶ特急で、最高速度250km/hのヨーロッパではめずらしく電車列車であり、また強制振り子方式を採用した車両です。
一般の特急が約5時間かかるのに対し、この列車はミラノ〜ローマ間4時間10分で結んでいる。ミラノ〜フィレンツェ間は在来線をフィレンツェ〜ローマ間は新線(ディレッシマ)を走行する。
この車両は油圧による強制振子方式を採用しており、特に在来線部分では曲線が多く頻繁に振子装置が作用している。先頭車にセンサで曲線を検知して振り子を制御する方式のためかどのカーブもなめらかとはいえず、急に振れる感じである。振れ角度の制御はしていないようで場所によっては車体が振れすぎて乗客が内軌側に振られることもある。また曲線によっては横に大きく揺れる場合があるほか、軌道の整備状態もよくなく乗り心地はあまり良くない。
列車は9両編成で、客室構成は全て3列席の1等車タイプであるが、1〜4号車が1等車、5〜9号車が2等車とのなっており、サービスで差をつけているようだ。車体は振り子角度8度と大きいためか車体全体が狭く、特に上部がさらに狭くなっている。このため腰掛けも1十2列の航空機のビジネスクラスのイメージで構成されている。
荷物室のスペースもあまりなく、客室通路も狭いため大型荷物の置場に苦労する。腰掛けはヨーロッパではめずらしくベタルを蹄んでまわす回転リクライニングシートで全て進行方向を向いている。腰掛け幅は有効幅490mm(「つばめ」は455mm)とTGVの1等なみであるが、シートピッチは若干狭い。先頭車運転室手前に車内サービス用の機器が置いているエリアがある。看板列車であるにもかかわらず客室の扉は全て手動の開き戸で使い勝手はよくない。
トイレは真空式と表示してあるが、循環式のようで真空によって吸い込んでいるようにはみえない。発車後サービス員が新聞を配ってく・る。イタリア語と英語のもので当然日本語のものはなかった。その後、航空機のワゴンサービスと同様に朝食のサービスがあったが、内容は固いパン、ビスケット、チーズ、ジュース等でたいしたものは出てこない。その後、到着前には放み物のサービスがあった程度である。