日本陸軍
明治19年制下士兵卒白脚絆
99.09.04UP
巷の骨董品屋や軍装品店で明治の軍服類をよく見かけることはあってもこの下士兵用の白脚絆はなかなかお目にかかれないのではないかと思う。 杉綾織りのため、痛みやすいのが現存数の少なさの要因であろう。 この白脚絆は、日露戦争(明治38年)時に制定された戦時服の出現により翌39年に廃止されたと思う。 例外的に一部の部隊で濃紺織りの39年制の軍衣袴にこの白脚絆を使用している写真が残っている。 ここに展示する脚絆は、材質・形状などから明治20年くらいの製作と推定される。 材質は前述したとおりの麻・杉綾織り。止め釦は樹脂のようでもあるが、資料不足のため判然としない。(貝のような天然素材かもしれない) これが8段で止めるようになっている。 また上段の4つは2重になっており、若干のサイズ調整が出来るようになっている。 スパッツは牛革製で先端に真鍮製の包み金が付いている。 尚、釦側が外側である。 | |
内側部分 | |
裏側部分。 脚絆には裏地は着いてなかったと思われる。 但し、こうの部分には補強のため二重となっている。 また、これには検定印なども見られない。 | |
表部分のアップ。 杉綾織りの感じお判りになるであろう。 実際に白脚絆といっても色的にはベージュに近い色合い。 おそらく漂白していない”生成”、故だと思われる。 |
photo : A.ASAHINA 1999