「第5回尾瀬車いすウォーキング」旅行の記録 |
岡田
写真をクリックすると写真が大きくなります
当日は平日だったので、昼間は会社で仕事でした。
集合場所に着いてみると、すでに大部分の参加者は集まっていて、私が最後から2番目でした。(班長が遅れてど〜する)
会社から直行だったので、スーツのズボンにワイシャツで、リュックを背負っていたのが、結構目立ったらしく、班員に苦笑されます。
とりあえず、受付けを済ませ、バッチと班長の腕章を受け取りました。
班員が全員集まるのは今回が始めてなので、初対面の人も結構います。
すでに、(車いすを持ち上げるとき使う)パイプは各班に配られていました。(車いすを引っ張るのに使う)さらしの布も間もなく配られました。
全員受付けを澄ましたので、21時00分にから出発式が始まります。
出発式のあと、班毎に京急のホームまで移動します。
電車は(乗り込む前は)さほど混んでいなかったが、80人以上の団体(車いす含む)が乗り込むと、そこそこの混み具合となりました。
浅草で降りて、今度は東武電鉄のホームに向かいます。
東武電鉄の改札の前で一休み。(乗り換えの時間があるので)
一休みしてジュースやビールを呑んだり、トイレに行ったりしているうちに時間となり、電車に乗ります。
電車が動き出すと(消灯までの短い間ですが)、早速あちこちで缶ビールの口が開けられます。
8月2日(土)曇のち晴 尾瀬到着
朝3時20分頃会津高原駅に着きます。
目が覚めてしまったので、駅の売店まで行って蕎麦でも食べる事にします。(前の日は朝昼抜き夕食のみだったので、お腹が空いていたもんで)
一休みしているうちに時間(4時15分)となり、全員で駅の外に出ます。
ここで2台のバスに分乗します。
5時00分バスが発車します。会津高原駅から沼山峠までは、バスで約二時間かかります。
意外にも沼山峠には予定よりかなり早く、1時間半ぐらいで着きました。
バスを降りて班毎に点呼を取ります。
食事を終えて、山登りの準備(服装を整えたり、車いすにパイプを結んだり)をしていると「尾瀬ボランティア」をやっているらしい小父さんから「峠道がぬかるんでいるので注意するように」と注意を受けました。(この時点では、ぬかるんでいると聞いてもあまり心配しなかった。以前に小雨の中で登った経験があるし、今回は(日こそ照っていなかったが)雨は降っていなかったし、あたりの地面は乾いていたし)
パイプを結び付けたり、さらしを結んだりと、準備を終えて、いよいよ峠を登ります。
階段を登ると、その上は(すこし幅広の)木道になっています。
頂上を少し過ぎたあたりで休憩所に着きました。
一休みしてから、峠を下りはじめます。
互いに励ましながら降りていきましたが、下につく頃にはみんなへとへとになっていました。
峠を降りたころから天気の方は青空が顔を出しはじめ、日が差してきました。(空気が澄んでいる為か、空の色が、文字どおり真っ青である)
(尚、湿原の木道は峠の木道とは違い車いすを普通に押せるだけの幅が無い。湿原の木道では車いすを持ち上げたり、片輪だけ木道につけて押したりする。)
湿原には、いろいろな花が咲いていました。すでにニッコウキスゲの花は終っていましたが、今は紫のギボシの花がいっぱい咲いていました。
所々に朱色の小さなコオニユリや、巨大で白いウドの花、紫のトリカブトなんかも咲いていました。
湿原の花を眺めながら木道を歩いていきます。
途中でちょっと脇道に入って小川の方に足を向けたりもしました。
長蔵小屋まで来て一寸びっくりしたのは、ものすごい数の燕と赤とんぼがいたことです。
全ての班が長蔵小屋に着いたところで、お弁当が配られます。
長蔵小屋名物の握り飯です。
お弁当を食べた後、ちょっと面白い物を見つけました。
私たちの班は尾瀬沼の横を通って三平小屋まで歩く事にしました。
三平小屋の前でまた一休み。
三平小屋の前からも尾瀬沼と燧ヶ岳がまともに見えて、とてもきれいです。
長蔵小屋まで戻ったとき点呼の時間まで少し余裕があったので、湖のほとりまで行ってみる事にしました。
夕食は長蔵小屋本館の食堂で取りますが、この食堂が結構込むという話だったので、各車いすの人と介護者2人づつは(宿舎である)別館で食事をする事になりました。
夕食後7時00分からビジターセンターでスライドの上映がありました。
8月3日 晴のち雷雨
8月3日は朝5時起きということでした。
朝食に行く為、ぶらぶらと長蔵小屋の本館に向けて歩いていくと、沼や湿原の方がもやがかかってとてもきれいだったので、写真を撮る事にしました。
とにかく美しかった。全体にもやがかかり、風が全然無く、湖にも波一つ無く、山や木が湖に映っている。ほんとに感動しました。
写真を数枚撮った所で、(朝食の時間が迫っていたので)食堂に行きました。
食事を終えて別館間で戻るとS君がイヤホンでラジオを聞いていました。
今から一人でラジオ体操をやるそうです。
出発の支度を整えてから、長蔵小屋の前のやや開けた場所で、全員の集合写真を撮影しました。
湿原の木道を歩きますが、湿原の草花はまだ朝露に濡れていて、そこに朝日があたってきらきら輝き、とてもきれいでした。
湿原をぬけて峠に入る前に一回体制を整えます。
半分ほど登った所からは木道が残っていて、そこから先はかなり楽になりました。
峠の最後の下りの所だけは結構急なので注意が必要でしたが、とにかく無事、峠を下りました。
全ての班が峠を降りた所で、点呼をとり、バスに乗り込みます。
時間になったので、駅のホームに移動します。
幸いなことに、雨が降り出す前に全員電車に乗車できました。(降り出した雨は物凄い勢いでした。)
帰りの電車内でも行きと同じで宴会が始まります。
とにかく疲れたけれど、とても楽しい旅行でした。
会社から集合場所に直行したが、集合時間の20時30分に15分ほど遅れてしまいました。
取りあえず、班員の名前と顔を覚えようとしますが、なかなか覚えられません。(私は人の顔と名前を覚えるのが大の苦手です。)
ここで各スタッフの紹介も行われました。
駅構内の平らなところは、練習の為に、車いすにあまり慣れていない人に押してもらいました。
(ちなみにうちの班のNさん(訓練会に参加していなかった)は、この日初めて車いすを押したそうです。)
この京急でまず、浅草まで移動しました。
途中の通路はやたら曲がりくねっていて、さらに階段が多い。
階段にさしかかるたびに、男四人で車いすを持ち上げていきます。
(ただ、車いすは結構軽かった。乗っていたNさんが小柄だったのと、4人掛かりで持ち上げたためだと思う。)
(通路は狭いので、まだパイプは使いません。)
時刻は22時45分。
トイレに行く人もいますが、ここで多くの人がビールやジュースを買いに走ります。(23時すぎると、アルコールを買えなくなるので)
東武電鉄の浅草駅では電車とホームの間がかなり開いています。
電車に乗るときには、駅員さんが電車とホームの間に渡し板の様な物をかけてくれました。
外はまだ真っ暗。大部分の人はまだ車内で寝ています。
4時前に車外に出てみると、ホームにシートを敷いて寝ている人が何人かいます。(体を伸ばせるのは楽そうだが寒くないのだろうか?この辺までくると、東京とは違って朝はかなり涼しいです)
駅の売店はこの時間でも開いていました。
取り敢えずきのこ蕎麦(舞茸入り)を食べ、弁当用に舞茸弁当を買いました。
蕎麦を食べおわると、そろそろ空が白みはじめてきます。
会津高原駅は文字どおり山の中にあるので、明るくなってくると、あたりにもやがいっぱいに立ち込めているのが分かります。
このころには空はだいぶ明るくなってきました。
もやに包まれた山の中で迎える夜明けというのも結構きれいです。
駅の外に出たところで班毎に点呼を取ります。
ついでに行ける人はトイレにも行きます。(このあと2時間ぐらいバスに乗るので、行ける時にトイレに行っておく)
会津高原駅は少し変わった形をしており、駅を出てから階段になった通路を降りるとバス乗り場になります。
(さすがにこのバスには車いすでは乗り込めないので、車いすに乗っていた人は、抱えられるようにしてバスに乗車します。車いすは折りたたんで2台目のバスのトランクにしまいました。)
そのため、寝不足の人(私も含めた大部分の参加者)はバスの中で仮眠をとります。
会津高原駅は山の中にあるので、駅から出たバスも畑や木々の中ののどかな光景を進んでいきます。
途中何台かのバスとすれ違ういましたが、道が狭いのでなかなか大変だったようでした。
しばらく走ると、本当の山道となり、狭い道に急カーブの連続でガードレールの向こうは深い谷、という結構スリリングな眺めに変わります。
さすがに時間が早いので、売店と新しい方のトイレはシャッターが閉まっていました。
(沼山峠には売店とトイレが新旧2つある。新しい方のトイレは水洗で明るくて清潔ですが、古い方のトイレは汲み取りで暗く、やたら臭い。)
ここで各自用意してきた朝食(弁当)を食べることになりました。(ちなみに私の朝食は会津高原駅で買ってきた舞茸弁当です。味は美味しいけど、朝食にするにはちょっと量が多いか。)
沼山峠の売店の前には、水道があり、ここで靴を洗ったり、水を汲んだり出来るようになっています。
この水が山の湧き水なので、つめたくてとても美味しい。私もここで水筒に水を汲んでおくことにしました。
全員で一度に登るのは大変なので、班毎に別れて、5分間隔で登りはじめます。
登り口のところは小さ目の丸太を使った、比較的きつい階段になっています。
見てみると確かに階段の土の部分がぐちゃぐちゃにぬかるんでいます。
たしかに多少歩き難いですが、特にどうという事はありません。
車いすに結び付けたパイプを持って一歩一歩登っていきます。
木道では、ある程度車いすを押して行けるので結構楽です。(木道には段も結構あるが、段のところはキャスター上げでいく。高い段のところだけ持ち上げればよい。)
日が照っていないので、結構涼しく、非常に歩きやすい。
それなりのペースで峠の頂上までは進みました。
頂上の付近だと木道に段が少ないのでさらに楽になります。
今年も、この休憩所で一休みします。
毎回、この休憩所で一休みして、水を飲んだり写真を撮ったりするのが恒例になっているのです。
この日は、日こそ照っていないが天気が悪いわけではなく、休憩所からは尾瀬沼がまともに見えました。
なかなか感動的な眺めです。
ある程度降りると、いきなり木道が完全に壊れています。
道はえぐれた溝のようになっていたり、赤土が濡れていてつるつるだし、いきなり歩き難くなってしまいました。(「峠道がぬかるんでいるので注意するように」と言われた意味がここに来てやっと分かった。)
取り敢えず新しいさらし布を2本出して、車いすに縛りつけます。
このさらし布を後ろの方を歩く2人に持ってもらい、万が一、車いすを持つ人が足を滑らせても、後ろの人間がブレーキになるようにするのです。(前一人、後ろ一人、ブレーキ2人、他は荷物持ちや及び交代要員という体制です)
木道はこのあたりからずっとしたまで壊れたままで、道はとにかく歩き難かったです。(降りる途中でブレーキ役ををやっていた副班長はぬれた赤土に足を取られて、見事にすっ転びました。)
峠を降りたところ(湿原に入る直前)で、もう一回休みをとります。
また、周りの森のあちらこちらからウグイスの鳴き声も聞こえてきます。(調子に乗ってウグイスの鳴き真似(鳥寄せ?)を行う人もいました。)
(この日も、東京では気温が30度を越えていたらしいが、尾瀬では半袖だと涼しいくらいでした)
(小川では岩魚が群れで泳いでいるのがはっきりと見えましたが、もちろん尾瀬では魚はとれません。)
木道には入山者を数える為のカウンターが設置されていました。
ここの所だけは、車いすを肩の上あたりまで持ち上げないと通れないので、ちょっときついです。
湿原に入ったあたりでは木道はしっかりしていましたが、長蔵小屋の傍までくるにつれ、木道の傷みが目立ってきました。
文字どおり群れを成してあたりを飛び回っていました。
私たちの班は、割と早く着いた方だったので、取り敢えず日陰に移って、残りの班が着くのを待ちました。
大きな握り飯が2個(形は半分潰れている)に、漬物と一口サンマが着いています。
握り飯の包み紙は尾瀬の地図になっていて、各コースの所用時間が記入されています。
この握り飯が(塩味がとっても効いていて)実に美味しい。
ビジターセンターの前に一台の望遠鏡が置いてあり、この望遠鏡で火打岳の頂上が見えるようになっていたのですが、何とこの望遠鏡では燧ヶ岳の頂上にいる人間が見えるのです。
(私はかろうじて人らしき影が動いているのが見えたのですが、見る人によっては服の色までわかったそうです。)
なかなか、とんでもない望遠鏡です。
さすがに疲れていたので、食後に一休みしてから尾瀬沼周辺の散策に出かける事にしました。
長蔵小屋から三平小屋まで続く木道も結構傷んでいました。
尾瀬沼も小屋周辺は富栄養化しているのか、巨大なミズバショウ(もちろん花はない)なども見かけました。
三平小屋に続く道は大体は森の中を通っているので、見晴らしはあまり良くありませんが、2〜3個所開けた場所もあり、そうした所では、尾瀬沼や燧ヶ岳がとても良く見えます。
みんなNさんからかき氷をごちそうになりました。
疲れているのでとっても美味しい。
湖をわたってくる風や、ウグイスの鳴き声もなかなか心地よい。
一休みしている間に点呼の時間が近づいてきたので、長蔵小屋に戻る事にします。
行きと同じ傷んだ木道を通って長蔵小屋まで戻りました。
湖をのぞいてみて驚いたこといものすごい数の岩魚が群れていました。
全然人間を怖がらずに、人影によってきます。
どうも、弁当の残りを岩魚にやる登山客がいるようです。
ほとんど手を叩くとよってくるという、池の鯉状態でした。
私たちは本館で夕食を取る事になりましたが、夕食の20分前に食堂まで行ったところ、食堂の所から一杯に人が並んでいます。
食堂の前から売店の前を通って、風呂場の前あたりで階段を上り2階に上がって更に十数メートルぐらい人が並んでいます。
私たちはその後ろに並びましたが、更に私たちの後ろに並ぶ人もいました。
あんなに並ぶとは予想もしていませんでした。
(私は食後すぐに寝てしまいましたが)何人か見に行っていたそうですが、結構面白かったということでした。
(主に尾瀬の自然や花や動物についても教えてもらったそうです。)
起きれるかどうか心配でしたが、無事に目を覚ましました。(私は自分では気がつきませんでしたが、大きないびきをかいて同室者を閉口させたらしい。翌日だいぶからかわれた。)
食堂の前は夕食のときとほぼ同じような感じで、やはり2階に上がって十数メートル行列していました。
成り行きでその場にいた十数人でラジオにあわせてラジオ体操を行なうことになりました。(もっとも、普段ラジオ体操をやっていない人ばかりなのでだれも正確には体操を覚えていなかったが)
何しろこの先の登りの道は、壊れていて、ぬかるんでいて、溝のようになっているから、注意が必要です。
取り敢えずさらしを2本車いすに結び、このさらしを先行する2人が持って引っ張ります。
(前一人、後ろ一人、引っ張り役2人、他は荷物持ちや及び交代要員という体制です)
足場が悪いので、登りもかなり重労働になりました。
(雨も降っていないのに地面がぬかるんでいるのは不思議だったが、登っている途中でその原因が分かりました。道の真中に小さいけど湧き水がわいている。これじゃ道がぬかるむのも当然である。)
例によって頂上で一休みしてから、峠をくだります。
途中で何処かの中学校の修学旅行?の団体とすれ違いました。
なにぶん、向こうの人数が多いので立ち止まってやり過ごすのに結構時間がかかったように思います。
(でも、その分立ち止まって休んでいる時間が長くて楽っだったかもしれない。)
取り敢えず、峠の売店で一休み。みんなでジュースを飲んだりお土産を買ったりしながら、後続の班の到着を待ちます。
(この時間だと、新しい方のトイレも開いているのがうれしい)
バスで会津高原駅まで下りると、(天気がいいせいか、今まで涼しい尾瀬にいた為か)結構暑く感じます。
適当に日陰を探して、ここで昼食を摂ります。昼食は舞茸弁当でした。
食事の後は電車の時間まで一休み。
あと2分で電車が来るという時間になって、いきなり物凄い雷鳴が響きました。
(さっきまではあんなに天気が良かったのに、山の天気は変わり易いというのは本当である)
ただ、行きと違って用意した缶ビールの数が少なかったようで、駅に着くたびに、停車中に売店まで走っていって缶ビールを買ってかえろうとする人が出ます。
(乗り遅れた人は出ませんでしたが、なかなか買えないようでした)