diary
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2004/03/15(月) 「MADLAX」と「FictionJunction YUUKA」
さて、少し前になりますが、
四月から放映のアニメーション「MADLAX」の音楽をほぼ作り終えました。
作品の方は、何を書いてもネタバレになってしまいそうで‥‥作中BGMも、「こんな感じで作りました」と書くこと自体ネタバレになってしまいそうで、作品共々お楽しみ頂ける事を祈っております‥‥としか申し上げられませんが、個人的に頂く本がとても面白くて、続きが気になって仕方がありませぬ。どうなるんだ〜〜!
まずCDの形で皆様に聴いて頂けるのは、5/8発売のFictionJunction YUUKA のシングル、「瞳の欠片」でしょうか。YUUKAさんと音を作らせて頂くのは昨年の「暁の車」以来になりますが、彼女の声は私の「好み」どんぴしゃなんでございますよ。聴いているだけで切なくなるリリカルな声。暁の車の時も、歌い手さんに限定がなかった状態であったからこそ彼女を呼びました。
このFictionJunctionプロジェクトは、「梶浦プロデュース」ではございません。梶浦由記プロジェクト、と言った方がいいのかな。彼女の為に書いている曲ではありません。あくまで梶浦由記の曲を‥‥当然作品に付随した曲である以上、「梶浦由記」以外に作品世界に寄った要素もずいぶんと入っては来ますが‥‥表現してくれる歌い手さんとして、YUUKAさんと一緒にやっている、という関係です。きっと彼女の為に、彼女の魅力をもっと魅せたい、もしくは彼女の音楽的好みを重視して音楽を作れば全く違う形になってくるのでしょうが、このプロジェクトではそういう形を取るつもりはありません。(そうするとしたらFictionJunctionを取って「YUUKA」だけでやるでしょうし)プロデュースにはプロデュースの別途の楽しみがあり、自分プロジェクトの楽しみとは全く違う感じでございますね。
YUUKAさんとの歌録りはなかなか面白いです。いつもニコニコ微笑んでいる(というか箸が転げても可笑しいらしいYUUKAちゃん)彼女のパーソナリティーは、FictionJunctionのどちらかと言えば暗めな歌詞世界とは、かなり接点無い気がします(笑)。でも歌っちゃう。録音ブースの中でがっつん歌い上げてるYUUKAさんの歌声に聞き惚れ、ブースから出てきたにこにこYUUKAちゃんと出会うと、さすが女優さんと申しますか。何故あんなに明るい性格なのに、声があんなに哀しいのか(笑)。何より「その曲」の持つ雰囲気や感情を掴む能力がピカ一。さっと聴いた瞬間に、歌詞の内容とかメロディーがマイナーかメジャーかとか‥‥そういった理屈の部分より、本能で彼女は歌を掴んでいるという気がしますね。尤も歌い手さんが歌を「掴む」やり方は色々で、どれが優れている劣っているという話ではなく、彼女は本能で、理屈でなく歌をげっちゅーして行くタイプなんじゃないかな、と。
元々彼女との初めてのお付き合いは舞台で、今回の歌録りでも半ばふざけて「そこでピンスポ当たって散歩前に出て歌う感じ、間奏開けで照明はオレンジから一転してブルー、背景の役者さん達はストップモーション! な感じでお願い(笑)」なーんて「舞台設定遊び?」をしてみたら、あまりに鮮やかに歌い方が変わり、さすが元舞台の方。と舌を巻いてしまう1幕もございました。
5/8発売シングルのカップリングは「nowhere」という曲。これはおそらく作品中で挿入歌として使われる‥‥筈の‥‥曲でございます。また、今回の作品では、作中のBGMでもYUUKAさんに数曲歌って頂いています。そういう意味では今回のサウンドトラックは、梶浦由記+FictionJunction YUUKAとも言えるのかも。作品内BGMで、そしてシングル、カップリングで、また今回のシングルには収録されませんが、作品のエンディングで、YUUKAさんの歌声を堪能して頂ければと思っております。
FictionJunction、梶浦由記プロジェクトの活動は、どういう形でかは分かりませんが、FictionJunction単体として、あるいは今回のように他のどなたかをフィーチャリングした形で、地味に(笑)続けて行ければいいなあと思っております。いつかこっそり自主制作版なんかも出せたらいいなあ。また、今回YUUKAさんに加わって頂いた形での「FictionJunction YUUKA」としても、この先もっと色々やって行きたいなあという気持ちがございます。「やりたいやりたい」な話ばかりで申し訳なくもありますが、とりあえず今回の「FictionJunction YUUKA」プロジェクト第二弾、作品「MADLAX」と共に可愛がって頂ければと祈るばかりです。