「シャトー・トロタノワ」1985年
12月第三日曜日は自宅でクリスマスパーティを開く、というのが毎年恒例となっていますが、その際は一応鳥肉をメインに新しい料理に挑戦することにしています。もっとも今年は時間もなく、全然準備不足でした。用意したワインは以下の通 り。
フランチャコルタ・ブリュット1998年 イタリアのシャンパーニュ方式によるスプマンテ。ナッツ香。ボティあり。ミネラル感も充分。
エイドシック・モノポール・ブルートップ 正統派のノンビンテージ・シャンパーニュ。柑橘系の香り。キレ良い。
クロ・デュ・ヴァル・カベルネ・ソーヴィニヨン1998年クリスマス仕様 ボトルの裏にスノーマンの浮き彫りあり。フルボディだがなめらかな舌触り。コクのあるカベルネ。
シヤトー・トロタノワ1985年 果実感あり。あまり熟成は感じさせない。まだ若い印象。植物系の香り。甘い含み香。余韻あり。
トカイ・アスー・3プットニュス Yさんの持込み。輝く琥珀色。ハチミツ香。甘味がありながらもベタつかずすいすいと飲める口当たりの良さ。
I田さんはウォッシュチーズの代表選手、モンドールを持参。今の時期しか食べられない熟成タイプのチーズです。キャビアと共にパンにのせて食べるとまさに絶品、フランチャコルタとの相性も完璧であります。I藤さんは自家製のサラダを持ってきてくれましたが、その中の砂糖漬けのミニトマトがまた不思議な味わいで印象的でした。今度自分でも作ってみよう。お酒入りで。
定番の鳥肉料理、今回はミニターキーのローストとコック・オー・ヴアンを用意。七面
鳥は大きすぎてうちの小さなオーブンには入りきらないのですが、伊勢丹でたまたま手頃な大きさのミニターキーを見つけたのでこれをローストすることに。コック・オー・ヴァンは本来漬け込み・煮込み・寝かせと三日間かかる料理なのですが、愛読する石鍋シェフ著の「フランス家庭料理」の本に短時間で出来る「鶏のフリカッセ、フランボワーズ風味」が紹介されていたので、このレシピを参考にすることにしました。これは本来白ワインとフランボワーズで作るのですが、代わりに赤ワインで代用。生クリームを加えてなめらかな味に仕上げてみました。ちょっと鳥肉が柔か過ぎたかなと思ったのですが、いい具合にトロトロになってまあまあの仕上がりに。ミニターキーの方はやや鳥肉に比べてぱさぱさしていたので、こちらも煮込みのソースを加えると丁度よいという感じ。
合わせたのは一応今日のメイン、「シヤトー・トロタノワ85年」。ポムロールでは「シャトー・ペトリュス」「ル・パン」に次ぐ銘柄で、いつかは飲んでみたいと思っていたのですが、運良く85年物を手に入れることができたのでさっそく空けることにしたのでした。「トロタノワ」は元々「トロ・アンニュイ」(ほとほとうんざりした)と呼ばれていたらしく、それはこの土地が厚い粘土と砂礫から出来ているため雨が降った後コンクリートのように固くなってしまうからだそうです。メルロ90%ということで、非常に柔らかい味わいでしたが、「ペトリュス」同様、デカンテーションしてもすぐには開かず、少しずつグラスの中で香りを変えていくところが印象的でした。最初は青っぽい香りだったのが、段々果
実香の方が勝ってくるのです。20年近い熟成期間にも関わらず、あまりムスク香を感じさせないところがピノ・ノワール主体の銘柄とは違うところかも。
デザートは本来なら自家製ケーキで締めくくりたかったのですが、準備することができませんでした。そのかわりTさんが素敵なブッシュド・ノエルを持ってきてくれました。
やっぱりクリスマスはブッシュド・ノエルに限る!
エンディングはこのケーキとYさん持込みのトカイワインで。トカイの貴腐は樹脂的な風味のあるフランス物や果
実味の強いドイツ物とはまた違った独特の味わいがあります。よりハチミツ香が際立ち、どこか花のような香りがあって、甘いものとの相性も良いようです。