「ラ・グラン・ウルス」2007年
ある雑誌のワイン特集で気になったのが「ジャケ買いワイン特集」。ワインはなんだかよく分からない産地や品種、生産者名なんかで選ぶ必要はない、面白いラベルで選べばよいのだ! というのがテーマ。実際、面白いというか、センスのあるラベルのワインは確かに味も良い気がします。このホームページで選んでるワインにしても、やれムンクの「叫び」であるとか、ボートを漕いでいるクマさんとか、面白い中にもどこか主張のあるラベルのワインは確かに美味しいのでした。雑誌の特集でも、怪獣のようなイラストのラベルのジンファンデルとか、天秤を描いたシンプルなニュージーランドワインとか、面白そうなワインが色々と紹介されていましたが、いずれラベル特集でワイン会などやりたいものだと思っています。
さて、今回ご紹介するのも、何よりもまずラベルが印象的なワインです。白地に黒のモノトーン、シンプルに北斗七星が描かれ、その下に無造作に「ラ・グラン・ウルス(大熊座)」の手書き文字。こんなラフなラベルのワインはアメリカかニュージーランドか……と思わせますが、実際はフランスは南ローヌのワインでした。殆ど無名の造り手、パスカル・シャロンの作る年間2400本の手作りワイン。しかも五反田のお店でなんとマグナムボトルで頂きました。何でも電話も通じないおばあちゃんの倉庫を改造して作った醸造所で造られた文字通りのガレージワインだそうです。結構ガチガチにおカタい印象のあるフランスワインの中では、かなり肩の力の抜けたアットホームな雰囲気のあるワインです。
お味の方は……一見シラーかと思わせるほどスパイシーな味わい、しかしじっくりと飲んでみるとシラーほど刺激は強くなく、果実味が豊かで後味はまろやか。グルナッシュ、シラー、ムールヴェードルのブレンドだそうで、ブレンドワインらしく複雑味と親しみやすさが同居した味わいに仕上がっていました。