「シヤトー・デ・ジャック」99年
「ソムリエ」という漫画では、ある著名な彫刻家が店にやってきて、出された「シャトー・ラトゥール」を「渋い渋い、まずいよこのワインはぁ」と言うシーンがあります。主人公はそれに答えて、ボージョレはいかがですか、と勧めます。「ボージョレだって?」と顔をしかめる他の客達の視線を尻目に、彼は見事彫刻家を納得させるのですが、その時出されたのはヌーヴォーではなくて、90年物のシャトー・デ・ジャック。
ムーラン・ア・ヴァン村のクリュ・ボージョレの随一の生産者「シャトー・デ・ジャック」は、遅摘みした葡萄を長期間かもし発酵し、濃密なワインを造る、のだそうです。以前から飲んでは見たいと思っていたこの「シヤトー・デ・ジャック」ですが、今回ルイ・ジャド社の物が手に入ったので、早速「三鷹休日講座」の打ち上げで開けることにしました。
どうせならヌーヴォーと比較して見たいと思っていたところ、H氏が丁度某社の「ボージョレ・ヌーヴォー」を持ってきてくれていたのでした。今年のヌーヴォーは比較的出来が良いことになっています(同席していたSさんは今一つ賛同しませんでしたけど)。実際、私も事前にブシャール・エイネ社のボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォーを飲んで「結構いいかも」と感じていたので、今回の99年物シャトー・デ・ジャックはもちろん良いのだけど、まあまあかな、などと不遜にも思ってしまったのでした。
ちなみに同じ銘柄の白もあったので、こちらも開けました。
「シャトー・デ・ジャック・ボジョレー・ヴィラージュ・ブラン」98年。非常にしっかりとした味の白で、むしろこちらの方がお奨めかも。