「12月の独り言」
12月30日
東京ビッグサイトでコミックマーケット63。新刊「冬の日の幻想Part.7」を引っさげての参加なんだけれど、今回は3日体制の最終日で、いつも同じ日だったサークルさんの殆どが前日だったこともあって、なかなか知り合いも訪れず淋しいかぎり。そうはいってもまとめ買いをしてくれた人もいて(やはり知り合いだったりするんだけれど……)、最盛期には及ばないもののまずまずの売り上げ。
久し振りに(というか落語の会で会ったばかりなんですが……)「ご意見無用」サイトのSさんが来訪。次回の落語の会の参加者を募っているとのこと。とりあえず店番の協力をしてもらったのですが、あっという間にお客さんをゲット。
「今の方、知り合いですか?」
「いいや、単に目が合っただけ」
「すごいですね!」
「本の販売している途中なのにソウヤーなんか読んでちゃダメなのよ」
……確かに。このところ私は即売会で席に座っているときは文庫本を読んでいるか居眠りしているかのどちらかなのだ。この日もダン・シモンズの「エンディミオン」とロバート・J・ソウヤーの「イリーガル・エイリアン」を持ち込んで読んでいたのだ。そのままうとうとしていて買いに来た人に起こされることもしばしば。「売る気がないではないか!」と言われても当然なのであります。でも休みに朝早く起きる時点で既に疲れ果
てているので……ぽりぽり。
その後いつも来る知り合いも来ないので、終了と同時に新橋に引き上げて「和民」でSさんと軽く一杯。Sさんにはしっかりもののお姉さんがいて、「これこれこういう小説が書きたいからお前書け」と言われて「はい」とその場で小説を書いて渡したりしていたのだそうな。凄い姉妹関係だなあ。店番をしてくれたお礼に私がおごるという約束だったのですが、気が付いてみるとおごられていた。どうもすいませんです。
12月21-23日
21日は日比谷にて創元推理倶楽部の忘年会。あいにくの天気で外へ出るのも面
倒臭かったけれど、取りあえず部屋の掃除と明日の準備のための買い物をした後に銀座へと向かう。
前々回はあんまり人が来ていなかったけれど、今回はさすがに年末恒例とあって40人近いメンバーが集まりました。久々に知り合いの作家さん達と再会。「六枚のとんかつ」(文庫判でイラスト描かせて頂きました)の蘇部健一さんや「ダブ(エ)ストン街道」の浅暮三文さんといったおなじみのメンバーに加え、「匣の中の失楽」の竹本建治さんにもお会いできました。アシストして以来5年ぶりくらいでしょーか。竹本先生、またマンガ執筆のおりにはお声を掛けて下さいまし。
日比谷バーでの二次会の後、カラオケルームへ。何度か舞台を観に行っている斉藤出海氏や迫水由季さんの熱唱を聴くことが出来たのは貴重な体験でした。迫水さんは舞台で悲劇のハンサム役を演じるときとはまた違ったノリで面
白かったです。アニメソングと演歌がかわりばんこに出てくるというのもこのグループならではですな。
四次会にも誘われたのですが、翌日は朝からパーティの準備があるので残念ながら辞退。竹本先生とゆっくりお話できるチャンスだったかも知れなかったのですが、ちょっと疲れてたし。それに最近あんまりミステリ読んでいないから話についていけないかも。「2003年版このミステリがすごい」を買ってみたけれど、読んだ本なんか一冊もなかったし……。
22日は自宅でパーティ。空想小説ワークショップのメンバーを呼んでの毎年恒例の自宅ワインパーティであります。
今回はクリスマスケーキに挑戦しようと考えたのですが、普段から作り慣れている訳ではないので、当然のことながら悪戦苦闘。ちゃんと前もって本の中のレシピを読んでいたわけではないので、適当に材料を買ってきておいたもののかなり足りないことが当日分かったりして。ビスケット状のブロックを組み合わせて作る「クリスマスハウス」は、前日から生地を寝かせて置かなくてはならないことが分かり断念。シュークリームを重ねて作る「サンタクロース」は粘土のようにこねることができる「マジパン」とやらが売ってなくて無理。定番の「ブッシュ・ド・ノエル」はロールするスポンジを作るための四角い天板がなくて挫折。結局、スポンジにバタークリームで仕上げるわりと簡単そうなホワイトケーキを選ぶ。
スポンジにオレンジリキュールシロップをしみ込ませ、同じくリキュールを混ぜたバタークリームをサンドし、表面
に薄く塗った後色をつけたホイップクリームを周囲に塗って、上から字を描き、周りにあめ糸を飾るというもの。これに本来ならホワイトクーベルチュールで作ったフリルを飾るのですが、クーベルチュールが売っていなかったのでこれは省略。なんとなく簡単そうに見えたんだけれど大間違い。バターと卵黄がうまく混ざらず、間に合わせのデコペンで字を書こうとしたら全然うまく書けない……しかも失敗したところは元に戻らないし。あめ糸はグラニュー糖と水あめを溶かして、それを泡立て器ですくって固定した棒の上で左右に振って作るのですが、これが全然うまくいかない。さんざっぱら台所の壁を汚して、しかも申し訳程度にクモの巣レベルの糸がちょこっとできただけ。当然使い物にならないのでした。写
真では簡単そうだったんだけどなあ。おまけにグラニュー糖を入れた容器をひっくり返してそこらじゅう砂糖をまき散らし掃除をするはめに。とりあえずケーキの形にはなったのですが、直径15センチのささやかな殆どなんの飾りもないケーキを作るのにぐずぐずと5時間近くもかかってしまったのでした。やはり洋菓子教室に行くしかないか? しょうがないのでケーキについては事前に電話をくれたTさんに本場のブッシュ・ド・ノエルを頼む。来年こそは自分で作るぞ……。
ちなみに仕上りはこんな感じ。となりの「ブッシュ・ド・ノエル」はお店で作られたものなのであしからず。
結局料理の方は準備らしい準備もできなかったのですが、まあ毎年同じようにローストチキンを作っているのでそちらの方はまあ慣れたものです。今回用意したものはローストチキンのクリームソース添え、チキンの蒸し焼きオリーブ風味、そしてラムのライスボール。前回ワインスカラのプレステージランチで出てきたものを見様見真似で作って見たのでした。もっともあんまりうまくいかず、オーブンに入れて焼いた段階で殆ど崩れてしまったりして……。後から聞いた話では、もっと強く固めて、網の上で焼きながら後から醤油を塗った方が良いとのこと。もっかい挑戦しよう……。ワインについてはこちら。
手前が毎度おなじみのローストチキンで、右側がチキンの蒸し焼きオリーブ風味。オリーブ風味のやつは本来は鴨を丸ごと1匹使うものなのですが、手に入らないのでチキンで代用。でもこれやはり本来は鴨でなくてはいかんのでしょうな。オリーブの強い旨味にチキンのあっさり味が負けている感じ。
今回は参加表明のメールがぎりぎりまで来なかったので「いよいよ企画倒れか?」と思ったのですが、結局九人が集まりいつもながらにぎやかなクリスマス(2日早いか?)を過ごすことが出来たのでした。次回のパーティの時にはぜひともオリジナルケーキとカクテルを出せるよう修業しておこう。
23日は新宿で映画の会。K氏の主催する「ジュテーム・ラ・シネマ(通称ジュラシネ) 」に飛び入り参加し、武蔵野館で「マイノリティ・リポート」を観ました。K氏は職場が確か山形でそっちに住んでいるのですが、前々日も創元の忘年会で会ったばかり。なんでも前日の22日は仕事があったので、土曜日の夜に地元に帰ってから、また月曜の朝に東京に来たとのこと。うーん大変だなあ。映画の方はディックの原作に後半かなり手を加えていて、ある意味定番の「スピルバーグ落ち」なのですが、中盤までのどこか不健全な未来描写 はある意味「A.I.」以上にキューブリック的。主人公が目の手術を受けるシーンなんかは、「時計仕掛けのオレンジ」に出てきたあの強制的に映画を見せる機械を思わせるなあ。詳細はこちらで。
12月14-15日
14日はワインスカラのチーム2000の定例会。今回のテーマは「ニュイVSボーヌ」。神楽坂のフレンチ「サンファン」にて、コート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌのワインを持ち寄っての忘年会であります。本当ならこの日は既に同人誌の入稿も年賀状のデータも上がっている予定だったのですが、なんとどちらもできていない。しかしワインの会は休めない、ということで要望のあった「ドミニク・ローラン」と「ブース・ドール」の二本を持って行く。結局空けたのはヴォルネイのブース・ドールの方でした。詳細はこちら。
15日は同じくワインスカラのブレステージランチ。テーマは「ブルゴーニュの古酒」。なんと二日続けてブルゴーニュ三昧。贅沢もいいところだ! 場所は表参道のフレンチ「ポワロ」。70年代のルロワの「ヴォーヌ・ロマネ」というなかなか手に入らない銘柄もさることながら、料理の方もなかなか老舗のお店だけあってかなり凝っています。ウニの殻にグラタンを詰めたものとか、骨付きラムをご飯で包んで焼きおにぎり風に仕上げたものとか、とにかく手が込んでました。
ウニを材料にして作ったグラタンが、ウニの殻に詰められていて、それをスプーンですくって食べるという、味だけでなく見た目にも贅沢な逸品。なかなかウニを殻ごと売ってはいないと思うので、ある意味簡単そうだけれど作りにくい料理ですねえ。
こちらはラムの骨付き肉をご飯で包んだもの。いわゆる「焼きおにぎり」なのですが、これがなかなか凝っています。ご飯にもクルミをすりつぶしたものが混ぜてあって実に香ばしい。「どうやって作るんですか?」と思わず尋ねたところ、ラップでにぎった後しばらく冷まして置くのがコツらしいのですが、それ以上は企業秘密なのだとか。実は後日マネしてみたのですが、オーブンでローストした段階でもろくも崩れてしまったのでした。う〜ん難しいものだ!