「1月の独り言」
この日は当初の予定では、E氏宅にてH氏所有の「シャトー・ムートン・ロートシルト90年」を飲もうという素晴らしい企画だったのですが、E氏の事情により急遽中止。こちらはワインやらハムやらチーズやらを買っていたので、どうしたものかと思い、結局うちで新年会をすることになりました。
シャンパーニュ「ラサール」、オーストラリアの「コールドストリーム・ヒルズ・カベルネ・ソーヴィニョン1998」や、カリフォルニアの「レイル・ヴィンヤーズ1999」などのワインを空けながら、手作りのニョッキ、ラムの香草焼き、エビとホタテのクリーム煮などを作りました。ハンモ・イベリコも用意していたのですが、H氏も同じものを用意していたのはびっくり。お陰でちょっとタイプの異なる2種類の味が楽しめました。
1月10日(月)
江戸東京博物館へKさんと「水木しげる」展を観に行きました。考えてみると、私の漫画体験の主軸はあくまで「手塚治虫」であり、水木作品は「墓場の鬼太郎」「悪魔くん」を中学生の頃本屋で立ち読みしたことと、第二シリーズにあたるテレビアニメの再放送を夕方観ていたくらいのもので、蔵書もないという有様。京極夏彦氏が「怪」に「巷説百物語」を連載した頃、相当影響を受けたことを書いていたのと、同じ頃テレビアニメで京極夏彦自身がキャラクター設定と声優を務めた「言霊使いの罠」の回を観て、そうか凄い人なんだと再認識はしたものの、それっきり特に本を買い漁ったりしないまま今日に至っています。機会があればちゃんと見直したいものです。
同展に合わせた企画で、水木氏絶賛という1960年頃のロシア映画「妖姫の棺」(……確かそういうタイトルだったと思うんだけど、ちょっとうる覚え……)も観ました。主人公の神学生が、妖怪達を従えた魔女に狙われ、やがて殺されてしまうという話なんですが、中盤の展開がややもたつくので途中で寝てしまい、いまいち話の流れについていけなかったのでした。
その後渋谷に出て、イメージフォーラムでカレル・ゼーマン「悪魔の発明」「ほら男爵の冒険」を続けて鑑賞。小さなシアターなんだけど、偶然空想小説ワークショップのSさんと入れ替わりに。そもそも同じワークショップのサイコドクターことK野さんがホームページで褒めていたのがきっかけではあったのですが、世間は狭いなあと思わず実感。ゼーマンはチェコのアニメーション作家で、今回の2作品は1960年頃の実写
とアニメーションを合体させた映画。実写の人物達の乗り物が絵だったり、コラージュの様な手法を使っていたりと、さすがトルンカやヤン・シュヴァンクマイエルを世に送り出したお国柄、なかなか映像的に凝っています。ただ最初に観た「悪魔の発明」はモノクロで、話も分かりにくいのでまたしても途中で寝てしまいました。新年早々全然だめじゃん。次に観た「ほら男爵」はカラーで、かつ分かりやすい展開なのでそれなりに楽しめましたが。
1月14日(金)
職場で内輪の新年会。銀座のワインと料理のお店「グレープガンボ」にて。白ワインの「プイイ・フィッセ02年」「アルザス・ゲヴルツトラミネール01年」、赤ワインの「オーストラリア・シラーズ」「ラファネッリ・ジンファンデル01年」、デザートワインはオーストラリアの「トルブレック03年」を注文。特に2本目の「ビルトストックル」のゲヴルツトラミネールは、黄金色の輝きに文字通
りライチの香り、それでいて口当たりはドライでコクがあるというなかなか印象深いもの。なかなかここまでパワフルなアルザスワインというのは珍しいんじゃないかしら。その場のメンバーでも一番人気だったように思います。お料理の方も、アワビダケのソテーや鴨肉などどれも美味しかったのですが、特に良かったのがアナゴとフォアグラのソテー・パルサミコソース。こってり系の組みあわせと思いきや、パルサミコの若干の甘味と酸味がさっぱり感を与えてくれるようで、思わずこれは「自分で作りたい!」とレシピを聞いてしまったほど。
一人一万八千円……いや半分以上は私が選んだワイン代なんですが、四人で五本も空けることになろうとは思わなかったものですが、はい。
午後7時から12時近くまで粘ってしまい、気が付いたら終電終わってるし。翌日昼からワイン会だっていうのにまったく我ながらしょうがない……。
1月15日(土)
六本木の教室を使って、ワインスカラの新年会。2000年に受験講座の時講師をして頂いたK先生が、一歳半になる娘さんの玲於奈ちゃんを連れて嫁ぎ先の英国から一時帰国されていたので、久し振りに先生を囲んでのランチ会。ランチと言ってもワタシの持ち込んだ「ムートン97年」をはじめ、「レ・バゴド・ド・コス97年」「シャトー・セルタン・ジロー95年」「オーパス・ワン91年」「クルーセル・ロック・コート・ロティ96年」「シャトー・パヴィ・マッカン94年」「ボンヌゾー2000年」といった美酒が持ち込まれ、教室の向かいとなりのフレンチ「ブルギニヨン」からはエゾジカのパイと魚介のフライが持ち込まれるという、実に贅沢な飲み会となりました。
歩き始めたばかりの玲於奈ちゃんは、そこら中を走り回ってはI先生の犬の耳をひっぱったり、同じ歳の男の子の髪の毛を引っ張って泣かせてしまったりとなかなかのやんちゃ振り。はしゃぎ疲れて会の最後には寝てしまいましたが、文字通
り人形みたいな可愛らしい寝顔だったので写真を撮っちゃいました。さすがに許可を貰っていないので残念ながらここには載せられませんが。
食べ残しのワインと食事はそのまま持ち帰らせて頂きました。お陰で翌日の夜までワインとご馳走三昧でした。
1月22日(土)
この日は自宅でチーズ・フォンデュ・パーティ。新年は鍋でもやりましょうと言っていたら、IさんとYさんがフォンデュ鍋を持っているということになり、さっそく物は試し、やってみようということで。
Yさんがフォンデュの作り方をメールで送ってくれたので、それに基づいて準備。スイスのハードチーズ、グリエールとエメンタールを同量
ずつ刻んでおき、白ワインを300mlほど温めておいた鍋に少しずつ加え溶かしていきます。これにナツメグとキルシュ(サクランボの酒)を少々加えて完成。鍋で加熱しながら、四角に切ったパンや煮た野菜、ハムなどをスティックに刺してチーズをからめていただきます。寒い地方で保存食だった硬いチーズを美味しく食べて暖まろうという知恵ですね。
やはりワインもスイス物が良いだろうとおもったのですが、渋谷東急本店でも新宿伊勢丹でもスイスワインは見つからず、結局インターネット販売で購入しました。この際やってみようと「グレープ・ガンボ」で食べたアナゴとフォアグラのソテーにも挑戦したのですが……詳細はワインのページで。
1月31日(月)
忙しい時でもワインの飲み会となるとついついのこのことついていってしまうのでした。まあどうにもならない時はしょうがありませんが。
この日もたまたま予約していたにもかかわらずキャンセルの人が出たので、とお声がかかり(言ってみれば交替要員)、中目黒のイタリアン「La
Luna Rossa」へ。普通の住宅街にぽつんと目立たなくある店なので、ついつい通
り越してしまい集合時間に遅れました。
イタリアンということで、当然ワインもイタリア系。カンパーニャの白「グレコ・ディ・トゥーフォ2003年」の瓶が既に注文済みだったので、さらに何か面
白いものはないかと思い、前回「グレープガンボ」で結構驚いた「ゲヴルツトラミネール」があったので思わず注文。アルト・アディジェの白「ホッフシュテッター・ゲヴルツトラミネール2002年」。色合いは前回のアルザス物ほど濃厚ではないものの、輝きのある黄金色で、こちらも確かにライチの香り。甘い風味の辛口ワインでした。趣味で選ばせてもらったカンパーニャの赤「タウラジ1999年」は、「グレコ・ディ・トゥーフォ」と同じ作り手のもの。
当日白2品はラベルを持ち帰ったのですが、赤はうまくはがれないとのことで、後で郵送してもらうことに。名刺を渡したものの、果
たして送ってくれるものなのかしらと思っていたら、しっかり後で職場に届きました。う〜ん律義だなあ。