「8月の独り言」
8月20日(日)
同じく2年前にCWEを取得したF氏と、他の職場の知人達を自宅に招いてワインパーティ。6人で7本半(一本はハーフボトル)。空いたワインは「シャンパーニュ・マム・ド・クラマン」「ボランジェR.D.1995年」「ウヴェ・シュピーズ・リヴァナー・クラシック2003年」「ニコラ・ジョリイ・クロ・ド・ラ・クーレ・ド・セラン1999年」「トゥア・リタ・ジュスト・ディ・ノトリ2003年」「シャトー・キルヴァン1973年」「ドミニク・ローラン・シャンベルタン1998年」「モーゼル・リースリング・アイスヴァイン1983年(ハーフ)」。
さすがに酔っ払い、後半料理が出来ませんでした。結果としてメインディッシュにまで至らず。用意していた鴨肉とラム肉は、後日自分一人で食べました。
8月9日(水)〜14日(月)
いつもは夏場には何とか時間をひねり出して、昨年はイギリス、その前はスペインという風に、一人海外旅行をしていたのですが、今回はタイミングを取るのに失敗したので、海外は断念してお盆休みを長めに取得。帰省する人も多い関係上休みやすいものの、とてもチケット抑えられる時期ではないと思い、東京で過ごすことにしたのでした。
一日目はまずは部屋の掃除だ! と気合いを入れてはみたものの、見事に挫折……というか何にもする気が起きない。天気も悪いし……ということでマンガとか読んでるうちに部屋の汚いまま早くも一日目終了。話題の「ハチミツとクローバー」0巻(!)から9巻まで読破。これで一応、今話題の少女漫画「NANA」「のだめカンタービレ」「ハチミツとクローバー」の3作品は一応目を通
したわけです。断トツで売れているのは売り上げ3000万部の「NANA」でしょうが、どこか不健康な描線に魅かれるものの話の方は後半よく分からないし、やはりここはクラシック音楽をネタにとことん読ませる「のだめ」がベストでしょう! 「ハチクロ」は「登場人物全てが片思い」というある意味定番中の定番を徹底させているところが人気の秘密なんでしょうが、やはり変態チックな藤原マリオ(毬男)&ルイジ(類二)兄弟とか、魁!クロマティ高校風の魁生優子ナースとか、唐突に登場するハリウッドのピーター・ルーカス監督とか、そういうちょっと場違いな脇役キャラの方が印象的だったりして。
これではしょうもないので、二日目は映画三昧で行こう! と、暑い中新宿に繰り出し、「パイレーツ・オブ・カリビアン・デッドマン・チェスト」「Mi−III」「カーズ」の3本を続けて観る。邦画を除く週間興行成績ベストテンの作品ですが、それぞれ楽しめる要素があって面
白い。妙に斜に構えていないので、3本続けて観ても疲れないのさ! 「パイレーツ」はジャック・スパロウを演じるジョニー・デップ
の魅力が全て、というか思い切り「続く!」なので評価はしずらいですが。もっとも「スター・ウォーズ」三部作も、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」三部作も、いかにも「続く!」というラストになる二作目が一番物語が変化に富んでいて楽しい、という気もするので、これはこれで。「Mi−III」はハリウッドのアクション映画のスタイル、最初の30分でこうなって90分目でこうなって……という定石に非常に忠実に作られていましたね。その意味では意外と真面
目に作られてます。「カーズ」は、今回人間のキャラクターが全く出てこない点で、多分人気は今一つでしょうが(「モンスター・インク」も「ファインディング・ニモ」も、その意味では脇役の人間の子供キャラが結構ポイント高かったので)
、それでもラストを単純に「勝利!」で終わらせなかったところは、「さすがピクサー!」でした。
さあ翌日も映画三昧だ〜と思っていたら、親戚の伯母が突然亡くなったので、急遽お通
夜へ。昼間恵比寿ガーデンシネマで「ローズ・イン・タイドランド」を観てから(これは正直、一本でお腹一杯! 満足度が段違い!)、一度家に戻り喪服に着替えて通
夜に参加。夏用の黒い背広を持っていないので、暑いのなんの。
翌日は渋谷ユーロスペースで「年をとった鰐&山本浩二セレクト・アニメーション」を鑑賞。「年をとった鰐」は、「頭山」でアカデミー賞にノミネートされ話題になった山本浩二氏の短編アニメーション。「ぴあ」には「わずか13分のアニメーションなのに、ここには、あなたがこれまだの人生で経験してきた、ありとあらゆることが描かれている」と絶賛されていたので観に行ったのですが、ただ「年をとった鰐」が「ひたすら食う」という話なので、これは感動物というよりはブラックなショートストーリーと感じてしまった私は少々ニブイのでしょうか。その後ビッグサイトのコミックマーケット二日目に顔を出し、知り合いの本を買って、そのまま秋葉原の打ち上げへ参加。
その次の日は朝から再びビッグサイトでコミックマーケット三日目。東館のスペースで同人誌販売。新刊「ブラン・ルージュ2」は殆ど売れず……とはいっても昨年夏を上回ってはいるので、まあ良しとするかな。朝からわざわざ手伝いに来てくれたYさんを含め、総勢八名で銀座で打ち上げ。
お盆休み最終日は自宅で「Via
Vino」3回目の冊子のための原稿書き。テーマは南仏ワイン……のはずが、シャトーヌフ・デュ・パプ→教皇のアヴィニョン捕囚→アルビジョワ十字軍とラングドックの破壊……と色々調べるうちにハマってしまい、たった9ページの原稿のために丸一日費やしてしまいました。かくして、観るつもりのDVDや読むつもりの本は手付かず、部屋は相変わらずちらかしっぱなしのまま盆休み終了。おまけに冷房の効いた部屋と猛暑の屋外とを往復し続けたせいか、軽く喉をやられてしまいました。いや部屋の空気が汚れているからという話もありますが……。
8月4日(金)〜5日(土)
金曜日は、たまたま仕事が早く終わったので、銀座みゆき館にて舞台「はなさかづき」を観劇。「てぃんかーべる」のメンバーも多数参加の「L.PRODUCTS」主催による、女性ばかりの役者さんが演じる時代劇。女性ばかりということで、どうしてもみんながみんな格好良すぎるような印象となってしまうのは否めませんが(男はもっと汚らしくていやらしい奴もいるんだぞ〜と思わず言いたくなったりして)、それだけに素直に共鳴できるのも確か。初めて観たのは「てぃんかーべる」のメンバーによる京極夏彦原作「魍魎の匣」で、原作に余計な手を加えず、しかもその複雑怪奇なストーリーをしっかりと目に見える形にしてくれたことに感動したものですが、その一種独特の美学は今回の劇にもしっかり受け継がれているようです。幕末の会津藩を舞台に、若き藩主松平容保とその家臣たち、そして白虎隊の悲劇を描くストーリーでしたが、
いや〜なかなか皆さん熱演で、思わず最後は泣いちゃいましたよ。その後色々うちにあった本で調べてしまいましたが、松平容保って実際ホントにいい人だったみたいで、引き受けなくてもいい京都守護職を引き受けて、その結果
会津は戦場になって、女子供に至るまで総力戦になり、あげくの果てに死体は埋葬することを許されず、生き残った人達は青森の果
てに追いやられて食うものも食わず嘲られる毎日を送ったという……ホントに可哀想な話でした。
舞台の方は、残念ながら松平容保役のSさんの登場シーンは少ないのですが、ノリの良い山川蔵人役の人が非常に印象に残っています。悲劇ってああゆう楽天的な登場人物が出てくると引き締まるようです。
土曜日は、昨年のSF大会「マッドサイエンティスト・カフェ」で思い掛けなくも久し振りに再会したM氏宅に招かれてワイン会。新築・一戸建てのM氏宅は壁なんか白いままで、さりげなくイタリア旅行土産のオブジェなどが飾ってあってなんとも素敵な感じ。M氏夫婦と女性二人を交えての落ち着いたホームパーティ。こちらからはシャンパーニュ「シャルル七世・ロゼ」を持参しましたが、事前に氷水に浸けて冷やしておいたにも関わらず、持って行く間に暖まってしまい、ちょっと冷え具合が足りなくなってしまったのが残念。M氏宅で用意していたのはオーストラリアの白、フランスの赤、そしてイタリアの赤・バルバレスコ99年となかなかのセレクトで、真鯛のカルパッチョ、クリームソースのバスタ、牛肉のローストといったお料理としっかりマッチしていました。M氏の話では、奥さんは人見知りなのでなかなか外へはお披露目できない……とのことでしたが、お会いしてみたらどうしてどうして非常に明るく楽しい方で、「人見知りってどこら辺が?」という印象でした。もしかしたらSF大会で最初にあったメンバーが問題だったんではないかしら?