★獅子座
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星に興味を持つのは、星座から?
毎日、頭の上に星が見えているのに、それに興味を持つのはちょっとした感覚的な
面白さに出会った時のように思う。
あの、真っ暗い中に、針穴でつついたかのような小さな光を、なんとも物語の動物
や人に見立ててしまったとは、とてつもない時間を好奇心の固まりで見つづけたもの
の心のデッサンの産物だったのだろう。
星座板に出会い、空を見上げながら、初めて見つけた時のおどろきは忘れない。
星の並びをたどって、その獅子が前足を出して伏せている姿勢を追ってみる。とたん
に、なんとも覆いかぶさるかのように頭の上一面に、その獅子は生きていた。怖いほ
どにその大きな体を横たえていた。
じっと光の空間を見つめている。じっと聞こえる限界の音を探そうとして感じるよ
うな気の遠くなるような感覚を楽しみながら。
光の奥にあるものを、心の中で追いかける。どんどん気が遠くなるほどに追いかけ
る・・・。
一度、屋根に寝ころんで、星をぼやっと眺めていたことがある。最初は、意識もし
っかりしており、地上に居る自分が天体の星を眺めていると判る。ところが、一瞬に
して、逆転してしまったかのような錯覚に陥る。まるで、天の星の世界を見下ろして
いて、手を放したらその空間に吸い込まれてしまいそうなのだ。天と地が意識の中で
逆転してしまった。
心で捕らえた風景は、こんなにも思いもかけぬ光景を心の中に描くことになる。と
てつもない大きさも、心の中に捕らえてしまえば一瞬の大きさに鳥瞰出来てしまい、
その心のキャンバスに、動物でも描いてしまえるのだ。
大きな獅子座を思うとき、古代の人々と思いを共有する一瞬である。