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高田渡 & 加川良
ライブ・アット「TOKUZO」
(ゲスト:いとうたかお)

1999年2月13日(土) 名古屋市「TOKUZO」


高田渡 & 加川良(ゲスト:いとうたかお)

時 : 99.2.13(土) 19:30〜22:30
所 : 名古屋「TOKUZO」

期待半分、不安半分。
高田渡御大は、お酒の事であり、加川良さんは、
入院されたという話を年末に聞いていたからであります。
結論から申しあげれば、この夜の、お二人は、そんな
噂など、どこ吹く風!
正に毒舌冴えわたる高田御大と、やんちゃな加川良さん。
お互いに、ちょっかいを出しながらの、いたずら兄弟を
見ているようなライブでありました。
つまり、ステージで拝見する限りにおいては、すこぶる、
おふたかたとも、元気でありました。


開演の7時半には、まだ45分あるなぁ、と思いつつも、
入り口で、昨年の1月に大塚まさじさんのライブでお会い
した方から声をかけていただいた。
会場の「TOKUZO」に入ると、50席ほどの椅子席は、
残りわずか。
今日のライブの事を連絡しておいた友人は、既に、一番前の
テーブルに陣どっていた。
6時の開場の時に、既に列が出来ていたそうだ。
一番前のテーブルとステージの間に、少し、スペースが
とってあったのだが、椅子席がなくなると、その空いた
床に座って人が埋めてゆく。
最終的には、100人近くは入っただろう。


まずは、二人揃っての登場。
高田渡御大は椅子に座わるやいなや、もう、何かしゃべり
始めている。
良さんは、立ったままギターを鳴らしながら渡御大に背を
向けている。
ギターの音を合わせてから渡御大が歌い出したのは
「この世に住む家とてなく」。
まぎれもなく、二人でギターを弾きながら、渡御大が
歌っている!
途中で良さんにボーカルが変わるとたん、キーは、そのまま
だが、リズムが加川節に変化する。
また、渡御大にボーカルが移った時に、思わず
「歌いにくくってしょうがない。」(笑)
でも、テンポは、そのままで、最後は二人一緒に歌われた。
その後、加川良ソロ・ステージとなる。


前日、三重県伊勢市で、加川良、高田渡、西岡恭蔵、大塚まさじ
という顔ぶれのコンサートがあったそうで、その話を最初の何曲かの合間に
話された以外は、後半はほとんどMCなしで歌われた。
なんでも、昨夜の持ち時間が、一人25分だったそうで、その欲求不満の反動の
ようである。
オムニパスCD「KUROちゃんをうたう」に収録されている「月の祭り」に
始まって、「冬の星座」「下宿屋」「胸にあふれるこの想い」「オーマイ・ダーリン」
「女の証」「アイ&アイ」そして「教訓T」で締めくくる。


渡御大も「仕事さがし」にはじまって、「魚つりブルース」「コーヒー・ブルース」と
いった往年の名曲をはさみながら、トークも冴えに冴えわたる。
「私の歌が冗談の歌だとわかってもらえるのに30年かかった(笑)。」
会場から「自衛隊に入ろう」とリクエストの声があがると、
「あの曲を聞いて、本当に自衛隊に入った人が何人もいるという。
責任感じてんだ。あんな歌、歌えるか。」(笑)
あの軽妙な語り口で、本気とも冗談ともとれるような言葉を次々にくり出していく。
ギターを弾く指も、しっかりしてみえるし、フレットからフレットへ指をスライド
させての「ミミズのうた」など、ギター・プレイも安定してみえる。
後半、シングルCDで出した「ブラザー軒」「十九の春」も歌われて、さらに
「夕暮れ」「風」と、ここまで一人で14曲。
再び登場された加川良さん、
「皆さん、よう、最後までガマンして聞いてましたね。」(笑)
そして、二人で「生活の柄」という夢のような共演である。
良さんは、ハープを渡御大の耳もとで吹いておどけたりと、茶目っけたっぷり。
子供同士なら、すぐに、とっ組み合いを始める兄弟を見ているようでもあり、
二人とも「犬猿の仲」と言って、はばからないが、まるでトムとジェリーのような
と言うのが一番ピッタリかと思う。


すでに時刻は10時をまわっている。
「本当は、ここで引っ込むのだけれど、どうせ遅くなったのだから、このまま
演ります。」
と言ってから紹介したゲストは、いとうたかお である。
高田渡ファンならば、LP「系図」の一番最後に、いとうたかお が「あしたは
きっと」という歌を歌っているのを御存じかと思いますが、まさに今夜は高田渡、
加川良、いとうたかお の三人による「あしたはきっと」である。
こんな場面、生きてるうちに、そうそう、見られるものじゃあない!
これがアンコールのつもりだったのであろうが、それで引っ込ませる筈がない。
やんやのアンコールの後は「遅くなった責任をとって」と、高田渡御大が、お一人で
登場。
最後は、「スキー」の替え歌と「ごあいさつ」。


明るくなった会場を見渡せば、朝野由彦さん、センチメンタル・シティ・ロマンスの
細井豊さん、高田渡御大とは三鷹に住んでいた同士という、くつわだたかしさんなど、
名古屋のシンガー達のちょっとした社交場と化していた。




★★セットリスト★★

この世に住む家とてなく(高田渡&加川良)

(加川良ソロ)
月の祭り
この渇き、癒して(新曲?「冬の星座」のイントロ?)
冬の星座
下宿屋
胸にあふれるこの想い
オーマイ・ダーリン
女の証
アイ&アイ
教訓T


(高田渡ソロ)
仕事さがし
スキンシップ・ブルース
ハッピーニューイヤー・ブルース
ミミズのうた
魚つりブルース
流行ものには目がないわ
コーヒー・ブルース
いつか
鎮静剤
トンネルのうた
ブラザー軒
十九の春
夕暮れ
風


生活の柄(高田渡&加川良)
あしたはきっと(高田渡&加川良&いとうたかお)

(高田渡ソロ)
スキーの替え歌
ごあいさつ


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