童謡メドレ-「証城寺の狸囃子」のお経

〜浄土真宗『正信念仏偈』について〜

 

『正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)』とは?

 千葉県木更津市にある証城寺は、浄土真宗本願寺派(西本願寺派)のお寺です。

その宗祖親鸞聖人の著書『教行信証』六巻のうち行巻の末尾にでてくるのが

『正信念仏偈』であり、浄土真宗の教えの要点をまとめています。

 全文は、七言を一句とした百二十の句からなる偈(詩)です。

        

  無量寿如来に帰命し *歌詞では、この冒頭の部分が省略されています。

  
不可思議光
(ふかしぎこう)に南無(なも)したてまつる。 

 

  法蔵菩薩(ほうぞうぼさつ)の因位(いんに)のとき、  

             *歌詞では、リズムの関係で「時(とき)」が省略されています。

  世自在王仏(せじざいおうぶつ)のみもとにありて、 

 

  諸仏浄土(しょぶつじょうど)の因(いん)、 

 

  国土人天(こくどにんでん)の善悪(ぜんまく)を覩見(とけん)して

 

  無上殊勝(むじょうしゅしょう)の願(がん)を建立(こんりゅう)し、 

 

  稀有(けう)の大弘誓(だいぐぜい)を超発(ちょうほっ)せり。

 

おおまかな意味

  ご本尊の阿弥陀如来をたたえ、阿弥陀如来への絶対帰依が表されています。

 「われこの世に生し、南無不可思議光明に照らされ、仏の教えに出会い、

  帰依し、因果、因縁、悪因を断ち切る。

  仏国土より無上の菩薩心を発する無常、正等、正覚を成願す。」

 

 南無 =菩薩に祈るときに唱える言葉 身命を信仰の対象に投げ入れること

 帰依 =(仏)信仰して一身を任せること

 菩薩心= 仏道に入る心 正覚を開く心

 正覚 =妄想を断ち切って仏果(修行によって得られるさとり)を得ること

 因位 = 未だ仏果を得ない菩薩の地位     = とくに基本的な原因

 弘誓 =仏果を得させようとする仏の広大な誓願 

      

 *参照:『教行信証』(岩波文庫/金子大栄校訂)行巻/広辞苑

 浄土真宗「正信念仏偈」(HP)
         西谷進さんからいただいた資料   
                         (
2004.7 記)

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