日々の何気ない出来事を思いつくままに綴ってみました・・・

          

1月31日(月)晴れ 今日は薬物中毒の若い女性が入院となり、受け持ちとなった。ミットはN津先生である。何でも近くの精神科にて加療されていたようだが、何らかのはずみでか定期の内服を10日分くらい一度に服用したようだ。来院時は昏睡状態で両眼は著明に縮瞳し痛覚にも全く反応しない状態であった。しばらく保存的に様子をみていたが除々に呼吸状態がおかしくなり、経鼻的に挿管し呼吸管理を行った。結局レスピレーターを使用せざるを得ない状況となり、血中濃度が薄まってくるのを待つしかないとった状態が続いた。覚醒が得られるまではICU管理となりそうだが、意識レベルが回復した段階で主治医の元へとお返ししなくてはなるまい・・・。

1月29日(土)晴れ 今日は高知市の福祉交流プラザにおいて第14回高知県国保地域医療学会が開かれた。私も現在香川県に勤務している身ながら所属は国保梼原病院ということもあって参加させてもらった。午前中は病棟回診があったために午後のシンポジウムからの参加となった。寝たきりゼロにするために・・・という演題をもとにして活発なディスカッションが繰り広げられた。国保直診の診療所のない市町村からの発表もあり、その地域での医療とのコミュニケーションや関わりの困難さなどの話もあって色々と考えさせられた。助言者として我が三豊総合病院の保健福祉管理者であるI井会長も全国国診協施設協議会会長として参加されておられた。4月には後期研修を終えてまたこの高知で地域医療に従事する予定であるため今の大病院の病棟・検査モードからの頭の切り替えが必要なのかも知れない。

1月27日(木)曇り時々雪 外科のS医師のSOTEC BirdXがとうとうやってきた。注文して待つこと何と2ヶ月という人気商品である。S医師はWindows初心者であるためセッティングを依頼された。循環器のU枝先生や内科Y井先生、A山先生、M浦先生、H尾医師も加わって医局最強のノートパソコンが一夜のうちに完成した。最初からLANカードも備わっており、ついたその日にいきなりインターネット128Kのスピードも実感できるというS医師にとってまさにWindows一色の至れりつくせりの日だったようだ。こういった大勢の医局にパソコン一台置いておくと2-3日のうちにものすごく進化するかそれともシステムが破壊してしまうかのいずれかの道をたどることが多い。内科のA山先生のデスクトップパソコンはもうすでに1回システムの再インストールが済んでいるとのことだ・・・。

1月26日(水)曇り時々雪 今日は内科カンファレンスがいつもより早く終わったので内科のK野医師と一緒に琴弾回廊という温泉に行き、その帰りにラーメン屋に行ってビールを飲んで帰ってきた。仕事の後の温泉とビールはやっぱり最高だ!!!。週半ばでガス抜きをすると週後半戦がきついものがある。気を引き締めてまた明日から頑張ろう・・・。

1月25日(火)曇り時々雨 今日は夕方香川県立中央病院の講堂でGDフォーラムが開かれた。GDというのは胃と十二指腸を表すもので文字通り上部消化管疾患についての勉強会である。いつもならば2例の提示があるのたが、今日は会終了後に新年会が企画されているために1例のみに留まった。本来ならば火曜日の夜といったら消化器カンファがあるのだが、S脇部長の方針で今回はこちらのフォーラムが優先された形となった。今日の症例は非上皮性腫瘍の提示だったが、読影の段階で三豊チーム対県中といった感じのディスカッションの様相を呈しており、県中チームは上皮性腫瘍を支持していた。結局は三豊の読みが正しかったわけだがこのお陰で新年会が反省会にならなくてホッとした・・・。

1月24日(月)曇り 今日は右大葉性肺炎と不安定狭心症の2例が受け持ちになった。不安定狭心症の症例は緊急心カテとなってしまい、午前中の腹部エコーを途中で抜けてカテに入ることとなった。4ヶ月前にステントを2枝に留置している症例であるためにステント部の再狭窄が疑われたが幸いその所見はなく冠動脈のspasm(攣縮)によるものと判断された。このように迅速に心血管の評価ができるのも三豊のよいところである。肺炎症例については酸素吸入を必要とするまで悪化しており、緊急入院となったようだ。

1月22日(土)曇り 今日は昨年まで勤務していた国保梼原病院で知事をお招きして「21世紀の地域医療を考える」というメインテーマを掲げたシンポジウムが開かれた。総勢70名近い参加者があり活発なディスカッションが行われた。知事自身が地域医療に関心を持たれていることが改めて理解され、我々自治医大の組織としても今後の見通しが少し明るくなってくれた実感があった。このシンポジウムの内容に関する記事が高知新聞のホームページにもされており、マスコミもそれなりに関心をもってくれているようだ。今日のシンポジウムが今後の県の施策にどのような意味をもたらすことになるのか・・・。今後動向に注目していきたいと考えている。

1月21日(金)曇り時々雪 今日もまた高松で肝腫瘍研究会があった。今日の内容は愛知県がんセンターのA井部長をお招きしての「肝動注化学療法-世界の趨勢と日本の役割-」という壮大な演題であった。我々が日常行っている肝動注化学療法は世界的にはまだ確固たる治療法として受け入れられてはいないのだが、その指標として出された各種論文についてのテクニカルな部分についての問題を指摘され、愛知がんセンターでの治療実績との比較考察などをお話頂いた。大変アクティブに活躍されておられてIVR領域では名の知れわたった先生だとか。当院放射線科のK瀬先生もA井先生の前では少し小さくなっていた印象があった。時にはこのような偉い先生のご講演も受けて刺激を受けることも一つの勉強だと感じた。

1月20日(木)曇り時々雪 今日はS根先生が大腸の会でビデオセッションの巨大結腸症患者に関する内容をまとめて発表するということでS脇部長以下9名が揃って高松へと繰り出した。今日の内容で興味をもったことはソニーやオリンパス社が一般向けに発売しているサングラス型ディスプレイモニターを臨床応用しようとする試みであった。ソニーの場合商品名「グラストロン」なのだが、これに内視鏡の像を映せば腹腔鏡や気管支鏡などで頭を動かすことなく検査や手術ができるというものであった。内視鏡だとまさに腸管内に自分がいる感覚だとか・・・。まだまだ画素数や重量など色々な問題があるものの、オリンパス社では3Dで見ることのできる優れた機種も出てきているらしい。研究会も無事に終了してその後部長は幹事会に出席をすることになり、残された8名は高松の街へと飲みに出掛けることになった。現状の抱える問題点や今後のことなどについて熱いディスカッションが遅くまで続いた。なかなか楽しかった・・・。

1月19日(水)晴れ 夕方から三豊総合病院の来年度の予算内で購入する医療機器を各部署から提示してそれが何故必要でその緊急度はどのくらいなのか・・・といった内容のヒアリングが院長を前にしてなされた。提示された医療機器には10億のMRIから1億のエコー、数千万の手術器材、数万円のリハビリ器具までありとあらゆるものが要求内容に含まれていた。この内院長の決済がおりるのは約1/10程度とされているようだ。中には昭和50年代からの機器の買い替えなども含まれていて同情の余地ありといったものも結構含まれていた。各部署個別に交渉するのではなく、こういった形でみんなで議論していくのもここ三豊のいい所?なのだろうか・・・。

1月18日(火)晴れ 今日の午後は気管支鏡検査が4件入っており、後半の2件は非常に結核の可能性が高いとされるケースが続いた。こういった場合、咽頭麻酔からしてちょっと緊張してしまうものである。気管支内部にもそれらしき喀痰が散在しており、いつも以上に注意を払って検査を行った。4例目の症例については検査終了後に抗結核剤4剤併用療法が早速開始された・・・。う〜ん、自分は果たして大丈夫だったのだろうか・・・?

1月16日(日)晴れ 今朝いつもどおり病棟回診に行くとA東先生がおられて「PTBDチューブが閉塞したのでその入れ替えをせんといかん」とおっしゃられていた。ミットはO比賀医師なのだが、昨日自讃会の会合で実家の香川町に帰っていて不在であったが今朝A東先生によって呼び出しを受けたようだ。当然すぐに三豊に向かっていたのだろうが、結局O比賀医師の到着を待たずに入れ替え術を始めることになってしまった。こんなときファーストコールはN津先生なのだがちょうど今から健康教室がはじまってしまうとのことで入ることができず、たまたまそばにいた私が助手に入ることになった。手技も無事終了して我々が手を下ろした直後にO比賀医師が帰ってきた。入れ替え手技に間に合わずとても残念そうであったがこういったシチュエーションは研修医の立場としては結構辛いものがあるのだ・・・。とにかく患者の状態をオーベンよりも後で知ってしまってしかもその処置に立ち会えなかったというのは何ともいえない感じがあるだろう。僕が不思議だったのは昨夜から閉塞の兆候があって病棟はそのことをA東先生には伝達していたようだが何故O比賀医師はその情報が伝わっていなかったのかということだ。彼も在宅をやっていて携帯電話でのオンコール体制は整っていたはずなのに・・・。

1月14日(金)曇り 今日は心嚢液が貯留した心不全患者が受け持ちとなった。原因は甲状腺機能低下症のためだった。全身倦怠感や労作時の息切れなど10年来続いていたようだが、これまでずっと医療機関にかからずに我慢してきたようである。ホルモンのバランスが大きく狂っていてこのために色々な症状を呈しており、どれをとっても教科書通りの典型的なタイプである。治療自体はホルモンの補正が主たる治療となるだろうが一気にドカンと治療できないところが少しもどかしさを感じてしまう・・・。ADLはかなり低下しており長期間の入院療養を覚悟しなければなるまい。

1月13日(木)晴れ 今日は夕方18時に病院を出発しS脇部長と一緒に県立ガン検診センターへ向かった。香川県で30年以上の歴史をもつ消化器談話会という研究会があって今日はそこで自分の症例を提示する機会を得た。今日の演題はCPCと手術症例に関するものが中心で病理学的な考察も要求されており、病理のM谷先生に色々とアドバイスを受けながら今回の準備を行った。部長の他にA東先生、I田先生も出席されていていつも以上に緊張してしまった。何とか無事発表を終え、三豊からの参加医師だけで高松市内の居酒屋で小さな新年会を開いて頂いた。研修医のM尾、H尾、K合の3名も加わって楽しい時間を過ごすことができた。こういった膝を交えての会では色々と貴重な話をオーベンの先生方から頂けることが多く、我々研修医にとっては貴重な機会となる。今夜も色々とためになるお話を頂いてまさに一粒で2度美味しい消化器談話会であった。

1月12日(水)晴れ 今日は肺炎の新入院があたった。ミットはS脇部長である。以前非定型抗酸菌症のために加療を受けた既往のある患者さんであり、単に肺炎といっても一筋縄ではいかないものかも知れない。呼吸器のY地先生にもアドバイスを受けながら診断・治療をすす進めていく必要がありそうだ。午後には90歳近いお年寄りの大腸ファイバー検査を行った。現在K原医師の受け持ちで入院中なのだがこれから検査という時に病棟に呼ばれてしまい急遽私が担当することになってしまった。高齢者の大腸壁は結構脆くて穿孔を起こし易いことからいつも以上に優しくゆっくりと検査をした。高齢のため鎮静剤も使用せずに検査したためなるべく痛がらせないようにも配慮した。時間がかかってしまったものの何とかうまく挿入できて主治医のK原医師にも面目がたった。腸穿孔などの大きな合併症もなく終了しホッとしたがいつもの倍は疲れてしまった。こういった症例でもサラリと検査できるたけの技量はまだないようである・・・。

1月11日(火)曇りのち雨 今日は財田診療所のN鞍先生が介護支援専門員の実務研修のために不在となるため、私が代診で診療にあたることになった。正月明けで連休明けということで患者さんも多くて午前中はこれまでの代診とは違って休憩時間はとれない忙しさであった。特にインフルエンザらしき患者さんが3名ほど含まれていて今後流行していきそうな気配が漂っていた。財田診療所は大変いいところなのだが、何せ医師一人だけで仕事をこなしているために苦労も多いことだろうと思う。今回のようにちょっと一日研修に出るだけでも気を遣ってしまうし、またインフルエンザでも流行しようものなら時間外の対応も今以上に大変になってくるだろう。毎晩当直をしているようなものでなかなかゆっくりと過ごすことができないと思われる。そんな多忙なN鞍先生の少しでもお役に立てたのならそれだけで満足である。

1月7日(金)晴れ 今日は昨日入院した患者さんの大腸内視鏡検査を行った。この時にいつもはあまりやらない検査手技を経験することができた。その検査法とは内視鏡終了時に直腸に空気をたくさん送気して患者さんに「おなら」を我慢させてからすぐに直腸部を中心とした精密CTを施行したのである。これは当院に下部消化管用の超音波内視鏡がないことを補うための検査であるとのことでこれでまた一ついい勉強になった。CTを見ると確かにガスが入っているお陰で直腸病変を認識し易くなっており、病変の広がり具合を診断するには有用な検査法だと感じた。PM16時からは自分が受け持ちの患者さんを在宅に帰すためのケアカンファレンスが開かれた。主たる介護者である娘さん、大野原町の保健婦さん、ヘルパーさん、当院の在宅介護支援センター職員、訪問看護ステーションのスタッフ、中4病棟の婦長さん、O原先生そして私と今後在宅生活に関わりをもつ関係者が一同に会して今後の在宅での役割分担についてディスカッションしていった。こういったスタッフの陰なる力によってこの患者さんは待ち焦がれた自宅での生活が可能となっていくのである。安否確認のために地域医療部から遠隔操作が可能なテレビ電話システムの導入により、介護者も仕事を続けながらお世話していける環境も整えた。当院の地域医療部の底力を感じた・・・。

1月6日(木)晴れ 今日は午前中S脇部長について胃カメラの仕事はじめを行った。やはり年明けの一例目は何となく緊張するもので今年一年の内視鏡を占う・・・というと大袈裟なのだが、何とかうまく施行できてホッとした。午後在宅往診から帰院すると下血(赤色便)が3ヶ月前から続いていたという患者さんが入院受け持ちとなっていた。特に症状がなかったため痔ではないかと思っていたらしいのだが、今回発熱、咳、咽頭痛などの感冒症状を契機として近医受診され、そのまま当科紹介入院の運びとなったわけである。直腸診にて肛門からすぐのところに出血源と思われる潰瘍性の病変を認めた。今後治療に向けて精査加療を進めていく必要がある。

1月5日(水)晴れ 今日は高知からわざわざここ三豊総合病院に受診にやってきた患者さんがいた。何でもアルコール性肝障害があって、肝硬変、腹水を合併してまさに入院の適応であった。高知出身ということでS脇部長から「しっかり治療してまた高知に帰してあげてくれ」と依頼された。ミットは頼れるA東先生とのことだった。しかしながらアルコールがらみの症例はなかなか対応に難渋することが多く、同郷のよしみとはいえ一抹の不安が過ぎっていた。だが待てども待てども病棟から新入院の連絡が来ない。しびれを切らして内科外来の方へ向かい確認してみると入院を待っている間に患者さんが突然帰るといって高知の方に帰ってしまったとのことだった。せっかく高知からわざわざここまで来ていたのに・・・と少しあっけにとられた感じだった。このように外来での行動だけを見てもなかなか一筋縄ではいかないケースだったような気がする・・・。後でA東先生にこの件をお話してお互いにホッと胸を撫で下ろしていたのは言うまでもない・・・・。

1月4日(火)晴れ 今日は年末年始の休暇中の6日間に入院した患者の主治医決めがなされた。1年生のO比賀医師は何と5人の入院があったとのこと。私自身は不明熱と不安定狭心症の2人が受け持ちとなった。この他に自分が在宅訪問診療しているお年寄りが転倒して大腿骨頸部骨折のために整形外科にも入院した。86歳という高齢だが軽い痴呆症状のみでこれまで何とか在宅で生活してこれただけに何とか寝たきりにならないよう手術後には頑張ってリハビリに励んでもらわなければならない・・・。夕方には年賀の会が病院大講堂で開かれ、院長から今年の抱負や来たるさまざまなイベントの紹介があった。南病棟やホスピスの新設など大きな変化が待ち受けているようだ。残念ながらこれらの部署での勤務は叶わないものの今後の経過については関心をもっていきたい。その後軽食とビールなどが振舞われてご馳走になった。

1月3日(月)晴れ 今日は嫁さんの○○歳の誕生日だ。何か記念のプレゼントを・・・と考えていながら結局何も用意できなかったので精一杯子守りをして嫁さんが楽にすごぜるように配慮した。今一番これが嫁さんに喜ばれる贈り物なのだ(ホンマか?)。何はともあれとうとう今日で年末年始の休暇が終わってしまった。明日からまたリズムを立て直して仕事に励まなくては・・・。

1月1日(土)晴れ 元旦 新年明けましておめでとうございます。祝、2000年!!!

とうとう西暦2000年に突入した、20世紀としては最後の年となり、来年からは21世紀の幕明けとなるようだ。危惧されていた2000年問題についても特に大きなトラブルの報道もなく、当然在宅の患者さん達も平穏な年末年始が送れたようで何よりのことであった。いずれにせよ色々な意味で節目となる年であり、自分自身にとっても飛躍となる年になればと考えている。せっかくのお正月休みということもあり、ゆったりのんびりと家族と一緒に過ごすことにしよう。