コンベンションの裏側とは?


TRPGサークル「ミッドガルド」は1995年8月16日(水)に佐原市中央公民館で第1回コンベンションを開催しました。できてからわずか半年のサークルがコンベンションを開いてしまったわけですが、とりあえず無事に終わってほっとしています(来ていただいた方、どうもありがとうございました)。ここでは、運営する側から見たコンベンションについて私(高岡)がいろいろ書いてみたいと思います。

また、アンケートの結果をまとめたものが「なると3号」(文章:飯塚良)に掲載されていますので、そちらも併せてご覧ください。

告知

まず、コンベンション開催の告知をしなければなりません。雑誌では、RPGマガジン・コンプRPG・ドラゴンマガジンの3誌にハガキを送り、そのうち前の2つの雑誌に掲載されました。まあドラゴンマガジンは告知スペース自体がとても小さいので仕方ないですね。かなり運が良くないと載らないでしょう。
失敗したのは、それぞれ告知を雑誌に送ったのが別のメンバーだったので、掲載されたコンベンション開始時間がバラバラになってしまったことです。

また、ネットではニフティのRPGフォーラムと、このホームページでの告知を行いました。佐原にはニフティのアクセスポイントがありまして、通信やっている人もいるようです。ただ、「ホームページを見て来た」というのは、地方のサークルである以上まずいないでしょうね。まあ趣味でやってるからいいんですけど。

準備

私は千葉市に住んでいるので、直前の準備作業以外にはほとんど関われませんでした(それにレポートの締め切りが10日だったので帰省できなかった)。みなさんいろいろとやっていたようです。申し訳ございません。
いちばん大変そうだったのが当日販売していた会誌「メイルシュトローム」の編集の方々。原稿持ったヤツが4日ほど行方が判らなくなりその原稿が落ちた、ということがありました。当然のことながらそいつはみんなに総スカン食っております。しかしなんとかコンベンションの2日前にできあがりました。私は紙折りぐらいしかやってませんけど(コピー本です)。

私はといえば、サークルの役職が広報から会計に変わったため、前任者からの引き継ぎをしました。サークルに関わる金銭についての責任を負うことになります。コンベンションに関してだけ言えば、まずは会員が立て替えていた必要経費をコンベンション終了後に参加費収入から支払う、参加者への領収書の発行、当日の釣り銭の用意、などがあります。コンベンションは独立採算制を取り、一般会計とは別になっています。ちなみに釣り銭は私の奨学金から作りました。35,000円の硬貨というのはけっこう重かったです。でも結局使わなかったんですけどね。

当日の朝

コンベンションは10時からなのですが、準備は9時からでした。8時30分に駅前のコンビニに行くと、アンケートをコピーしているメンバーと会ってしまいました。私は完全にスタッフとしての参加ですので、会場から離れないようにするために朝食兼昼食を買ってから会場へ。

会場に入ってみると、予想以上にいい部屋でした(実は初めて見ました)。床はカーペット敷きで、マイクがあって、エアコンも付いていて、そしてなんとグランドピアノ(笑)。これで夕方の5時まで借りて2,500円は本当に安い!広さとしては、50人ぐらいのコンベンションにちょうどいいぐらいでしょうか。

さっそく会場設営。部屋の後ろにある倉庫から、椅子と机を出していきます。とりあえず前の方に椅子だけ並べ、机は後ろの方に固めておいておきます。机をセッティングしなかった理由は後述します。
受付の準備では、参加者に配る資料やアンケート、販売物などが並べられました。そしてお金を入れておく箱はあの「ぷよまん」の空箱(私の持ち物)であった…

その裏ではお客様案内のための駅前出迎え部隊がすでに9時から出動していたのであった。「メイルシュトローム」で原稿を吹っ飛ばした男が、遠くからでも目立つでかいヤツだったので満場一致で駅前部隊に決定。そのほか、女の子が安心するように女性にも行ってもらいました。

入場~開会式

時間になって、お客さんが入場してきます。参加費は500円、ただしマスターの方は無料にしました。マスターの方は事前に連絡が来ていました。受付でお金をもらって、領収書とアンケート、当日の資料を渡します。ちなみに領収書に押す判は、私が高校時代、書道の時間に彫ったもの。やっぱり受付は女の子の方がいいだろうということで、私は後ろでじっとしていました。

ぞろぞろと人が入ってきます。正直言ってこのような田舎で(しかも平日)コンベンションを開いてどれだけ人が来てくれるか心配でした。とりあえず30人来てくれれば成功かな?と開催前に代表は言ってましたが、大丈夫のようです。メンバーが自腹を切る事態は免れました。まあ結構メンバーの知り合いもいるみたいですけど(佐原高校のTRPGの中心であるアニメーション研究会の人とか)。参加者のみなさんには受付を済ませてステージ前の椅子に座っていただきます。

時間も10時になって開会式にしようかというときに、マスターの1人(女性)がいないことに気づきました。どうしたのかと思えば、駅前部隊の交代として行ってしまったとのこと。このことにより開会式は遅れることになったのです。完全なメンバーのミスチョイスですね。反省。

開会式となり、まずは代表の挨拶。そのあと注意などがあり、マスターの紹介となります。基本的にサークル側でマスターを用意し、ゲストマスターも受け付けるという形式にしました。ゲストマスターは2人いらっしゃいました。マスター全員にステージに上がっていただき、ゲームの説明がありました。当日用意していたシステムは、ソードワールドRPG(3テーブル)、ガープス・ルナル、ゴーストハンターRPG、シャドウラン、大活劇、クリスタニア、MAGIUS・だんじょん大作戦(スレイヤーズ)の9つです。

説明が終わったあと、参加者の方々には席を立って会場の脇の方に移動していただきました。そのあとプレイするテーブルを9つ作ってそれぞれマスターに立ってもらいました。まずは初心者だという方に先にテーブルを選んでもらって、そのあと残りの参加者に選んでもらうことにしました。

さて、なぜ最初からテーブルを作っておかなかったのかというと、テーブルを選ぶのに不公平にならないようにするためです。
最初からテーブルを作っておくと、その座っていたテーブルが自分のやりたいものだった人は「ここでいいや」と動かないからです。もし他の人がやりたくても、動かなかった人のためにあふれてしまうことがあり得ます。たまたまそこに座っていた、というだけで他の人より有利・不利が生じてしまいます。

ただし、やっぱり目の前でいきなり机を運び出すのは美しくないですよね。ということで次回のコンベンションでは開会式は別の部屋でやろうということになりました。そうしておけば最初からテーブルを作っておくことができます。ちなみに佐原の中央公民館では部屋を午前中だけ借りる、ということができます(300円ぐらいで)。

さて、9つのテーブルのうち、クリスタニアとスレイヤーズは人数が集まらず行われませんでした。この2つは映画が上映されていたので、人が来るのではないかと思ってサークルの代表がマスターに頼んでシナリオを作ってきてもらっていました。かなり当てが外れたようです。

プレイ中

プレイ中は各テーブルのマスターにお任せしてあるので(昼食の時間等もテーブルごとバラバラ)、私は受付でお金の見張り番です。その他、サークル代表も総括責任者ということで受付に張り付いております。スタッフで談笑しながらくつろいでおりました。プレイが始まってしまえばスタッフは手持ちぶさたですね。少しホッとできる時間です。

各テーブルでキャラクターメイキングをしているときに(もちろんガープスはプレロールドですが)、遅刻してきた方がポツポツ現れました。代表は各テーブルに聞いてまわって、まだ大丈夫なところに行ってもらいます。
ただお昼を過ぎてから来られた方もおり、もうキャラメイクも終わったところだったので、代表は参加者をテーブルに入れるのに苦労していました。地方ということで来ていただくだけでも大変なので(なにせ電車が1時間に1本の世界)、「もう始まってるからダメ」とは言えません。このような遅刻者の扱いをどうするかが今後の課題として残されました。いい方法があったら教えて欲しいです。

プレイ終了~閉会式~解散

時間も4時になりプレイ終了予定時間なのですが、半分以上のテーブルが終わってません。10分が過ぎ、巻きが入ります。ほとんどのテーブルは終わりましたが、大活劇のテーブルがきつそうです。結局、20分過ぎたところでちょっと中途半端ですが終わってもらいました。少しラッキーだったのは、大活劇のテーブルはプレイヤーがほとんどサークルのメンバーだったことです。
逆に早く終わってしまったテーブルもありました。マスターに「どうしよう?」と訊かれてしまったので、私が持ってきていたカードゲーム「モンスターメーカー」で遊んでいただくことになりました。
参加者が何人になるか判らないので、万が一の場合に備えてメンバー全員が何かしらのシナリオを用意しておくことになっていました。当日私が持ってきていたのがモンスターメーカーRPG(MAGIUSじゃないやつ)だったのでした。だからカードゲームも持っていたんです。でも私はマスターやったことないんですよね。本当はその日までにやる予定があったのですが、レポートのせいで流れてしまったのでした。

とりあえずプレイが終わり、そのまま閉会式に突入。代表の簡単な挨拶のあと、次回のコンベンションを冬に行うことを発表して終わりました。
実はこのことは閉会式直前に決まりました。マスターのひとりが「次のコンベンションはいつですか?」と訊かれ、そのことでメンバーとどうしようかと話していました。私が「やるって言ってしまえば誰かが(運営を)やるだろう」と言ったせいかは知りませんが、開催が決定してしまいました。ただ、メンバーの都合(卒論や就職)により2月4日になる見通しです。なにしろサークル代表がそうですから。

部屋を出る参加者に「ありがとうございました」と挨拶&見送り。また、会誌「メイルシュトローム」やソードワールドのリプレイ本(サークルとは関係なし)の販売もこのときやっていました。

結局、有料入場者数は37人。予想以上の参加者によって収入が増えてしまい、かなり黒字になってしまいました。ちょっと参加費500円は高かったかもしれませんが、「何人来るのか判らないので少し高めに設定した(みんなに自腹を切らせるわけにはいかないので)」「参加費を安くして赤字になっても値上げはしにくい」というのが代表の考えのようです。しかし儲けるためにサークルをやっているわけではないので、次回のコンベンションではこの黒字を参加者に還元するように努力します(参加費値下げ、等)。

そのあと会場の片づけ、清掃をして会場を後にしました。時間はちょうど5時。メンバーの都合で打ち上げは後日ということで解散となりました。

反省会

数日後の定例会の午前中を反省会にあてました。会計報告のほか、問題点についての話し合いが行われました。そこで出た問題はだいたいこれまでの文章に出てきていますが、そのほかに「メイルシュトローム」をもっとちゃんと作ろうというサークル代表の意見がありました。そのほか、次回のコンベンションの予定日や中心となるスタッフ、メイルシュトロームの編集長が決まりました。


いかがでしたでしょうか。ミッドガルドのコンベンションはこのように開催されたのでした。何もかも初めてということで、代表はかなり精神的に大変だったようです。メンバーの中には、参考にするために他のサークルのコンベンションに参加した者もいました。みなさんお疲れさまでした。次回2月予定のコンベンションも頑張りましょう。