「ハーラン・エステイト」1991年
WINESCHOLAのプレステージランチ、今回のテーマは「カベルネ・ソーヴィニョン」でした。当初の予定が変更となってしまったため参加者も少なくアイテムも4種に絞られましたが、いずれも錚々たる顔触れ。
1)NEIL ELLIS VINEYARD SELECTION 1999 JONDERSHOEK VALLEY(南アフリカ)
2)GAJA DARMAGI 1998(イタリア)
3)CH. MOUTON ROTSCHILD 1998(フランス)
4)HARLAN -ESTATE 1991(カリフォルニア)
南アフリカの「ニール・エリス」は100%カベルネ。購入価格は4,000円くらい。若干レンガ味のある赤紫で、澱はなし。正統派のカベルネの皮っぽい香りで、若干インクを思わせるような思い香りもあります。アタックが強く後味は甘いです。イタリアの名門「ガヤ」が作る「ダルマジ」もカベルネ100%。ソフトなグラデーションで、さらに複雑な重い皮由来の香りがあり、ムスクやハーブ・スパイスのニュアンスもあります。最初やや固い印象でしたが、かなり苦渋味が強くしっかりとしていてやや角張った印象。「シャトー・ムートン98年」は同じものを飲んだことがあるのですが、その時よりもやや華やかな印象。とはいうものの今回のラインアップの中ではやはりソフトで大人しい感じがします。酸臭があり苦渋味も控えめで閉じた印象。酸が勝っている感じ。「ハーラン・エステイト」はカリフォルニアのカルトワインで、日本には180本しか入らないという超レア物。一本大体5万円はするという……。どう考えても今回のランチは赤字だったのでは……? カベルネ70%+メルロー20%+プティ・ヴェルド、とのことですか、この配合は毎年変わるとのこと。グラスの底が見えないほど濃厚で、ムスク香があり、アルコール度も高く感じます。ジューシーな香りやレーズンの香りも重なり、これだけは10年以上置いているだけあってかなりこなれている印象。バランスが良くソフトで、後味は甘く噛んで飲むようなイメージ。
ちなみにお料理の方は、前菜が白身魚のゼリー寄せ、カリフラワーのスープ、鴨のローストをメインでもらった後、「ドン・ピエール」ならではのオムライスでしめたのでした。
「ハーラン・エステイト」はある意味伝説的な存在。ナパのリゾート「メドウッド」やワイナリー「メリーヴェイル」の共同経営者ハーランが、カリフォルニアのオークヴィルの険しい斜面
で作るフルボディの赤。年間生産量は1,000ケースで、ナパの外には殆ど出回ることのない逸品。とにかく飲んでみたいと思っても手に入らないところが、カリフォルニアのカルトワインのある意味コワイところ。そんな価値があるのだろうかと思いながらも、他のカリフォルニアワイン数本とまとめ買い8万円で手に入れたりして。もっともカリフォルニアワインの方も色々今は大変のようですが。
確かに美味しいワインには違いないのですが、値段分楽しめるかというと意見の分かれるところでしょうか。その意味では「ル・パン」と近いかも。「やっと飲めた!」という感懐深さでは断トツのものがありますが、濃厚さと味の濃さでいくなら四本のうちでは「ダルマジ」が一番かな。うん。