「アヴィニョネジ・ヴィンサント・ディ・トスカーナ」1992年



 WINESCHOLAのワインの会、前回のワールド・カップ特集に引き続いて、今回はイタリアワインのDOCG以外の銘柄特集。白金高輪「AL Ceppo」にて、空けた銘柄は以下の通り。

○Serego Alighieri MASI Veneto (IGT) 12% 2000  Garganega & Sauvignion  透明度が高く明るい色。花の様な香り。フレッシュでやや甘味あり。
○FAYE Vigneti Delle Dolomiti Pojer&Sandri 13% 1998 Trentino-Alto Adige (IGT) Chardonnay&Pino Bianco  
色は濃く黄金色。かすかに樽香。コクがある。
○Trebbiano dユAbruzzo Valentini 12.5% 1995  
淡い黄色。香りはやや大人しい。ナッツ香。かなりコクがある。 
●Leone Carobbio (IGT) Toscana Sangiovese 100% 13.5% 1996 
濃い赤紫色。重いチョコレートのような香り。スパイシーでボディも強い。
●Tua Rita Giusto di Notri (VDT) Toscana  13.5% 1995 
リヴォルノから内陸に入ったスヴェレートのワイン。やや明るい赤紫。カベルネ的な風味あり。
●BIRBA Lagerla (IGT) Toscana Montalcino 13% 1996  Sangiovese 100% 
やや明るめの赤紫。果 実感強い。
●Giuseppe Quintarelli Valpolicella classico superiou 13% 1993  品種:コルヴィーナ50% ロンディネッラ5% モリナーラ20% カベルネ ネッビオーロ クロアティーナ サンジョヴェーゼ 
色は赤黒い。アルコール感強く感じる。ジャムのような香り。バランスよく、柔らかいがコクもある。
●Guado Al Tasso ANTINORI 13% 1997 
濃厚な赤紫。重い香り。バランス良い。
●LUCE 13.5% 1996  
赤紫色。旨味を感じる独特の風味。
□Vin Santo AVIGNONESI  15%  1992  
ポートを少し明るくしたような色調。ナチュラルな香り。甘くコクがある。
□Vin de paille dユObuse Vin santoDolce 善光寺葡萄100%  1999 OBUSE Winery
 明るめの褐色。スミレのような香り。甘いがベタ付かず、すっきりとした印象。
(○:白  ☆:発泡性  ●:赤  ◎:ロゼ  □:その他 )

 私が持ってきたのはデザートワインの「アヴィニョネジ」。es-wineで入手したもの。「6本限定!」の謳い文句につられてメールが来た段階ですぐアクセスしたんだけれど、ハーフボトルで1万円以上という高価格にも関わらず、この一つ上のクラス「オッキオ・ディ・ペルニーチェ」は既に売り切れていました。こちらは赤ワイン用ブドウで作られている珍しいものということで、興味あったんですが……。「シャトー・ディケム、トロッケンベーレンアウスレーゼ、トカイ・エッセンシア……世界の三大貴腐ワインが束になったとしても、このオッキオ・ディ・ペルニーチェの前ではなすすべもなく、その存在をかき消されてしまう程の圧倒的な存在感」なんて書かれてしまうと、飲んでみたくなるではないですか。

「アヴィニョネジ」はイタリア語で「アヴィニョンの人々」のことだといいます。アヴィニヨンといえば、高校で習ったなあ、「教皇のアヴイニヨン捕囚」。1309年にローマ教皇がフランスのアヴィニヨンに移された事件であり、教皇が皇帝を上回る権力を持っていた時代の終わりを告げたものとされていますが、しかしイタリアワインでなんでフランスの地名がつくんだろう? ホームページの説明によると、1377年に教皇グレゴリー11世が再びローマに戻ったとき、アヴィニヨンの貴族が教皇と共にイタリアへ移り住み、イタリアでは彼らのことを「アヴィニョネジ」と呼ぶようになったのだそうです。その後アヴィニョネジ一族は分裂し、そのうちの一派がモンテプルチアーノへと移り住みました。モンテプルチアーノといえばトスカーナのサンジョベーゼ(ブルネーロ)で作られる「ブルネーロ・デ・モンテプルチアーノ」が有名ですが、アヴィニョネジの畑はそのモンテプルチアーノでも最古のものに当たるそうです。
 また、「ヴィンサント」はトスカーナやウンブリアで作られる、収穫したブドウを陰干して糖度を高めてから発酵させたワイン。この「アヴィニョネジ」は、品種はグレケット、マルヴァジア・トスカーナ、トレビアーノ・トスカーナを使用。ステンレスタンクで発酵後、仏産バリック(100%新樽使用)で8年間熟成させ、さらに瓶内で6ヶ月熟成させてから出荷されます。かなりポートに近い印象だけど、白ワイン品種を用いているので少しそれより柔らかいです。
 アヴィニョン捕囚に関する歴史について決して詳しいわけでもなんでもないんだけれど、こういう歴史のからんだ名前のついたワインってどことなく魅かれます。まあ、それにしてもハーフボトル(375ml)で割引価格16,800円だから、高いっていえば高いんだけれど。  



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