「ヴァレンティーニ・チェラスオーロ・モンテプルチアーノ・ダブルッツォ」1999


 


 自宅に職場のワイン仲間を招待してのワイン会。用意したワインは以下の通り。
 ・Champagne Andre Clouet BUZY 1997 「シャンパーニュ・アンドレ・クルエ97年」
 ・Aile d'Argent 2001「エール・ダルジャン01年」
 ・Valentini Cerasuolo Montepulciano d'Abruzzo 1999「ヴァレンティーニ・チェラスオーロ・モンテプルチアーノ・ダブルッツォ99年」
 ・Domaine Francois Lamarche La Grande Rue 1994「ラマルシュ・ラ・グランド・リュ94年」
 ・Ch. Branaire Ducru 2002「シャトー・ブラネール・デュクリュ02年」 

 まずはシャンパーニュから。Oさん持参のチーズの盛り合わせと。「アンドレ・クルエ」はシャンパーニュ、ピノ・ノワールの産地であるブィジィ村の生産者。木製のプレスで丁寧に搾られたビノ・ノワールから非常にコクのある伝統的なシャンパーニュを作りだしています。まるでウェッジウッドのような淡いブルーのラベルが印象的。甘く爽やかな香りでありながら、味はしっかり凝縮感があって、若干の苦味を感じるほど。チーズの盛り合わせの中には、ウォッシュチーズとクリームチーズを混ぜたオリジナルのチーズ・ペーストもあり、味わいがまろやかでシャンパーニュにも合いました。
 「エール・ダルジャン」はシャトー・ムートンの白。ソーヴィニヨン・ブラン種主体で、どっしりとしたムートンの赤とはかなり印象が違います。淡い黄金色で、若干の樽香にハーブやアロマの香りが重なり、どちらかというと軽やかで、酸味が控えめなので非常にマイルド。
 昨年7月にワインスカラ・チーム2000仲間のOさん宅でのワイン会で頂いたのが、この「ヴァレンティーニ・チェラスオーロ・モンテプルチアーノ・ダブルッツォ」。ヴァレンティーニはイタリア、アブルッツォで1632年から家族経営でワインを作る名門。出来の良い年しかワインを作らず、しかも収穫の1割しか自分のワインには回さずに、残りは他に売ってしまうというこだわりの強い生産者で、しかもそのロゼとなるとかなり希少なもの。とは言うものの7,800円と決して手の届かない品ではありません。ロゼとしては確かに破格ですが。黒ブドウであるモンテプルチアーノ種のブドウを果 皮浸漬した後、樽で発酵させて作ります。非常にコクが強く、余韻が長いのが特徴で、白とも赤とも異なる独特の旨味が印象的。輝きのある淡いオレンジ色とルビー色の中間色で、しっかとりした辛口。柑橘香がメインですが、若干の樽香も感じられます。
 用意したのは「もちのラザニア」「黄金のリゾット」。昨年末の自宅でのクリスマスワイン会以来の定番。「もちのラザニア」はラザニアの代わりに煮た餅を使うもの。新宿のとある居酒屋のメニューで意外と美味しかったので、自分でも作ってみたいと思ったのでした。牛挽肉をタマネギとトマトソースで炒めた物をグラタン皿に入れ、その上に水から煮てとろとろになった餅、ポルチーニ茸、モッツァレラチーズ、ホワイトソース、粉末パルメザンチーズと重ねていき、オーブンで焼いて作ります。「黄金のリゾット」はデパートのチラシに写 真が載っていたので、見様見真似で作ってみました。米をバターで炒めて、魚介のサフランスープを注いで煮詰めていきサフランリゾットを作り、最後に金箔を散らして出来上がり。どちらも好評でした。
 仕上げは赤ワイン。「ラ・グランド・リュ」はフランスで2番目に小さいAOC(1.4ha。ちなみに最小面 積はラ・ロマネの0.8haで、共にロマネ・コンティ1.8haより小さい)ということで、ワインの教科書にも登場するドメーヌ・フランシス・ラマルシュのモノポールです。明るい赤紫色で、果 実香が豊かな正統派のブルゴーニュワイン。「シャトー・ブラネール・デュクリュ」は既に何度か飲んでいるおなじみの銘柄ですが、昨年話題になった「チャーリーとチョコレート工場」の原作者ロアルド・ダールの短編「味」で有名なフルボディタイプのボルドーワイン。
 赤には「ラムのグリーンソース」で。これも最近の定番メニュー。バジルとクレソンでソースを作るのですが、今回は手に入らなかったのでスーパーで売っている香草サラダを松の実と一緒にミキサーに入れてやってみました。骨付きラムを塩コショウでソテーした後、ミキサーでどろどろにしたサラダと生クリームでソースを作り添えたもの。やはりボルドーワインにはラムが一番。参加者のNさんは小さな女の子を連れて来てましたが、骨付きラムはお子さんにも好評で、しばらくは骨をおしゃぶりがわりに。きっと将来はかなりのワイン好きになりそう。
 午後三時から十時頃まで五人で五本のワインを飲むという、なかなか理想的な飲み会となりました。ちなみに今回はお子さんも参加ということで、後半は「トムとジェリー」のDVDを流しっぱなし。セリフが殆どないので、がやがや飲みながらでも楽しめるというのがポイントですな。

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