「マリリン・メルロー」96年



 久しぶりに皆でワインを持ち寄ってパーティーを、ということになったのですが、今回は私がロサンゼルスに出張に行っていたせいもあって、期せずして一本を除いて殆どがカリフォルニアワインずくしとなりました。
 中でもI氏が持ってきた一本、「銘柄ではなく、ラベルにある人物を当ててみよう」ということになったのですが、「マリリン・モンローでしょう!」とすぐにばれてしまいました。すなわち、「マリリン・モンロー・カベルネ・ソービニヨン」。しかもケッサクな事に、私が持ってきた三本のワインのうち一本もマリリン・モンローでした。こちらはメルローを使った文字どおりの「マリリン・メルロー」。お互い受けようと思って同じことを考えこんなワインを持ってきたのでありました。しかも丁度良いことに、カベルネとメルローが揃うことになりました。
 さて、少々オモシロ路線のワインですが、味の方は全く正統派の上質のカベルネとメルロー。逆にこういう同じ作り手の違う品種を比べると、品種の違いがより微妙なところで確認できるというもの。柔らかいメルローに対して、ややきつめのカベルネ、という風に。
 ちなみにこの日の他のワインは以下の通り。6人で6本は丁度良い分量でした。
「キスラー・ソノマ・コースト・シャルドネ97年」
 97年とかなり新しいビンテージでしたが、しっかりとした香りと味のシャルドネ。もう少し置いた方が香りがより開いたかも。滋味感があり、赤ワイン並、とはいかないけれど、並の白ワインにはないしっかりした後味が楽しめました。
「プティ・ムートン・ドゥ・ムートン・ロートシルト96年」
 フランスに行って来たT氏のおみやげ。「96年物を今開いちゃって良いのか〜?」「いいのだ!」……というわけで、こちらもしっかりとした正統派ボルドーのスタイルを噛みしめることのできる赤ワイン。勿論、文句のつけようのない重みのある香りと味。私自身の好みとしては、マルゴーの様な柔らかいものよりもムートンの様な重たいタイプが好きなんだけど、カリフォルニア物もどことなくこのムートンっぽいタイプの物が多いような気がします。アメリカで人気のあるブランドだし。もともとムートンのセカンドワインは「ムートン・カデ」だったんだけど、あまりに安物になっちゃったんで、今ではこちらの「プティ・ムートン」が正当なセカンド・ワインとなっています。
「ベリンジャー・プライベート・リザーブ・カベルネ・ソービニヨン93年」
 ロサンゼルスみやげの一本。一度飲んだことがあるんだけど、それ以降手に入らなかった物です。ベリンジャーはドイツ系のベリンジャー兄弟が1876年に開いた伝統あるワイナリー。禁酒法時代もワインを作り続けた気骨ある銘柄で、味の方も重厚なボルドースタイルを継承する物です。そんじょそこらのボルドーではかなわないしっかりした味。結構車で運んだとき農園のでこぼこ道で揺らされたんで、味の方が心配だったんだけど、一ヶ月寝かせたおかげで何とか大丈夫だったみたい。
「ジョセフ・フェルプス・インシグニア95年」
 「インシグニア」とは「勲章」の意。そもそもカリフォルニアワインは、「マリリン・メルロー」ではないけれど、単一の品種を極めるバライエタル・ワインが正統とされていましたが、ボルドー式に品種をブレンドするメリタージュ・ワインとして1978年にこの「インシグニア」が登場すると、そちらの方がむしろ流行ってしまったといういわくつきのワイン。これもロサンゼルスみやげ。一緒にいた人に言わせると「オーパス・ワンよりもうまい」とのことでしたが。やや雑味があって複雑な香りをもつ「オーパス」に対して、非常にフルーティでまろやかなワインでした。もっともここに至るまでに5本も空けていたので、私を含めて皆さんちゃんと味わえたかどうか、ちょっと疑問ですけど。



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